男の靴・スニーカー/ドレスシューズ

BOSTON CLOTHIERの超・限定靴+α(4ページ目)

横田基地第二ゲートの近くに、この度開店するBOSTON CLOTHIER。SCOTCH GRAINに極少量別注したロングウィングチップと共に、土日のみ営業のこの店に置かれるアメトラ魂全開のスーツやジャケットもご紹介!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

誰にでも似合うからこそ、奥が深い!

肩周り
BOSTON CLOTHIERのスーツの肩周りを、アップで撮ってみました。肩線の丸みが極めて自然で、作り慣れているのが端的に解るフォルムです。誰が着ても胸板が広く見えるマジックを、是非ともご体験いただきたい!


科学技術的アプローチのメートル法ではなく、人の体が起源のインチスケールで裁断されるBOSTON CLOTHIERのスーツ。その特徴を一言で申せば、ズバリ「着る人を選ばない」点に尽きると思います。緩いアーチを描く肩線の丸みもさることながら、胸板が薄い人でもフワッと美しく見えるジャケットの胸周りは、外国の方を含めて様々な体形の人に応じて長年作り慣れてきたからこそ行き着いた「自然体の造形」。初めから「ナチュラルショルダーにしなくてはならない」的に、デザインとして狙って生み出されたものではありません。

襟幅は体格や頭の大きさに関係なく、誰にでも不思議と馴染む3インチ。「頭の大きさ」って意外と盲点で、日本の男性は体格に比べ頭が相対的に大きい人が主流なのに、そこまで思索が回らずに作られ、また着られているスーツが気持ち悪い位多いのが現状なのです。また腰ポケットも現代のスーツに比べやや低めに付く昔ながらのポジションで、胴周りがスッキリ見えるのに結果的に大貢献しているのですが、これはアメリカ本国のトラッド系スーツでは今や全く表現できなくなった、言わば方言周圏論的なバランスです。

トラウザーズはパイプドステムに近いやや細めのストレートシルエットながら、決して窮屈な印象を与えず、股上も浅過ぎず深過ぎず絶妙な頃合いなので、ライズの異様に浅い「美脚パンツ」に生理的に抵抗のある方でも気負わず履け、脚が自然に長く見えます。細かいところですが背面も一般的な2本ダーツではなく、シンプルながら型紙と縫製の差が如実に表れる1本ダーツ仕様で、そこに付くピスポケットも耐久性重視の片玉縁。更にベルトループは6つでも7つでもなく、密着性に優れる昔ながらの8つ仕様です。

マニアックなことをつべこべ申し上げましたが、買ったばかりの段階から「着慣れた印象」を与えてくれるスーツであることは、絶対間違いありません! 縫製も手が込んでいるので、着込んで行けばその印象は当然ながら更に深まってゆきます。この種の「自身の体に溶けてゆく感覚」を味わえる仕立てって、価格が高いスーツだから味わえると言うものでもなく、用いる生地や芯地の硬軟がどうであれ、身に付ける人の体との間に見えない、でも分厚い壁を一枚置いたような「地に足の付いていない、頑張り過ぎている仕立てや装い」ばかりがもてはやされる日本では、とても貴重なのです。

また、今回写真で載せているスーツやジャケットに合わせているネクタイとシャツは、どれも全く同じですが、こんな芸当が何気なく、しかも全く違和感なくできてしまうのもシンプルなこのスタイルだからこそ。
「コーディネートなんてネチネチ考えている余裕があるのなら、他のもっと大切なことに頭を動かす方が、男として健全だぞ!」
と、まるで服が潔く語ってくれているかのようです。品質の割に価格が良心的なこともあり、日頃はカジュアルウェアばかりでスーツスタイルに頓着の無い人でもプレッシャー無く着れるでしょうし、今までさんざんスーツを着込んでこられた方でも目ならぬ「身体からウロコ」の新たな発見があるかと思います。

【BOSTON CLOTHIER/ SUITS & JACKET】
■モデル : スーツ、ジャケット、ブレザーなど
■サイズ : 39 1/4(UK/US37相当。ウェスト31インチ)と40 3/4(UK/US39相当。ウェスト33インチ)の2種類
■価格 : スーツ\73,000~ ジャケット\53,000~(いずれも税込み。使用する生地等により価格が変動します)


いかがでしたでしょうか? 靴であれスーツであれ、BOSTON CLOTHIERに並ぶ商品は、オリジンであるBOSTON TAILORの雰囲気を受け継いだ「気負わずカッコイイ」ものばかり。彫像的に飾り立てることも無く、巷に溢れかえる「ハズシ」や「遊び心」と言ったまやかしとも無縁な分、誰からも支配されることなく自らの価値観に応じて素直に身に着けられるので、言わば本当の意味でじっくり遊べるのです。電車でよりも車で行った方が便利な場所で、しかも営業は土日のみですが、是非一度訪れてみて、
「朝食は御飯でもパンでもなく、やっぱケロッグのコーンフレークのミルク掛けでしょう!」
みたいな、陽気で快活しかもダイナミズム溢れる、現地仕様そのままのトラッドスタイルを味わってみて下さい!!



【店データ】
BOSTON CLOTHIER (ボストンクロージャー)
所在地:〒190-0011 東京都福生市福生2167
TEL:042-551-2906
HP: BOSTON CLOTHIER
営業日:土曜・日曜のみ
営業時間:12:00~20:00
2009年4月4日(土)開店
地図:Yahoo!地図情報
交通:JR八高線「東福生駅」出口から徒歩約8分 
若しくは JR青梅線「福生駅」東口から徒歩約15分


コットンスーツ
綿コートの素材として有名な玉虫カーキ色の「コットンギャバジン」地を使用した、BOSTON CLOTHIERのスーツです。ウールとはまた別のしなやかな感触で、すっかり定着してしまった「クールビズ」でも野暮ったく見えません。昔ながらの腰ポケットの位置やベルトループの数などにも、是非ともご注目いただきたい! スーツ\73,000。シャツ\8,800。タイは参考商品。 BOSTON CLOTHIER(価格は全て税込み)



1952
おまけの映像です。こちらはかつてBOSTON TAILORがSCOTCH GRAINに別注し、既に完売したモデル「1952」です。モデル名はこのテーラーの創業年から採ったもので、今回ご紹介したロングウィングチップは、この次の作品だからモデル名が「1953」なのです。

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