シャツも素材から選ぶ

シャツ一枚になる機会も増えてきたので、春夏用のドレスシャツを考えてみましょう。クールビズ以降ボタンダウンカラーがすっかり定着したので、今回はデザインではなく素材(織り)について考えてみます。

ロイヤルオックスフォード

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超長綿として知られる海島綿(シーアイランドコットン)を使ったロイヤルオックス。光沢感と柔らかな感触が魅力です。


これからの季節に一番おすすめしたい生地がロイヤルオックスフォード(通称ロイヤルオックス)です。よく耳にするオックスフォードがカジュアル向けなのに対してロイヤルオックスはビジネススーツにも着用できるドレッシーさを備えています。

ロイヤルオックスの定義は本当に難しいんですが、オックスフォードに比べると細番手の糸を使っています。だいたい80番手双糸あるいは100番手双糸以上の糸番手を使ったものをロイヤルオックスと呼んでいます。

触った感じはオックスフォードよりも柔らかく光沢があります。生地を見ると菱形というか籠目模様のような織りが肉眼でもわかります。持っているロイヤルオックスのシャツをすべてルーペで見たところ、生地によって少し織りも異なるようです。ルーペで見れば見るほど何織りなのかわからなくなります(笑)。

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上の海島綿(シーアイランドコットン)の生地を拡大したものです。素肌に着るとロイヤルオックスの生地感がよくわかります。


素材はコットン100%のものがほとんどで、超長綿のGIZA(エジプト綿)やさらに高級な海島綿(シーアイランドコットン)を使ったロイヤルオックスもあります。

残念ながら既製品でこのクラスのものを見つけるのは難しいです。それに番手表示をしていないものがほとんどなので、生地見本から選べるオーダーイドがおすすめです。現在ではオーダーシャツ屋さんのホームページからオンラインでオーダーできる便利な時代なので、素材(織り)を決めてデザインを選ぶということも簡単にできます。

おすすめの理由は、素肌に着たときの肌触りがとてもいいんです。シャツ地を代表するブロードクロスは目が詰まっているため汗をかいたときに肌にぴったりくっついてしまいます。ブロードクロスのシャツを着用するときは下着を着ることで不快さを解決できます。

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トーマスメイソンのロイヤルオックスのタグ。1990年代のエーボンハウスの既製シャツに使われていました。けっこう肉厚です。


その点、ロイヤルオックスは通気性と吸湿性がいいため素肌に着ても快適です。とくに白色は汗をかいても汗染みが目立ちにくいのが最大の魅力です。生地が柔らかいため糊付けしない限り美しいしわが出ます。つまり陰影が多くできるので意外と汗が目立たないわけです。またこの素材に限っては、アイロンなしで着てもエレガントです。ピシッとしたいという方も糊付けせず家庭でアイロンをあてる程度で十分だと思います。

※ロイヤルオックスでも、7月末から8月中旬にかけてはさすがに暑いと思います。ボイル生地なら猛暑を乗り切れるかも知れませんが、職場が許すのであればユニクロのドライポロがおすすめです。色は汗の目立たない白色系が基本です。

ピンポイントオックスフォード

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オックスフォードよりも細番手のコットンを使って織られたピンオックスの生地。肉眼で見るとかなり目が詰まっていて、ビジネス用のドレスシャツに向いています。


昔からのトラッドファンにはお馴染みのピンオックスですね。こちらはロイヤルオックスとは対照的に生地にハリがあるのが特徴で、普通のオックスフォードよりも糸の撚りが強く、細番手の糸を使っていることもあり、見たところ目が詰まっています。たいてい高級なコットンを使っているため光沢感もあり、ブロードクロスと同じくらいドレスシャツ向きの生地です。基本的にはオックスフォードクロスなので肌触りもよく、素肌に着用してほしい生地です。

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コンブリオのピンオックス。トラッドを得意としているブランドは必ず作っています。


色はライトブルーやピンクもビジネスでは使えますが、真夏に限っては汗染みの目立たない白色を選ぶのがベストです。意外と淡い色でも汗が目立ちますから。こちらはロイヤルオックスと異なり洗濯後に細かなシワができてしまいます。なので時間のある人はアイロンを、お金のある人はハッピークリーニングに出してください。

ボイル

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スイスコットンで有名なアルモのボイル。撚りの強い100番手の双糸を使っています。


よほどシャツ好きの方でない限り、知らない織りだと思います。使用頻度の低い織り名などは覚えなくてもいいと思いますが、一応説明しておくとボイル(VOILE)は強く撚った糸を使って、基本的に平織りで織った春夏向けの生地です。撚りが強いためか薄手の透け気味の生地が多いようですが、普通の厚さの生地や平織り以外のバリエーションも見かけます。触った感じはハリがあります。

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こちらもアルモのボイル。平織りではなさそうですがこれもボイルです。


とくに有名なのがスイスのアルモ社のボイル(写真)でクオリティーも高くておすすめです。アルモのコットン生地はボイル以外も評判が良く品質も世界トップクラス。タグに番手が表記してあるのも特徴です。残念ながらアルモのボイルはオーダーメイドのシャツでないと入手できません。なかにはインポートの高級既製シャツに使われているかもしれませんが、アルモの生地を使って日本国内でオーダーしたほうがかえって安いくらいです。

ちなみに、アルモのボイルは透けそうなものもありますが、意外と厚地のものもあります。ハイクオリティーなだけに少し高めの価格ですが、信頼できるメーカーなので一枚はオーダーしてほしいです。

基本はボタンダウンカラー

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クールビズで着るなら、ジャケットなしでも見栄えのするボタンダウンカラーがおすすめ。コンブリオのロイヤルオックス。


春夏用のワイシャツはジャケットなし&ネクタイなしで着ることもあるため、衿のロール感が美しいボタンダウンカラーがおすすめです。ワイドスプレッドカラーのネクタイなしはだらしない印象を与えることもあるので要注意です。

個人的に好きなのはロイヤルオックスを使ったラウンドカラーです。ちょっとプレッピーっぽい雰囲気もあり、ネクタイなしでもそれなりにサマになります。ピンオックスとボイルはどんな衿型とも相性がいいですが、ネクタイなしで着る場合はボタンダウンカラーが無難です。

あとピンオックスはタブカラーのシャツにしてニットタイを締めると、清涼感と凛々しさが漂います。その上にシアサッカーのジャケットを羽織っても夏らしくて素敵です。その場合のパンツはグレー系のトロピカルやフレスコといったサマーウールを合わせると、落ち着いた雰囲気になります。

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