押尾コータロー、ニューアルバムを発売

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来年でデビュー15周年を迎え、いまや日本を代表するギター奏者の1人である押尾コータロー。その高度な技術を駆使したプレイが音楽ファンを魅了してきたのに加えて、音楽バラエティー番組などにも頻繁に出演。意外なアーティストとのコラボレーションを披露して、我々視聴者を大いに驚かせ楽しませてくれました。

そんなスーパーギターリストに、幸運にも単独インタビューを敢行させていただきました!! まずは2016年11月9日にリリースされたニューアルバム「KTR×GTR」について、クリエイティブなことからウラ話的なサイドストーリーまでタップリうかがい、さらに前々から気になっていた異業種ミュージシャンとのコラボについても詳しく訊きました。

カバーからの刺激と、オリジナルへの欲求

---まずはタイトルについて。KTR(コータロー)とGTR(ギター)の間に置かれた“×”には、どんな思いを込められたんでしょうか。

一緒にタッグを組むという意味でもあり、バトルするという意味合いもあります。でも結局は、ギターと一心同体でここまでやって来たという感謝の思いですね。

---前回の「Tussie mussie ~loves cinema~ II」は全編カバー曲でしたが、今回のようなオリジナルアルバムとは、制作スタイルから違ってくるんでしょうか。

カバーは名曲ありきで、非常に楽しく制作できるんですが、同時に曲の素晴らしさに嫉妬することにもなるんです。なので、自分の曲をもっと良いものにしたいという気持ちが強くなって、今回に繋がりました。特に映画音楽はメロディそのものが心を打つんです。どうしたって、それを自分のオリジナルに反映させたいという気持ちが強くなってきますね。もちろん、メロディをそのまま使うのではなく、ギターの奏法を自分に取り入れたり。

---オリジナリティのある音楽と取り組むことで、自身のオリジナリティに活かしてこられたんですね。

アルバムにも入っている「同級生」というアニメーションの音楽を担当した時にも、大きな力になりました。最初は挿入歌のようなものかと思ってたら、全編ギターで作ってくれということで、メインテーマでけでなく、いわゆる劇伴(映像への伴奏曲)を全部作ったんです。


---アルバムにはメインテーマとともに、「with Yuuki Ozaki」)とクレジットされたボーカル入りの主題歌も収録されています。

オリジナルの曲に詞を付けてもらって、アルバムに収録したのはこれが初めてですね。できあがったものを聴いた時には「さすがだな」と思いました。尾崎雄貴さん(from Galileo Galilei)は映画にあった歌詞を見事に載せてくれた上に、ギター一本で作った曲がバンドアレンジでこんなに変わるんだなって。

---オリジナル曲の持つポテンシャルの高さだと思います。

この曲は今までにないデモ演奏のやり方で制作しました。いつもはギター1本で演奏して「こんな感じです」って送るんですが、今回は初めからボーカルを入れることが決まっていたので、ギターの演奏に自分の歌を加えたデモテープを作ったんです。

---ということは、メロディを作る段階から違ってくる訳ですね。

普段なら自分の手の届く範囲で作ってしまうから、どうしてもギターに都合の良いアレンジになってしまうんです。それがボーカルありきで曲を作ると、自分の歌いやすい音域で作るから、口ずさみやすい音楽ができる訳です。でも、ボーカルから作った曲をギターに置き換える作業がかなり難しくて。

---口ずさみやすいシンプルな曲の方が、逆にギターで演奏しにくくなることがあるんですね。意外でした。

今回はそれが良かったですね。 

---「KTR×GTR」の中には、「同級生」のように映画や番組とタイアップした作品と、ゼロから生み出したオリジナル作品が並んでいます。乱暴な質問になりますが、どちらの方が難しいものなんでしょうか。

それはタイアップの方が楽ですね。たとえば作曲するときに「テーマはゴルフで」と言われたら、まずグリーンが目に浮かんできます。ドライバーショットの音が聞こえて、さわやかな曲のイメージが膨らんでくるんです。どうしたって悲しい曲にはならない(笑)。タイアップのように方向性が決まることで、曲の大まかな部分は完成しやすいですね。ただ、タイアップ曲を作っていると、自分の思いだけでオリジナル作品を作り上げたいという欲求も高まってきます。両方あってこそ、バランスが取れてるんじゃないかな。

コラボに見せるこだわり。「KTR×GTR」ではDEPAPEPEとの収録も

---日本有数のソロギタリストである押尾さんですが、それと並行して様々なジャンルのミュージシャンとも精力的にコラボされています。

ソロで長くやってきた人間にとって、コラボのオファーをいただくのは非常にありがたい事だと思ってます。「一緒にやってもらえないんじゃないか?」と思われてた時期もあったので。

---ソロで演奏する時とはまったく違う神経を使う仕事のように見えるのですが。

いつも孤独にレコーディングしているんで、1人来るだけでスタジオの中が賑やかになって、すごく嬉しいんです。ふだんはエンジニアとアシスタントとディレクターくらいでやってますから。

