地震保険も火災保険も加入率は伸びている

地震災害に対する意識の高まりとともに、地震保険が改めて見直されています。阪神淡路大震災以降、地震保険の加入率・付帯率やその伸び率は地域によって差はあるものの、全体的には増加傾向です。

2018年度の全国平均での地震保険の加入率は32.2%、火災保険への付帯率は65.2%になりました(損害保険料率算出機構より)。
賃貸の家財に地震保険は必要?

賃貸の家財に地震保険は必要?

この地震保険は持家ならともかく賃貸の場合、保険目的は建物ではなく、主に家財です。果たしてどこまで賃貸で地震保険が必要なのかを考えている人も多いでしょう。賃貸住宅を中心に家財への地震保険の必要性について、考えてみましょう。
   

地震保険は火災保険とセットで契約を

地震保険の加入を考えるにあたり、賃貸物件ならではの特徴から確認していきましょう。賃貸の場合、建物を所有していませんから保険の対象の中心は家財一式になります。

家財というと、プラズマTVなどの家電やパソコンなどは地震保険の補償対象ですが、1個または1組の価額が30万円超の貴金属、宝石、書画、骨董など、いわゆる明記物件は対象となりません(火災保険では原則、家財と別に明記することで保険の対象に入れることが可能)。

賃貸物件用の場合、不動産屋で物件の賃貸借契約を結ぶときに、火災保険も一緒に契約するパターンが一般的です。保険期間は賃貸借期間に合わせて、住宅なら通常2年間、保険料は一括払いのセットプランで契約金額が設定されています。

保険会社によって違いはあるでしょうが、このセットプランの火災保険の契約金額はたいてい300万~1000万円程度で設定されています。もちろん個別に設計することは可能です。

地震保険は単独での加入はできず、この火災保険に付帯して契約をします。契約金額は火災保険の30~50%で設定しますから、火災保険と同額が補償されるわけではありません。

上記の例ですと、以下のような金額の設定になります。
  • 火災保険 300万円:地震保険90万~150万円
  • 火災保険1000万円:地震保険300万~500万円
 

地震保険金の支払い基準は4段階のみ

ここで地震保険金の支払いの基本を確認しておきたいと思います。地震保険金の支払いの基準は「全損」「大半損」「小半損」「一部損」の4段階です(2017年1月より)。支払われる割合は次のようになります。

2017年1月1日以降
  • 全損:保険金額の100% (時価が限度)
  • 大半損:保険金額の60% (時価の60%が限度)
  • 小半損:保険金額の30% (時価の30%が限度)
  • 一部損:保険金額の5% (時価の5%が限度)
2016年12月31日以前
  • 全損:保険金額の100% (時価が限度)
  • 半損:保険金額の50% (時価の50%が限度)
  • 一部損:保険金額の5% (時価の5%が限度)

2017年の改定から数年が経っているので、賃貸物件の多くは改定後の新基準に該当する人がほとんどでしょう。損害額が大きくなく仮に「一部損」に認定された場合には、支払われる地震保険金は多いわけではありません(もっとも、どのような形で被災するかは分かりませんし選べません)。

TVが倒れて壊れたり、地震によって出火して全焼する可能性もあります。このケースでは地震保険に加入していないと火災保険では支払われません。また、津波で流されたり、地震による崖崩れで家財が被害に遭ったりするかもしれません。

いずれにしても、地震を原因とした災害には地震保険が必要で、保険金の支払いは4段階(改定前は3段階)ということは知っておいてください。
 

家財に地震保険をつける場合の保険料はどこが高い?

賃貸物件の家財の地震保険について具体的に考えてみましょう

地震保険料は建物構造と地域で決まる

地震保険の保険料は、建物構造と地域によって異なります。建物構造についてはイ構造(主に非木造)とロ構造(主に木造)の2つしかありません。

マンションやアパートの場合は古い物件でなければ、耐火構造のものが多いと思います。賃貸でも戸建の場合には木造も多いでしょうが、いずれにしても構造区分は2パターンしかありませんから、後は地域で決まります。

地域は1等地(保険料・安い)~3等地(保険料・高い)の3区分ですが、同じ等地でも地震保険料は異なることがあります。東京都、神奈川県、静岡県などは全国でも最も地震保険料が高い地域です。
 

賃貸物件の家財における地震保険の必要性は? 

地震保険に入るべきかどうかは、最終的には個人の価値観の問題です。支払われる保険金と支払う地震保険料のバランスをどう考えるかです。

賃貸物件に居住している人は、住宅ローンを抱えているわけではありません。被災したとして、その後の生活の立て直しとともに多額の負債を負うわけではありません。

しかし被災することで家財を失えば、そのためのお金が必要です。仕事を失うことになれば収入が途絶えますし、いま預貯金があってもすぐに底をつくことも考えられます。新たに賃貸物件を借りるとなると、持ち家を買うほどではないにせよ、物件を探して入居するにはある程度まとまったお金が必要になります。

「最終的には対価のバランス」と言いましたが、多くの資産や仕事を失ったときの数十万~数百万円の保険金の価値を含めて考えてみてください。答えはそれぞれ異なるはずです。貯蓄や収入が少ない人ほど、地震保険の必要性は高くなります。家財に地震保険をつけているからといって、保険金で家財を買わなければならないわけではありません。

もちろん家財が必要なケースもあるでしょうし、当面の生活の選択肢を増やす意味では一考の余地はありです。賃貸住まいの人の家財の地震保険は、地震保険料や自分の住環境、家庭環境なども考慮して検討するのがよいでしょう。

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