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銭湯+笑い=超名作ドラマ『時間ですよ』(3ページ目)

下町の銭湯を舞台に、笑わせ泣かせて、70年代に一世を風靡した往年の名作ドラマ「時間ですよ」。その魅力は決して女湯のシーンばかりではありません(笑)。それまでになかった斬新なドラマ手法について考えます。

広川 峯啓

執筆者:広川 峯啓

お笑い・バラエティ番組ガイド

独創的な久世演出の意図は?

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『「時間ですよ」を作った男―久世光彦のドラマ世界』加藤義彦(著)
久世光彦への6年にも渡るインタビューによって生まれた労作
従来のドラマには見られなかった、こうした一見破天荒にも見える演出は、単に気をてらっていたわけではなく、そこに演出家・久世光彦の意図があったはずです。それは、ドラマの本筋を際立たせるため、あえて脇筋に笑いを盛り込んだのではないでしょうか。

日本人は昔から笑って泣ける物語を愛してきました。映画で言えば『男はつらいよ』シリーズが代表格ですが、『時間ですよ』に代表される久世ドラマも、全く違ったスタンスで笑って泣けるドラマを作ってきました。笑わせた後で泣かせるという降り幅の広さこそが、日本人の琴線に触れるのかもしれません。

残念なことに久世さんは、2006年3月にこの世を去ってしまいました。しかし、彼がドラマに込めた思いは、後進の演出家や脚本家の中に綿々と受け継がれています。1990年に2時間ドラマとして『時間ですよ殺人事件』が放送されて以来、シリーズは中断していますが、久世さんの遺志を受け継いだスタッフによる21世紀の『時間ですよ』を望んでいるのは、決して当ガイドだけではないハズです。


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