---「KTR×GTR」にはDEPAPEPEとのコラボが収録されていて驚きました。

DEPAPEPEとは同じ関西出身というのもあるんですが、2人で作っているあの曲が好きで、彼らも僕も互いに影響を受け合っている良い関係だと思います。今回はヴァイオリニストのNAOTOさんと3組のコラボで楽しいレコーディングでした。

---押尾さん、あるいは先方のアルバム等に収録されるコラボ作も多いですが、テレビ番組のために組まれる一回限りのようなコラボもよく拝見しますが、この2つのコラボでは心構えが違ってくるものなんでしょうか。

演奏するまでは変わりはないですが、テレビ等で披露してそれで終わりという場合は悲しいですね。またいつでもセッションできると思っていた人とでも、それっきりになることがありますから。できるだけ形にして残しておきたいなと思います。

---ボーカルの方と持ち歌をコラボレーションされる事も多いですが、これもまたバランスを取る事が難しいのでは。

歌の人とやる場合は、もちろんオリジナルのアレンジが良いに決まっています。そこをどうやってオリジナルテイストを残しつつ、ギターを活かしていくかって所に掛かってますね。あまり崩すとイメージが変わるという人もいるし、そこのせめぎ合いです。ただ、ギター1本のバージョンもすごく良かったねと言ってくれる人がいる限り、まだまだこのスタイルでやっていけるかなと思ってます。

次のコラボはテクノ!?

---これまでのコラボで特に印象に残っている人はいらっしゃいますか。

僕の青春時代に輝いていたスターの方々とコラボできたことは、どれも強く印象に残ってますね。いま一緒にツアーを回っている甲斐よしひろさんもそうですし。皆さん、その後も僕のことを覚えていてくれて、また一緒にやろうと言ってくださるので感激です。

---甲斐よしひろさんとのジョイントでは、どのように取り組んでいますか。

僕自体が甲斐バンドのファンなので、アレンジする時もファン目線で考えるんです。押尾コータローを前面に押し出すのではなく、なるべく甲斐バンドの臨場感をギター1本で出したいと思って弾いてます。目指しているのは甲斐フリークがうなるアレンジですね。

---今後、コラボレーションしてみたいアーティストはいらっしゃいますか。

昔からフォークソングが好きで、谷村新司さんや長渕剛さんや、多くの方と一緒にやらせていただいたんですが。もう一つ、実はテクノ少年だった側面もありまして、YMOの大ファンでした。坂本龍一さんとは何度かお会いしているんですが、なかなか一緒にやる機会がなくて、いつか3人とコラボしてみたいと、前々から思ってました。

---アコースティックギターとテクノの組み合わせですか!? どんな音楽になるのか想像が付きませんけど、ぜひとも実現させて欲しいです。

確かに、何をするの?って感じかもしれないけど、細野さんも高橋さんも坂本さんも本当に大好きなんです。3人とも天才ですけど、ぜひともいつかその中に入って演奏してみたいと願っています。

ギターも体もメンテナンスが大事

---年明けからは、全国47都道府県を網羅した「KTR×GTR」ツアーが始まります。その他にも数多くのライブスケジュールが報じられていますが、つい体調面を心配してしまいます。

体調は万全です。ようやく最近そう言えるようになったんですけどね。以前、肩を痛めて整体マッサージへ行った時に「ギターのメンテばっかりやって、自分のメンテもしないとダメだよ」って注意されました(笑)。そこからはちゃんとやるようになりました。

---爪のメンテはいかがですか? 押尾さんといえば、ギタリストならではの爪のお手入れが有名ですが……

ジェルネイルをやってもらうようになって万全です。以前は自分でやってたんですが、プロの方にお願いするようになったら持ちも良くなったし、はがれにくくなったんです。あまりにも仕上がりが素晴らしいんで、思わずネイリストさんに「上手いですね」って言ったくらい(笑)。

---15周年ツアーについて、ファンの方へのメッセージをお願いします。

来年でメジャーデビューして15周年を迎えられるのは、僕の音楽を愛して応援してくれているみなさんのおかげです。だから、15周年のツアーは感謝の気持ちで、全国47都道府県を大事にまわりたいと思います。ぜひ、ライブ会場で、アコースティックギターの音色を楽しんでほしいです。



超実力派ミュージシャンへのインタビューで、緊張しまくりの約1時間でしたが、ジョークも交えながらフランクに答えていただき、おかげで充実したインタビューになりました。そのフランクな個性を知ってアルバムを聴くと、さらに新たな世界観が広がること間違いありません!

アルバム情報
KTRxGTR
2016.11.09 Release
【初回生産限定盤】CD+DVD / SECL2079-2080 / 3,333円 +税
【通常盤】CD only / SECL2081 / 2,963円 +税

15th Anniversary Tour"KTRxGTR" 全国47都道府県ツアー開催決定!
ツアースケジュールは下記の特設ページをご覧ください。
http://kotaro-oshio.com/schedule/tour/2017/index.html



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