VW(フォルクスワーゲン)/パサート

“万人に向けて格好いいクーペ”パサートCC(4ページ目)

セダンスペシャリティ化の象徴とも言うべき、クーペフォルムのセダンがパサートCC。日本仕様の2モデルに試乗し、その魅力と日本市場でのポジションを考えて見ました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

マニア以外にも判り易い格好のよさ

VWパサートCC
サスペンションやステアリング特性などを統合制御、3つのモードが選択できるDCC(アダプティブシャシーコントロール)を標準装備

オススメは、V6。多少、街乗りで硬いがそれ以外はカンペキに近い。よくできたグランドツーリングカーだし、スポーツカー的にも使える。メカニズムの違いに加えて、アダプティブクルーズコントロールやディナウディオの高性能AVシステム、フロントモニタリングシステム、といった先進装備も満載で100万円差は、500万円の2リッターターボが安いか高いかを別にして、お得な気がしてならない。買うなら、頑張ってV6を、と言っておく。

もっとも、FFの2リッターFSIは街乗りを中心に、より落ち着いた、言ってみれば素のパサートに近い印象が強い。鼻先も軽快だし、ギアチェンジのスムースさもトルコンならではだ。かっ飛ばすと辛いが、それ以外ではよくできた、バランスのいいモデルだと思う。ただ、百万円差で“あれ”が手に入ると知るとね……。V6の存在を完全に無視できる人は、安い方でもCCらしさを楽しめると思うが。

VWファンにとっては、CCのV6かヴァリアントR36が究極の選択になると思う。SUVのトゥアレグが、価格的には“その上”となるが、純粋なVWファンには“ちょっと違う”存在だろう。

おそらく、よりVWらしいということで多くのファンが選択するのは、ヴァリアントR36だと思われる。CCは、VWに一途な人ではない層を取り込んでくれそうな気配が濃厚だ。

なぜか。答はカンタンだ。

カタチが判り易く、万人に向けて格好いいからである。

撮影:尾形和美・カーセンサー
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