DTM・デジタルレコーディング/シンセサイザー活用ノウハウ

(4)オシレータで原音を作り出す(3ページ目)

アナログシンセの仕組みを考えながら、シンセサイザの音作りについて考えるこの連載。今回は、原音を作り出すVCO=オシレータが何かを見ながら、音作りの根元部分を紹介しましょう。

藤本 健

執筆者:藤本 健

DTM・デジタルレコーディングガイド

ノイズもひとつの選択肢


ところで、このVCOに使う波形として、ちょっと異例だけれども、必ずといっていいほど存在するものに、
   ノイズ
とがあります。このノイズというのは“ザー”とか“シャー”といった音で、FMラジオで、チューニングが合っていないときに出る音ですね。グラフで見ると、以下のようなもので、先ほどのキレイな波形とはずいぶんと違ったものになっています。
ノイズ
ノイズ

正確にはホワイトノイズとピンクノイズというものがあり、やはり音質に違いがあるのですが、このノイズを使うことで、普通の波形では作れないいろいろな音を演出できるのです。

具体的にいえば、ハイハットの音や、ブラスを吹くときのブレス音、また波の音のような効果音などなどです。ノイズ単独で使うこともあれば、ほかの波形と組み合わせることもあります。

デジタルシンセではサンプリング音を使うことも


アナログシンセの場合は、上記のような波形を選択するのが基本で、そこから音を作りこんでいくわけですが、デジタルシンセ、とくにサンプラー系の音源の場合には、このオシレータの波形としてサンプリング音を使うようになっています。

たとえば、ピアノをサンプリングした音をこのオシレータで出してしまうのです。まあ、こうすることによって、ほかのモジュールなどなくてもピアノ音が出せる音源ができあがってしまうのですが、VCFやEGなどを使うことにより、もっとピアノっぽくできたり、場合によっては、まったく違う音色のものへと変化させることも可能です。

このように、オシレータというのは、シンセサイザで音を作る中のもっとも根幹部分であり、重要な意味を持つのです。
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