もう出てこない革、ありそうでない色!
トウの周辺を拡大してみました。モルトドレッシングされたスコッチグレインカーフが、シワなく丁寧に釣り込まれているのが一目瞭然です。ガンガン履いて、その分しっかりお手入れしてあげたくなるような品質です。 |
そうそう、アッパーの革質の素晴らしさについて語るのを忘れてはいけません! 用いているのは目下フレンチカーフでは最高級の品質を誇るアノネイ社製の、キメが細かく揃ったスコッチグレインカーフなのですが、これはSCOTH GRAINの最高級シリーズ・IMPERIAL3の靴に2007年頃まで用いていたもの。アノネイといえども昨今は原皮の品質低下の影響をまともに被っていて、残念ながらSCOTH GRAINでもこのシリーズ自体を継続できなくなってしまったのですが、この BOSTON CLORTHIER向け別注に残りの優良なストックを全て供出してくれたのです。
どっしり重厚感のある黒ももちろんいいけれど、茶の色合いが特に格別! 本来のアメリカントラッドを長年突き詰めている方ならご存知でしょうが、スコッチグレインレザーを用いた靴だと、茶色は通常オレンジ色っぽい明る目のものやダークブラウン、それにバーガンディのようなものしかなく、この靴のように透明感が備わり一番使い易いミディアムブラウンのものが、意外や意外滅多に見つからないのです。
そんなありそうで全く無い、いや今後はもはや見つけること自体が確実に困難になるであろうアッパーに、黒・茶どちらもウィスキーで伸ばした靴クリームで丁寧に仕上げを入れてくれました。「モルトドレッシング」と申せば、SCOTCH GRAINの靴のファンなら当然ご存知だと思いますが、製造するヒロカワ製靴の廣川社長が自ら買って出て、これを行ってくれているのです。原皮の品質のよさも相まって、輝きが多層的に現れているのを、是非とも皆様ご自身の眼で直接ご覧頂きたい!
上記のような制約の下で作られた靴ですので、販売出来るのは黒・茶の全サイズ合計でたった32足のみ、当然ながら売り切れ御免です。本質的な部分で凝りに凝りまくっている靴の割に、価格は決して高過ぎるとは思えません。普通の、でも長い間履けるロングウィングチップをお探しの方、電車か車を福生まで飛ばしてまとめ買いされる価値は、十二分にあると思いますよ!
【SCOTCH GRAIN for BOSTON CLOTHIER/ No.1953】
■色 : 黒、ミディアムブラウン
■アッパー素材 : スコッチグレインカーフ(フランス・アノネイ社製。モルトドレッシング仕上げ)
■サイズ : 24.5~26.5 0.5サイズ刻み。 いずれもEEEウィズ(実質EE相当)
■価格 : \45,000(税込み)
■備考 : 全色全サイズ合わせて32足のみの限定販売。シューズキーパー付き
黒も茶色に負けず劣らず、いい感じに仕上がっています。懐に余裕があって自分のサイズがまだ残っていたら、黒・茶双方を同時に買ってしまうのがお勧めです! |
でだ。このBOSTON CLOTHIERって一体何者だ? その答えは次のページで! この靴に合わせる装いの問答無用のベストアンサーもご用意。