最大のバージョンアップポイントはSteinbergの新ハードウェアへの対応
YAMAHAのKXシリーズにとってもより使いやすい機能がいろいろ追加された |
が、実際にインストールしてみると、やや期待はずれに感じる人も多いかもしれません。というのも、今回のバージョンアップの最大のポイントは、Steinbergが開発した新たなハードウェアや、YAMAHAのKXシリーズやMOTIFシリーズに対応したことにあり、これらのハードウェアを持たず、Cubase単体で使っているユーザーにとっては、それほど恩恵がないからです。
具体的に対応した機器としては
Steinberg MR816 CSX
Steinberg MR816 X
Steinberg CC121
YAMAHA MOTIF-RACK XS
YAMAHA MOTIF XS 6/7/8
YAMAHA KX25,KX49,KX61,KX8
の各ハードウェアです。
もちろん、後で紹介するVST SoundやVSTコネクションプリセットの自動生成機能など、ソフトウェア単体で強化された機能もあるので、これらハードウェアを持っていない人であってもバージョンアップする価値は十分にあります。
DSP機能を搭載したオーディオインターフェイス、MR816シリーズに対応
Steinberg自らがリリースしたCubase用の高性能オーディオインターフェイス、MR816 CSX |
これらはともにFireWire接続のオーディオインターフェイスで、アナログの入出力8系統、ADATオプティカルの入出力、S/PDIFコアキシャルをそれぞれ1系統、さらにワードクロック入出力1系統、ヘッドホン出力2系統、外部アウトボード接続用インサート端子2系統などを備えるとともに、高性能なマイクプリアンプなども搭載した製品です。
しかし、最大のポイントはDSPを搭載し、エフェクト処理などをハードウェアで行えるとともに、Cubaseと有機的な接続ができること。True Integrated Monitoringという技術により、ミキシング処理自体をハードウェア側で行えるため、ここでのレイテンシーをゼロにすることができるのです。
また「クイックコネクト」という機能により、Cubase 4.5にMR816を接続すると、プラグ&プレイで即Cubaseで利用可能になるのも大きなポイント。つまり、ドライバの設定はもちろん、VSTコネクションの設定などを含めて自動的に行えるのです。また、実質的にはほぼレイテンシーゼロでのモニタリングが可能になるといったところも大きな特徴となります。