文章 : 佐藤 明男(All About「男のヘアケア」前ガイド)
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「毛根再生」、数年後に実用化!?
自分の後頭部などの毛根をハゲている部分に移植する「植毛」の技術。増やす本数と同じだけの毛根と毛髪を採取しなければなりません。そこで今研究が進んでいるのが、毛乳頭細胞を培養増殖させて、それを移植する"再生医療"によるハゲ治療。SF映画によくある「人間の細胞から、クローン人間を造る」ように、1つから全てを再生するわけです。要領は、以下のようなもの。
1. 自分の元気な毛乳頭を採取する
2. 頭皮と同じ環境の培養液等に浸し、毛乳頭細胞を何千倍にも増殖させる
3. 必要量に達したら、注射器等で頭皮下に入れる
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この研究は、実は日本が最前線。試験管の中で毛乳頭を増やすテクノロジーが徐々に生み出されようとしています。1回の植毛では、通常1,500~4,000本の頭髪を植えますが、1本をそれだけに増殖させるには、まだまだ超えなければならない壁もあります。実用化までにはまだ数年はかかりそうですね。
しかしこの技術が確立されれば、頭皮にメスを入れることなく育毛手術を行うことができるため、植毛がより身近なものになるでしょう。
また、もっと技術が進めば、若い頃の髪の毛を毛髪バンクに預けて冷凍保存しておいて、薄くなった時に解凍・増殖・移植して再生させるというような治療が可能になるかもしれませんね。
レーザー光線で毛が生える?
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レーザー光線に関しては、「表皮を通過し代謝物質であるアデノシン三燐酸(ATP)の働きを強化して細胞を活?化する」ことが報告されています。適切な周波数のレーザー光線を照射すれば細胞はよみがえり、育毛にもプラスになるとなるわけです。
そのレーザー光線に関しては、業界各社で研究が続けられていて、「生体活性化にもっとも効果的とされる光の波を、1秒間に何回、どの程度の輝きで頭皮に照射することができるか」を競っています。
脱毛状態の毛根(毛母細胞下)では毛細血管が著しく減少しています。レーザー光線を日々照射することで、毛細血管の再生はもちろん、毛母細胞と連動する立毛筋の成長をも促進させ、頭皮の育毛環境をより健やかに改善していくことが期待できるのです。