起源を理解した上で、気楽に履きたい!
Uチップはアウトドアで育った靴なので、スーツではなくスポーツジャケット姿での方が似合うような気がするのですが… 頭カタイですかな? タイとジャケットのチェックにある一色と、靴の色とを合わせてみました。 |
背景は微妙に異なるものの、その原型が登場したのがいずれも1920年代頃で、かつ初期の主用途が狩猟やゴルフと言ったカントリースポーツ向けであった点は、3カ国でどうやら共通です。個人的にはその源流を汲みたく、ややカジュアルなジャケット・トラウザーズでの装いに合わせたくなる靴です。通常のダークスーツ姿には、どうも心理的にしっくり来ないのです。
「なに頭のカタイコト言ってるんだっ!」と驚かれる方、お怒りの方もいらっしゃるでしょう。勿論今日の日本では、一般的にはダークスーツにも合わせても、ビジネスユースでなら特に問題となるような靴ではないことも事実ですよ。どちらが正しいと言うことではなく、あくまで感覚です。
日本でこのスタイルの靴が注目されだしたのは、1980年代後半、ちょうど「フレンチトラッド」なる言葉がファッション誌に踊りだした頃だと記憶しています。それより以前、つまり前にも申し上げたように、ビジネスでの装いの基本がまだアメリカもしくはイギリス的なものであった頃までに、それを吸収しきってしまった小生のような(頭のカタイ!)身にとっては、この種の靴にダークスーツを合わせるのは、一種の掟破り行為に感じてしまいます。
逆にそれから後、つまりその基本がイタリア的なのものに変化していった1990年代以降にそれを取り入れられた方にとっては、Uチップとダークスーツとの組み合わせは全く抵抗ないどころか、むしろ最適解の一つですよね? だから、この靴をダークスーツに合わせられるかどうかは、その方個人の装いの基礎が完成した年代を知るバロメーターになる、とも思っています。
とまあ屁理屈をごねているものの(恥)、小生この靴、実際は気楽な普段履きとして大いに活用しています。上の写真のようなチェックのジャケットとの相性も抜群ですし、ウールやコットンのトラウザーズだけでなく、ブルーデニムのジーンズにも全く違和感なく合わせられるからです。つま先のモカシン縫いと言う共通項から、ちょうど「ローファーの年長者版」みたいな感覚で履いているからでしょう。
さてさて、このスタイルは今日ちょっとした亜種も登場しておりまして、若い世代を中心にその人気がうなぎ上りになっています。その辺りのお話は……次回のお楽しみに!
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