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底力を感じるREGALの純正リペア 後篇(3ページ目)

前回で事実上パーツ状態になってしまった、要オールソール交換のREGALの靴。今回はここからどう蘇るのかをレポートします。意外と知られていないこのメーカーの純正リペアの隠れた実力、今回も堂々ご披露!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

日頃の履き方が修理の成否も決めます!

かかとのダメージ
コードヴァンを用いた、リーガルの中でも最高グレードの靴なのですが…… 靴べらを使わずに履いていたのでしょうか? かかとの周辺がボロボロ。この位ならばまだ修理できますが……


アウトソールが再び付いた小生の靴は、ヒール付けや仕上げなど最終工程を待つばかり…… そこでこのページでは、リーガルの純正リペアを受け持つ部署の方からお伺いした、修理に際しての考え方とそれに絡むアドバイスを幾つかお伝えしたいと思います。

リーガルの純正リペアのポリシーは、まず「純正の部品、しかもその靴が新品時に用いていたものと極力同一のパーツを使う」という点にあります。アウトソールであれウェルトであれ縫い糸であれ、新品製造時には靴全体の重量バランスや掛かる負荷などを考慮した上で各部材を選んでいるので、修理でそれらを無理矢理変更してしまうと、むしろ履きづらい靴に変わってしまう危険があると考えるからです。ですので例えば、「合成ソールだった靴をレザーソールに変更する」のような仕様変更を伴う修理は、原則行いません。

もう一つは「再び日常的に履ける状態に修理する」という点です。アッパーの劣化が進んでしまったものなどは、このポリシーゆえ、「残念ながら修理できません」として持ち主に返送する場合が間々あります。その状態ではアッパーがオールソール交換のような大規模な修理に耐えられないか、たとえ修理できても実際に履くとそれに致命的な深い亀裂が入り「使えない靴」にすぐさま変わってしまう危険が高いからで、靴は履けるからこそ価値があるあくまで実用品だという姿勢なのです。

これらを踏まえて読者の皆さんにお願いしたいのは、以下の3点とのことです。
1:日頃から丁寧に靴を扱って下さい。
乳化性の靴クリームによるお手入れだけでなく、靴べらを用いて靴を履いたり、プラスチック製で十分なのでシューツリーを入れて靴を保管するなど、基本的なことをしっかり行っていれば、修理も簡単に行うことができ、その費用も少なくて済みます。

2:靴のローテーションを組んで下さい。
その靴を1日履いたら2日休ませられるよう、最低限3足体制のローテーションが組めれば、1足毎の劣化のペースは確実に遅くなるので、修理を含めた靴に掛かる総費用も結果的に安くなるはずです。

3:生兵法は怪我のもとです。
短絡的な保護や修理は、靴の寿命をかえって縮める場合があります。例えばレザーソールの靴を「履き下ろす前」の段階から、いきなり市販のハーフラバーソールを貼る方がいらっしゃいますが、前回ご紹介した「インソール内側の炭化」が激しくなりがちなのが、実はこのケース。製法によっては修理不可となる場合もあり得ます。



履きジワ
履きジワの出やすいガラスレザーとはいえ、至る個所にそれがかなり深刻に出ています。シューツリーを用いていないのか、お手入れに「塗るだけで光る」類の液体クリームばかり用いていたのかも知れません。この状態ですと、インソール交換を含めたオールソール交換は、できるか否かのギリギリの段階です。




遂に修理完成。最後のページで仕上がりと履き心地をチェック!
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