バックルとストラップで締める!
バックルとストラップで靴を足に固定させる…… 紐で締め上げる靴とはフィット感も使い方も当然、異なってきます。 |
2007年5月の回までは、いわゆる「紐靴」と称されるものの主なスタイルを見てまいりましたが、皆様のお役に立っておりますでしょうか? 前々回、前回とちょっとお休みをいただいて(えっ、ちっとも「お休み」じゃない内容だったって?)、気分をリフレッシュしたところで、今回から再び、基本的な靴のスタイルについてじっくり見てゆくことに致しましょう。
今回と次回で採り上げるのは、モンクストラップに代表される、履き口を靴紐ではなくバックルとストラップで締め上げる靴です。紐靴とは見え方も似合いそうな服も、それにフィット感も随分異なる靴ですから、個人での相性の良し悪しも出てしまいがちですが、まあ、そのあたりも靴の楽しみ! 今までと同様、なるほどねぇ……と思いながらご覧になってください。
なお、今回と次回につきましては、小生がこのガイドサイトをオープンした時に初取材させていただいた、東京・原宿の「ジオグラフィーリビング」にご協力をいただいております。
その名に起源が残るシングルモンク
シンプルな顔立ちに小さ目のバックルが映える、ジオグラフィーリビングのシングルモンクです。フランス・アノネイ社のブラックボックスカーフを使用。この仕様でのオーダーで\63,000(税込み)。 |
メンズのストラップシューズで、まず最初にご紹介しなくてはいけないのは、誰がなんと言ってもこのモンクストラップでしょう。一対のバックルとストラップとで足を靴に固定させるので、近年ではより厳密に「シングルモンクストラップ」とか単に「シングルモンク」と呼ばれている、古くからの定番中の定番です。
この靴の原型は、実は15世紀にまで遡ります。今で言うヨーロッパアルプス地域にいた修道士が、当時履いていたサンダルです。この「修道士」を意味する英語・”Monk”からこの名が付いたようですが、どおりで紐靴とはまた一味異なる、ちょっとストイックな顔立ちの靴が歴代多いわけです。
ただその顔立ちはその時々の流行の影響を、紐靴以上に受けている感もあります。INDEXでも採り上げているこの靴のように、かつてはストイックと言うよりも無骨な印象が正面から出ていたシングルモンクが主流でした。が、近年は上の写真のような洗練されたスタイルのものに人気が移っています。一緒に並べても、同種の靴には全く見えないのが不思議ではありますが、その懐の深さこそこのスタイルの魅力でもあります。
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