パーソナルカラータイプ別! 着物の魅力
着物は晴れ着。美しい着姿はとっておきの1日を華やかに彩ります
着物をお召しになる機会は少なくなってきていますが、その一方で、京都、金沢、浅草といった、昔ながらの街並みが残る観光地では、レンタル着物を着用した女性たちがインスタ映えを競うなど、着物の楽しみ方は時代とともにかわってきているようです。
パーソナルカラーから考える、似合う着物の色選び
着物は、帯や小物との色づかいが印象を左右します。
着物選びは、まずは、一番広い面積を占める長着の地色が大切です。フォーマルな着物には、左側の胸元と左前身頃の膝上に華やかな柄があり、着る人の印象を左右します。さらに、半衿、重ね衿、帯、帯あげ、帯じめなど、上半身にくる色が、お顔映りの良し悪しを左右します。
和装ならではの色づかいも尊重しつつ、パーソナルカラーを上手に取り入れると、着物の装いもいっそう華やいだものになります。
パーソナルカラーとは、その人に似合う色のこと。人それぞれ、肌、瞳、髪の毛など、身体の色は異なるため、似合う色も人それぞれ異なります。似合う色はその人の身体の色と調和し、その人をより魅力的に見せます。
「パーソナルカラーとは?」「似合う色とは?」とお思いになった方はぜひ、下記の記事をご覧ください。 ※あくまでも簡易診断/自己診断です。
今回は、パーソナルカラーのタイプ別に、着物の装いの配色例をご紹介します。
春に咲く可憐な花の色が似合うスプリングタイプ
スプリングタイプは、華やかで明るい印象の持ち主。イエロー、イエローグリーン、ベージュ、コーラルピンク、オレンジなどが似合います
イエローベース(黄みのある色)で、明るく澄んだ、華やかな色が似合います。
スプリングタイプに似合うのは、珊瑚色・朱赤・萌黄色など
スプリングタイプに似合う着物と帯のコーディネート:珊瑚色、たんぽぽ色、萌黄色、朱赤など
華やかに装うなら、珊瑚色がおすすめ。たんぽぽ色の帯を合わせて、重ね衿と帯あげに、黄緑色の濃淡を繰り返して、朱赤の帯じめで引き締めましょう。真っ白な半襟よりも、暖かみのあるアイボリーホワイトがお似合いになります。
紫陽花のような優しく穏やかな色が似合うサマータイプ
サマータイプは、上品で穏やかな雰囲気の持ち主。水色、ラベンダー、明るいネイビー、オフホワイト、ベビーピンクなどが似合います
ブルーベース(青みのある色)で、白っぽくパウダリーな柔らかな色やニュアンスのある中間色が似合います。
サマータイプに似合うのは、ローズ・ミント・ラベンダーなど
サマータイプに似合う着物と帯のコーディネート:ローズ、ミント、ラベンダーなど
華やかに装うなら、着物の地色は青みのあるローズピンク系がおすすめ。重ね衿と帯じめにピンクの濃淡を繰り返し、グラデーションをつくりましょう。淡いグリーンの帯、淡い紫の帯あげなど、淡いトーンで統一感を演出し、色みの違いで変化をつけましょう。真っ白な半衿よりも、ソフトホワイトが似合います。
紅葉のような深く濃い色が似合うオータムタイプ
オータムタイプは、落ち着いていてシックな雰囲気の持ち主。ブラウン、モスグリーン、レンガ色、辛子色、オリーブなどが似合います
イエローベース(黄みのある色)で、深みと濁りのある、落ち着いた大人っぽい色が似合います。
オータムタイプに似合うのは、紅葉色・苔色・辛子色など
オータムタイプに似合う着物と帯のコーディネート:紅葉色、苔色、辛子色など
華やかさが求められるフォーマルな着物は、深みのある艶やかな朱赤がおすすめ。重ね衿に深みのある黄色を合わせ、帯と帯あげは、緑色の濃淡で変化をつけ、紫色の帯じめで引き締めました。真っ白な反衿よりも、少しくすんだ白がお似合いになります。
濃く華やかな、はっきりとした色が似合うウィンタータイプ
ウィンタータイプは、クールでシャープなイメージの持ち主。ブラック、ダークネイビー、ホワイト、レッド、ロイヤルブルー、ターコイズなどが似合います
ウィンタータイプの方は若くから成熟した雰囲気をもつ人も多く、華やかさとミステリアスさを兼ね備えたタイプです。澄んだ瞳は白目と黒目のコントラストがはっきりしていて、存在感のある美しさを感じさせる人が多いのも特徴です。
ブルーベース(青みのある色)で、濃く鮮やかな、はっきりとした色を選びましょう。ウィンタータイプに似合うのは、瑠璃色・紺色・躑躅色など
ウィンタータイプに似合う着物と帯のコーディネート:瑠璃色、紺色、躑躅色など
着物の地色に華やかな瑠璃色を選んで、知的で颯爽としたイメージに。淡いピンクの帯に濃いピンクの帯じめで、コントラストをつけました。重ね衿と帯あげは、ブルーの濃淡を繰り返して、シンプルかつメリハリのあるコーディネートに。半衿は真っ白が似合いになります。
着物の世界にも、パーソナルカラーの考え方が取り入れられるようになってきています。しかし、着物と洋服は、素材や色柄、全身のバランス、ヘアメイクなど、さまざまな点で異なっています。洋服では難しい色づかいも、着物なら違和感なく着こなせることもあります。パーソナルカラーも参考にしながら、着物ならではのカラーコーディネートを楽しみたいですね。
ガイドの著書『和モヨウ配色手帖』もご参考に。
【関連記事】