筋トレ・筋肉トレーニング/ウォーキングで鍛える

初心者向けマラソントレーニング・筋トレ法5つ!スピードアップも◎

今回は、マラソントレーニング初心者がスピードアップのために必要な筋肉を鍛えるための筋トレと、フォーム作りやスピードアップに役立つトレーニング・練習方法をご紹介します。普段走れないけど速くなりたい方、必見です!

執筆者:柴田 明

マラソントレーニング初心者のスピードアップに良い筋トレ・練習方法

マラソントレーニング初心者が速く走るための5つの方法

マラソントレーニング初心者が速く走るための5つの方法

以前の記事では、走る時にケガをしない体を作るコンディショニング法をご紹介してきましたが、今回は、タイムアップを目的にした走る時に使う筋肉を鍛えるトレーニング方法と、フォーム作りやスピードアップに役立つトレーニングをご紹介致します。
 
<目次>
 

走るときに使っている筋肉

走るときの動作は、大まかに3つの状態に分けることができます。
 
  1. 脚を持ち上げて
  2. 地面に着地して
  3. 後ろに蹴る

この時に使う筋肉を鍛えれば、タイムアップにつながると言うわけです。それではそれぞれの動作でどの筋肉を主に使っているのでしょうか。
腿上げで主に使っている筋肉は腿前の筋肉(大腿四頭筋)ではありません。試しに片足を上げて腿前をタッチしてみてください。腿前の筋肉は柔らかいはずです。

腿上げで主に使っている筋肉は腿前の筋肉(大腿四頭筋)ではありません。試しに片足を上げて腿前をタッチしてみてください。腿前の筋肉は柔らかいはずです。

 

脚を持ち上げる:腸腰筋・ハムストリングス

腿上げで主に使うのは腸腰筋です。この筋肉は腰痛の原因にもなるため、強いだけでなく、柔軟性も必用です。

腿上げで主に使うのは腸腰筋です。この筋肉は腰痛の原因にもなるため、強いだけでなく、柔軟性も必用です。

この動作で主に使われるのは股関節の屈曲筋群である腸腰筋です。腿の前側の筋肉(大腿四頭筋)ではありません。試しに片足を上げて腿の前を触ってみてください。かなり柔らかく力が抜けているはずです。大腿四頭筋は主に膝を伸ばす機能を持っています。

もし、膝を伸ばし切ったまま着地してしまうとヒザの衝撃が強くなってしまい、ケガをしてしまいます。腿を振り上げる時は、膝が伸びきらないように腿後ろの筋肉(ハムストリングス)が膝を曲げるように働きます。ですので、この動作を強くするには腸腰筋とハムストリングスの強化が大切になります。
 

地面に着地する:大腿四頭筋

大腿四頭筋は着地時に膝が過度に曲がらないように働きます。

大腿四頭筋は着地時に膝が過度に曲がらないように働きます。

着地する瞬間は体重が下にかかるので、腿の前側の筋肉(大腿四頭筋)が、脛(スネ)を引っ張って過度に曲がらないようにしています。この時に大腿四頭筋が弱いと膝が過度に曲がってしまい、靱帯に負担をかけ膝のケガにつながります。
 

蹴る:ハムストリングス・ふくらはぎ

蹴る動作は股関節を後ろに伸ばす伸展の動作で腿裏の筋肉(ハムストリングス)やお尻の筋肉(大臀筋)を使います。

蹴る動作は股関節を後ろに伸ばす伸展の動作で腿裏の筋肉(ハムストリングス)やお尻の筋肉(大臀筋)を使います。

後ろに蹴る動作は、股関節を伸展する動作ですので、腿裏の筋肉(ハムストリングス)を使います。また、最後に足首で後ろに蹴るので、ふくらはぎの筋肉(腓腹筋・ヒラメ筋)を使います。
 

マラソントレーニング初心者にとって、コンディショニングは土台作り

以前の記事でコンディショニングが大切とご紹介しましたが、走る動作を大きく3つに分けた時に、コンディショニングプログラムで鍛えた筋肉は入っていません。お尻の外側にある中臀筋や内腿の内転筋、ハムストリングスの内側の筋肉などは、姿勢を安定させるために必要な筋肉で、土台を安定させるためのトレーニングです。土台がしっかりしないとしっかりとした物ができませんよね。

ですので、まずはしっかりとした土台作りとなるコンディショニングが大切なのです。コンディショニングでご紹介したチェック法が全てクリアできたらこれからご紹介するトレーニングプログラムに移りましょう。
 

股関節スクワット

ハムストリングス・大腿四頭筋
4秒で降ろし・4秒で上げる 20回/2~3セット

■スタート
爪先と膝は正面を向くようにしましょう。

爪先と膝は正面を向くようにしましょう。

  1. 立位で両足を腰幅に開いて爪先と膝を正面に向けてください。
  2. 両手を平行に前へ伸ばします。

■フィニッシュ
腰が丸まらないように注意しましょう。

腰が丸まらないように注意しましょう。

  1. お尻を目一杯後ろに引きながら腿が地面と水平になるまで下げます。
  2. この時に両手は平行を保って、バランスを取ってください。
  3. 爪先が浮かないように注意しましょう。
 

