アマルフィ海岸の街々
ラヴェッロにあるヴィラ・チンブローネの無限のテラス。紀元前8世紀頃にローマを建国したという伝説の王ロムルスをはじめ、7人の王の大理石像が並んでいる
■アマルフィ
海洋都市国家アマルフィの中心。断崖に囲まれた入り江にあり、港を中心に街が広がっている。ランドマークはドゥオーモ(大聖堂)で、アマルフィの守護聖人聖アンドレアが祀られている。ドゥオーモの辺りから細道が迷路のように入り組んでおり、この街歩きがたまらなくおもしろい。造船所跡や手すき紙資料館などのほか、数々の教会や修道院があるが、ここは街並み自体が博物館。自由に迷い込んでみよう。
■ポジターノ
14世紀まではアマルフィの一部だったが、16世紀以降はアマルフィよりも栄えた。断崖絶壁に張りついた家々の姿がとても美しく、アマルフィ海岸の景観の象徴となっている。オススメしたいのがポジターノ近くにあるノチェッレからはじまる「神々の道」。海から500mほど切り立った山の上を歩くトレッキング・コースで、清涼な山々と複雑な海岸線、青い海と空、山中の修道院や牧羊の様子を楽しむことができる。
■ラヴェッロ
アマルフィもポジターノも海が目の前という沿岸の街だが、この街は断崖の上にあり、「海より空が近い街」と評された。街の中心は白のロマネスク式ファサードが美しいドゥオーモで、中には見事なライオンの彫刻やモザイクがある。また、ヴィラ・ルーフォロやヴィラ・チンブローネでは、様々な地方の建築様式を取り入れた豪華な庭園を見ることができる。もちろん庭園からの眺めも最高だ。
カプリ島と青の洞窟
イタリア有数の観光地として有名になった、カプリ島・青の洞窟。満潮だったり波が高かったりすると洞窟内に入ることができないため、観光ボートは出港しない。確実に見学するなら数日を用意したい
このカプリ島、ローマ帝国のアウグストゥス帝が「快楽の島」と讃え、愛し、保養していた島で、その養子ティベリウスはこの島に隠遁しながら政治を執り行った。
アマルフィ海岸同様の美しい街並みと自然が広がっているが、カプリ島のメインはなんといっても青の洞窟。洞窟の入り口は海面上わずか1mしかないけれど、中に入ると高さ15m、奥行き55mの空間が広がっている。入り口から入る光は海中を通って洞窟内を照らすため、内部は青の光に満たされている。
カプリ島からアマルフィ海岸を遠くに眺めることができ、また船でポジターノやアマルフィにアクセスすることもできる。ぜひオススメしたい観光地だ。