アウトソールを丁寧に剥がします!

アウトソールを剥がした後
ヒールとアウトソールを剥がした状態です。グッドイヤー・ウェルテッド製法の一大特徴であるコルクと「リブ」と呼ばれる布テープがハッキリ確認できます。


リーガルの正規販売店で修理を依頼された靴は、ヒールの交換からかかと部のライニングの補強、それに今回ご紹介するようなオールソール交換まで、一部を除き千葉県にある工場で一括して行われます。各修理に先立ちまず行われるのが、工場内での管理ナンバー登録。膨大な量の修理を要する靴が毎日届き、その内容もそれぞれ全く異なりますから、間違いを防ぐために単品管理を徹底し、履歴追跡のシステム化がなされているのはいかにも緻密な日本のメーカー! 製鉄所で工程管理をやっていてこの「単品管理」に大いに苦しめられた経験を持つ小生の身には、ちょっと懐かしい……

これから後は、文字通り「手仕事」の連続です。今回ご紹介するオールソール交換の場合、現時点で付いているアウトソール並びにヒールを剥がすところから実作業が始まります。一気にやってしまうとアッパーに余計なダメージを与えてしまうので、職人さんが小型の包丁のようなものを用いて、アウトソールとウェルトの間の縫い糸を一つ一つ解いて行くのですが、これだけでも結構な大仕事。それが終わると上の写真のように、普段は見ることのできない靴の内部が露出してまいります。

今回の靴のようなグッドイヤー・ウェルテッド製法のものならば、この後コルクを再充填した上で再びアウトソールとウェルトを縫い上げ、ヒールを付けてしまうのが通常の修理のステップです。ただ、上の写真並びに下の写真の甲の真下辺りをご覧いただきたいのですが、ちょっと黒ずんでいますよね。これはインソール(中底)とコルクの間に溜まっていた汗の塩分が炭化したもの。長年靴を履き続けるとアウトソールだけでなく、普段は気付けないもののインソールも確実に劣化してゆく何よりの証拠で、この靴は実はまだ全くマシな部類です。今回の取材では、ここが写真を撮るのも憚られるほど酷い状態の靴も多数見受けられたのですが、ただのオールソール交換でこれを解消する手立てはありません。でもリーガルの純正リペアだと直せるのです、これも!

炭化
インソール(中底)の内側・甲の中心部をアップしてみました。黒ずんでいるのは長年溜まった汗の塩分が炭化してしまったもの。アウトソールだけでなく、実はインソールも酷使される存在であることを改めて教えてくれます。




内側が劣化しているインソールをどうするのか? 知りたい方は次のページへ!