ウォーキング・ランジ

大殿筋・ハムストリングス・ふくらはぎ
ストライド幅を変えずに 40歩/2~3セット

■スタート
両手は腰骨の横に置きましょう。

両手は腰骨の横に置きましょう。

  1. 両手を頭の後ろに組んで、腰が捻じれない範囲で片足を大きく前に出してください。
  2. 腿が床と平行になるまで持ち上げましょう。

■フィニッシュ
前に歩く時に上体が前に倒れないように注意しましょう。

前に歩く時に上体が前に倒れないように注意しましょう。

  1. 踵から足を地面につけます。
  2. 地面を蹴って後ろの脚を引き寄せます。
  3. この時に腰や膝が横にぶれないように注意しましょう。

※交互に40歩歩きましょう。
 

ストレートレッグレイズ

腸腰筋・大腿四頭筋・腹筋
4秒で上げ・4秒で下げる×20回/2~3セット

■スタート
最後まで腰が浮かないように注意してください。

最後まで腰が浮かないように注意してください。

  1. 仰向けに寝て両膝を伸ばしてください。
  2. 腰を床にしっかりとおさえつけて、両足を床から10cm程度持ち上げましょう。

■フィニッシュ
膝の力を抜いて、股関節を曲げる意識で行いましょう。両足が離れないようにしてください。

膝の力を抜いて、股関節を曲げる意識で行いましょう。両足が離れないようにしてください。

  1. 腰が浮かない範囲で目一杯両足を上げてください。
  2. 膝が曲がらないように注意しましょう。

■全てのトレーニングの注意点
  • 1つの種目を1分以下のインターバルで、2~3セット連続して行いましょう。
  • フォームが維持できなければ、そこでセットを終えてください。
  • まずは2セットずつから始めましょう。
 

マラソントレーニングは競技のために筋力をつけるだけでは不十分

ウエイトトレーニングは筋肉に上手く負荷をかけるためにゆっくりとした動作になりがち。ですが、実際の動作はウエイトトレーニングの動きより早いものです。ゆっくりした動作に慣れる事がないよう、競技に合わせたスピードを取り戻すトレーニングも必用です。

またウエイトトレーニングはほとんど垂直方向に動きますが、実際の動作は捻じりも伴い、うまく捻じれないとフォームも崩れます。これもスピードと同様各競技でよくつかう捻じりのバランスも強化しなければなりません。筋力をつけるだけでなく、スピードとバランスも強化しましょう。
 

バランスアップトレーニング

ランジ&ポステリアーチ
20回×2~3セット

■スタート
ランジのフィニッシュ姿勢で上半身を起こしてください。

ランジのフィニッシュ姿勢で上半身を起こしてください。

  1. 両足を揃えて立ち、片足を一歩前に出します(前のページ ランジと同じ姿勢)
  2. 脚を出した側に上半身を捻りましょう。

■フィニッシュ
足を出している側に上体を捻って、後ろ足をタッチしましょう。

足を出している側に上体を捻って、後ろ足をタッチしましょう。

  1. 捻っている側の手で後ろ足踵をタッチします。
  2. 反対側の手は上に突き上げて脇腹・背中を伸ばすようにしてください。
  3. この時に出している側の爪先と膝は正面を向いているようにしましょう。

※交互に足を出して前に進んで行きましょう。足をタッチするまでゆっくりと捻ってください。
 

スピードアップトレーニング

シザース・ジャンプ
20回×2~3セット

■スタート
ランジのフィニッシュ姿勢から上に飛んで、またこの姿勢に戻ります。

ランジのフィニッシュ姿勢から上に飛んで、またこの姿勢に戻ります。

  1. ランジの姿勢で深く沈みこみます。
  2. 両手は腰の横に当てましょう。
  3. その姿勢から上に飛びます。

※この姿勢で着地します。

■フィニッシュ
スタート姿勢から真上に飛んで、足を空中で入れ替えます。

スタート姿勢から真上に飛んで、足を空中で入れ替えます。

  1. 飛んでいる間に足を入れ替えてください。
  2. スタートの時と反対側の脚が前に来ているようにしてください。
  3. 着地時に膝と爪先が正面を向いているようにしましょう。

※なるべく早いスピードで行ってください。
 

トレーニングの頻度など

コンディショニングはなるべく毎日行いケガをしない体を作る事が大切です。ですが、筋肉をつけるトレーニングとなると、回復に時間がかかるので、今回ご紹介したメニューは、2~3日に1回行うようにしましょう。仕事が忙しく、満足に走れない時にもトレーニングは役立ちます。何もしなければ筋力も落ちてしまいますが、今回ご紹介したプログラムを行えば筋力を維持・向上できるからです。

今冬マラソンに挑戦される方や、本格的にジョギングを行っている方は、3日間全く運動しないという事がないようにしましょう。最低限、今回ご紹介したトレーニングプログラムを行えばOKです。

そして、持久力のもう一つの肝、心肺機能は週末にまとめて走る事で鍛えれば週末ランナーでもタイムアップが望めます。コンディショニングでケガをしない体を作り、トレーニングで筋力アップすることでタイムアップを狙う。この作戦でマラソンに挑戦してみてはいかがでしょうか。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※個人の体質、また、誤った方法による実践に起因して体調不良を引き起こす場合があります。実践の際には、必ず自身の体質及び健康状態を十分に考慮し、正しい方法で行ってください。また、全ての方への有効性を保証するものではありません。

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