【2】Format0とFormat1 ■図1 Format0
ところでMIDIファイルにはFormat0とFormat1の2種類があります。正確にはFormat2というものもあるのですが、ほとんどどのシーケンスソフトも採用していないので、実質的には2種類といって差し支えないでしょう。
ではFormat0とFormat1にはどんな違いがあるのでしょうか? ここには互換性のレベルの異いが出てきます。
Format0はもっとも互換性の高いデータ形式で、シングルトラックのマルチチャンネルとなっています。図1をご覧ください。トラックはひとつのみで、この中に複数のMIDIチャンネルが混在していることになります。
Track0(MIDI Channel 1~16) |
それに対して、Format1は同一シーケンスで動く複数のトラックを含むファイルとなっています。一般的なシーケンスソフトでは、1トラックにつきひとつのチャンネルが割り振られ、トラックごとに管理されるのでFormat0よりFormat1のほうが分かりやすい構造ではあります。
トラックを分割した状態のままFormat1へ落とすシーケンスソフトもたくさんあるのですが、実はFormat1はひとつのトラックに複数のMIDIチャンネルを混在させることも可能です。図2をご覧ください。
■図2 Format1
Track 0 Conductor Track |
Track 1 (MIDI Channel 1~16) |
Track 2 (MIDI Channel 1~16) |
Track 3 (MIDI Channel 1~16) |
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Track 15 (MIDI Channel 1~16) |
前述のように、高機能なシーケンスソフトを使用している場合は、MIDIファイルで保存していてはその機能を生かすことはできません。では、そのようなシーケンスソフトのユーザーは、どのような場合にMIDIファイルで保存する必要があるのでしょうか?
まず考えられるのは、自分が作成したMIDIファイルを他の人に渡して聞いてもらおうという場合です。MIDIファイルを渡す相手が自分と同じシーケンスソフトを使用していることがわかっている場合はそのシーケンスソフト独自のファイル形式で保存することにはなんの問題もありませんが、相手の環境がわからない場合はMIDIファイルで保存することによって、とりあえず聞いてもらうことができます。
また、DTMなんてやったことない、シーケンソフトってなに?という人に渡しても、MIDIファイルであればメディアプレイヤーなどで聴いてもらうことができます。たとえば、Webで自作曲を公開する場合などは、MIDIファイルで保存しておけば広く聴いてもらうことが可能です。
では、Format0とFormat1はどのように使い分ければいいのでしょうか? 基本的には、より互換性の高いFormat0で保存すればOKです。渡したMIDIデータをアレンジしてもらいたいなど、相手がMIDIデータをいじることが前提の場合は、マルチトラックとなっているFormat1で保存したほうが相手にとっては便利です。
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