芸能スキャンダルが吹き荒れた片隅で

今年もあと数日を残すのみ。世間では各種の2016年振り返り企画が登場しています。中でも芸能ニュースのまとめ記事は、あまりにも話題満載で例年のように10大ニュースをピックアップするのにも苦労してしまうほど。

その反面、いつもならその一角を占めるはずだったブレイク芸人の話題が、完全に脇へ追いやられてしまったようです。M-1もR-1もキング・オブ・コントも例年通り開催されたのに、残念なことに芸能ニュースとしてはスルーに近い対応でした。

そこでせめてもの救いになればと、この欄で今年一年のお笑い界隈の話題を総決算してみます。SMAPやベッキーの影に隠れて、お笑い芸人たちもこんなに頑張っていたんですから!

一発屋とは違う売れ方

時系列に沿って紹介していくと、2015年後半あたりから盛り上がりを見せていて、今年に入ってさらに勢いを増したのが、RADIO FISHとトレンディエンジェルでしょう。まったく系統の違う2組のようにも見えますが、実はよしもとの同期生。そのほかにも驚くべき共通点がありました。まずは簡単に各々紹介していきます。

オリエンタルラジオを中心に結成されたRADIO FISHが、最初に注目を集めたのは2015年12月の「THE MANZAI」でした。大勢の芸人が終結して渾身の漫才を披露している中で、異様なまでに目立つ集団が1ミリも笑いを目指さずキレキレのダンスを踊ったことで、司会者陣から大いに突っ込まれ、逆に爆笑を誘っていました。



一方、結成10年目あたりから徐々に人気を集めてきたトレンディエンジェルが、「M-1」で優勝したのも2015年12月でした。年明けから順調にバラエティやCMで頭角を現し、年末の流行語大賞では惜しくもトップ10からはもれたものの、「斉藤さんだぞ」がノミネート入りしました。

昨年末からの人気を維持

おわかりかと思いますが、両組ともブレイクのきっかけが昨年末で、今年に入って順調に人気を上昇させていきましたが、振り返ってみるとはここぞという決定打がなかったんですね。それでも一年間消え去ることなく活躍できたのは、どちらも「ネタ」にこだわらなかったことが大きいように思います。

これまでの芸人の出世コースは、漫才やコントで注目を集めた後に、ロケ番組等で「外回り」に奔走し、次第にスタジオ出演でのトークを増やしていくというパターンでした。しかしこの2組は、世間の注目を集めだしたと同時に、バラエティへ積極的に出演するという戦略を取り、見事に成功を納めました。おそらくこうした賢いやり方は、今後出てくる若手も参考にしてくることでしょう。
 
 

 

底知れぬパワーを秘めたメイプル超合金

そのほか今年活躍が目立った芸人といえば、お笑いコンビ・メイプル超合金、バブル芸人こと平野ノラ、“女子あるある”ネタでブレイクをした横沢夏子あたりでしょうか。ブレイクとまではいかないかもしれないけれど、逆にそこが息の長い活動に繋がっていくように思えます。

特にメイプル超合金のカズレーザー、安藤なつは、ラジオ生放送の「新発見!有楽町合金」(ニッポン放送)のMCを早くも任されるほど。外見、言動を含めて底知れぬパワーが感じられ、来年はよりいっそうの飛躍が期待できますね。

「PPAP」の謎は来年に持ち越し!?

そんな感じで2016年のお笑い界の動きも収束していくのかなと思っていた所へ、とんでもないニュースが飛び込んできました。ご存知「PPAP」の世界的ヒットでした。古坂大魔王プロデュースによりピコ太郎の歌声が、全米をはじめとして世界各地に響き渡るというお笑いの世界だけでなく日本音楽界においても歴史に残る快挙といえます。
ピコ太郎

 

ただ冷静になって考えてみると、コミックソングとして日本で評価されたのかどうか、疑問になってきます。どちらかというと、アメリカでの高評価をバネにして日本市場に参入してきた逆輸入商品のイメージが強いんですよ。なぜあれがアメリカで受けたのか? という考察もまともになされてはいないようですし。


こうして2016年を振り返ってみると、正直、何だか捉えどころのない一年でした。これまでのお笑いが築いてきた「本流」から、スルリとはみ出したものが広く受けていた気がします。でもそれって決して悪いことでも残念なことでもなく、日本のお笑いが大きく変わっていくきざしかもしれません。だとすれば、これからの笑いを今まで以上に注目していく必要がありそうですね。


※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。