男の靴・スニーカー/ドレスシューズ

新世代の「うねり」を感じる、SAIONの靴(2ページ目)

日本の誂え靴界の若きエース、横山直人氏が率いるSAION。その妥協の無い作りこみは、内外の他のアトリエが追随できない領域になりつつあります。間もなく始まるパターンメードの情報も含め、その真髄をご紹介!

飯野 高広

執筆者:飯野 高広

靴ガイド

そのシェイプは、誰にも真似できないSAION流!

後姿
SAIONのビスポークシューズを後方から眺めてみました。土踏まず部の絞りの大胆さやコンパクトにまとまった踵周りなど、妥協の無い靴作りへの姿勢は、あらゆるディテールから窺い知ることができます。


例えばスーツのビスポークでは仮縫いを1回ではなく2回行うテーラーもありますが、生地は仮縫い時と完成品とで原則全く同じもの、つまり仕立てるのはあくまで「1着」です。しかしSAIONのビスポークでは、「トライアルシューズ・その1」と「トライアルシューズ・その2」「完成版の靴」でアッパー・ソール共に革は全て別。つまり靴を1足完成させるのに実質「3足」作製しているわけで、これは作り手にとっては気の遠くなるような作業です。

ちなみに「トライアルシューズ・その2」では、アッパーに「完成版の靴」とほぼ同品質のフレンチカーフを用い、底付けも出し縫いのみ機械のいわゆる「九分仕立て」仕様。そう、一般常識的に申せばそれだけでも、もはや十分素晴らしい品質の靴なのです。それでもSAIONでは、「完成版の靴」までの1ステップに過ぎないわけです。

こうして発注から約半年掛かって完成したSAIONの靴は、イギリス風ともイタリア風ともまた微妙に異なる唯一無二の作風。ご覧の通り余計なダボ付きが全く感じられない、極めてストイックなシルエットを誇ります。かといって小振りにまとまっているというわけでもなく、土踏まず部の攻め方をご覧いただければ一目瞭然ですが、ある種の勢いや迫力、そして華やかさも十二分に感じさせてくれるのが嬉しいところです。

さらには靴を末永く履くためには欠かせないシューツリーも、「完成版の靴」の木型に合わせてゼロから作製されたものが付属します。確かに額面上は相当な価格の靴ではありますが、それを遥かに上回る品質と、横山氏の情熱が盛られているのは、間違いありません。


【SAION/ビスポークシューズ】
■価格 : \388,500~(税込み・シューツリー込み。仕様やアッパーの素材などにより、価格は変動します)
■納期 : 発注から半年前後(注文状況により変動します)


次のページでは、興味はあるんだけど、お金と納期が…… とおっしゃる方への朗報です!
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