現在の分割式ドライブシャフトブーツは交換が楽なだけでなく耐久性も
駆動と転舵を兼ねる前輪のドライブシャフトブーツ破れは、前輪駆動車の持病といえる
そこで、このブーツ交換を手軽に行うために開発されたのが、分割式のブーツです。これはその名の通り、ブーツを縦に分割するように切り込みが入っているため、ドライブシャフトを脱着することなく、手軽にブーツ交換をできるようにしたものです。これによって、ブーツ交換はより手軽な作業となったのですが……。
ご想像の通り、出始めのころの分割式ブーツは、分割部を接着する方法が万全とはいえず、耐久性という点では一体型に劣るというのが、定説となっていました。何しろゴムや樹脂製のジャバラブーツを接着剤で止めようというのですから、素人目に見ても本当にしっかりと繋ぎ合せることができるのか心配になってきてしまいます。そのため、分割式のブーツは一時しのぎや車検対策として用いられることが多かったのです。
PITWORKのドライブシャフトブーツは、分割式ながらも非常に耐久性が高くおススメだ
接合作業も非常に簡単で、接合部にグリスや汚れが付着しないようにすることや加熱時間をしっかりと守ることなどに注意すれば、失敗も少ないでしょう。では、耐久性などについては、どうなのか検証してみます。
説明書に従い交換してみるとかなり強固に接着された印象
溶着剤を塗布し、張り合わせた接合部にカイロのような発熱シートを被せて溶着する
接合部はかぎ爪状になっており、しっかりと食い込む設計となっている
2年もしくは2万km走行のメーカー保証も付くから安心して使える
実際にプロの整備士に話を聞いたところでも、このブーツはかなり信頼性が高く、実際のメンテナンスでも大いに活用しており、ユーザーにも安心して勧められる製品だということです。製造メーカー(自動車用のシール類やエレクトロニクス系のパーツを製造するNOK株式会社が製造、販売元は日産自動車です)でも、2年もしくは2万km走行の保証をつけていることからも、その耐久性の高さを窺い知ることができます。PITWORKは日産系の補修用品ブランドではありますが、汎用性の高い部品については、他社用のクルマにも製品がラインナップされています。ドライブシャフトブーツも、それほどクルマによってサイズが異なるものではありませんので、PITWORKから国産各メーカーのモデルに向けてラインナップされています。ということは、実は輸入車についても、シャフトの径などが同じであれば、流用できる可能性は高いと思います(もちろん、その場合は保証対象外となりますが)。
耐久性を考えれば、作業の手間は掛かってもしっかりした一体型をという考えももちろん道理ですが、例えば古いモデルなどで、純正部品の材質が現在のレベルから見るとあまり良くない場合などにも、こうした製品を活用してみるのは手だと思います。また、分割式ならDIYでもブーツ交換にチャレンジできそうなのも、お勧めしたいポイントです。
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