最先端技術を活かした色使い!
ブローギングをアッパーに直接施し、造形を更に鋭敏にすることで、前ページのものよりいっそう現代的な顔立ちとなった、スコッチグレインの新作の内羽根式クオーターブローグです。雰囲気満点のアンティーク加工には、実は最先端の技術が用いられています。 |
続いては同じくこの秋デビューした、ベルオム・マーブルシリーズの内羽根式クオーターブローグをご紹介致しましょう。前ページの靴とは原則同類のスタイルですが、ブローギングをこのようにステッチ無しでアッパーに直接施すと、表情に当世流の色気が明らかに加わり、さながら昨今のフランス靴的な雰囲気が出てまいります。また、つま先周りやかかと周りを含めた全体的な造形も、こちらは木型の細さ・長さを強調したものになっているので、同じEウィズでありながら前ページの靴とは印象が大分異なるのがお解りいただけるかと思います。
ただ、この靴を語る上で最も外せないのは、やはり唯一無二の表情を持ったアッパーでしょう。使い込んだような濃淡のグラデーションが美しい「マーブルカーフ」は、靴製造の最終工程でアンティーク仕上げを手作業で行ったものではなく、原皮を鞣す仕上げの段階で表面に文字通り大理石のような模様を、なんと印刷したもの! 「アンティーク調の得も言われぬ風合いを、より多くの人に、より気軽に愉しんでもらいたい」というスコッチグレインの思いと、我が国の最先端のプリント技術が結合した、これまでの紳士靴ではお目に掛かれなかった革なのです。
色は上の写真にあるやや落ち着いた印象のダークブラウン、濃淡のメリハリが効いたブラウン、そして青味掛かった色合いが斬新なブラックグレーの3色。いずれも水性染料仕上げですので、靴クリームは乳化性・油性いずれも極めて素直に入ってゆきます。アッパー本体の色と同じかそれより濃い色の靴クリームを用いると、上記の「印刷された模様」が次第に消えていってしまうのは、通常のアンティーク仕上げのアッパーと同じなので、この風合いを長く楽しみたい方は、靴本体より薄い色か無色の靴クリームでケアしてあげるのが宜しいでしょう。
特にブラックグレーのものは、お手入れ次第で黒・グレー・そして紺といかようにも変化してしまうのが大きな特徴です。シューケアのお好きな方にとっては、これは正に腕の見せ所! 例えばつま先だけ濃い色にグラデーションさせるのも面白い作戦でしょう。一方、その結果がどうであれ今日的なダークスーツになら全く違和感なく似合ってしまうので、例えばこの冬、「職場でちょっとイメージチェンジを図りたい……」などと考えていらっしゃる方に、特におススメです!
【SCOTCH GRAIN/BEL-HOMME MARBLE No.756】
■色 : ブラックグレー、ダークブラウン、ブラウン
■アッパー素材 : マーブルカーフ(国産)
■サイズ : 23.5~27.5 0.5サイズ刻み。 いずれもEウィズ
■価格 : \30,450(税込み)
■付属品 : シューズキーパー付き
■註 : このシリーズには、他にメダリオン付き内羽根式プレーントウもございます。色は上記の3色です。
向かって左からブラックグレー・ダークブラウン・ブラウンとこちらも全3色を並べてみました。どの色も文字通り現代的な「色気」を感じさせてくれるものばかりです。 |
この靴で採用した「マーブルカーフ」をちょっと寄って見てみました。青味掛かったブラックグレーの色合いは確かに斬新ですが、ダークスーツにも殊のほか似合います。 |
「冠婚葬祭用にも履ける靴で、細身のモノを探しているのですが……」と仰る方は、いざ、次のページへ!