男の靴・スニーカー/ドレスシューズ

リーガルのBUILT TO ORDER SYSTEM(3ページ目)

日本を代表する靴メーカー・リーガルのパターンオーダーに待望のアメリカントラッドモデルが加わりました。幼い頃からトラッド一筋で育てられ、この手の靴には思いの深い飯野が、その全貌を熱くレポートします!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

進化を決して怠らないのが、本当の伝統

踵周り
向かって左の靴が今までの定番品、右がBUILT TO ORDER SYSTEMのものです。木型の進化を見た目ですぐに実感できるのが、この踵周りです。


木型の進化の具体例を挙げると、まず歩行中踵が靴から「抜ける」のを防ぐべく、既製靴ではお馴染みのアメトラ定番モデルに比べ、踵周りが大分小さくなっています。このページの一番上の写真でも、それがお解かりいただけるでしょう。またつま先から甲にかけても外側と内側の「ねじれ」や高低をより細かく造形し、足により自然かつ忠実な形状となりました。更には土踏まず部も、これまでのものに比べ明らかに細く絞り込まれています。

つまり、これまでの定番モデルを遥かに超えるメリハリの効いたフォルムと履き心地を、この2モデルでは文字通り「体感」できるようになったわけです。もちろん他の「BUILT TO ORDER SYSTEM」のモデルと同様、ウィズ(足囲)については3サイズから選択可能。ですから固定観念で「横幅がキツクてリーガルはちょっとシンドイ」とか、また逆に近年確実に増加している「日本の靴は横幅が緩すぎるから、高いけど海外の靴しか履けない」と嘆かれていた方にとっても、この2モデルは真剣に検討すべき素晴らしい選択肢となるでしょう。

単なる流行の繰り返しというだけではないようですが(ドルとユーロの通貨パワーバランスの変化も影響している気が……)、近年アメリカントラッド的な装いが久しぶりに脚光を浴びているのは、以前お話したとおりです。そのような追い風ともいえる情勢の中、リーガルがこの「BUILT TO ORDER SYSTEM」での2モデルを通じて、自らのブランドの「主軸」をもう一度骨太に、しかも前向きかつ主体的に示してくれたことを、個人的には高く評価したいです。ズバリ、1ページ目最初の写真通りのプレーントウが、黒も茶色も両方欲しい!

つま先
向かって左の靴が今までの定番品、右がBUILT TO ORDER SYSTEMのものです。後者の方が起伏に富み、より人間の足の形状に沿ったものであることがお解かりいただけると思います。




次のページでは、そのリーガルの「BUILT TO ORDER SYSTEM」の全体像をご紹介!
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