小学校でかかる学費はいくら?公立と私立の差は5倍弱
文部科学省が2019年12月に発表した『平成30年度子供の学習費調査』に基づき、小学校でかかる学費を見てみましょう。公立と私立の差は5倍弱と、かなり大きな差になっています。<目次>
小学生は可能性を探る年代
公立小学校でかかる学習費の総額は?
公立小学校で、1年間に平均してかかるお金の合計とその内訳は下記のとおりです。月にならすと2万6800円弱で、小学校から高等学校までの間で最もお金がかからない時期といえます。割合で見ると、「学校外活動費」がかかっています。その内訳は後述します。
- 合計……32万1281円↓
- うち学校教育費……6万3102円↑
- うち学校給食費……4万3728円↓
- うち学校外活動費……21万4451円↓
*前回調査より高くなったものに↑、下がったものに↓、変わらないものに→を付けています(以下同)。
ここで、個々の詳細を見る前に学年別推移を見ておきましょう。公立小学校でかかる学習費の学年別推移は次の通りです。
- 1年生:35万860円↑
- 2年生:26万3310円↓
- 3年生:29万2950円↑
- 4年生:30万9617円↓
- 5年生:33万9132円↓
- 6年生:37万940円↑
公立小学校の学校教育費の内訳
では、公立小学校の学校教育費の内訳についても見てみましょう(年額)。- 授業料……0円→
- 修学旅行・遠足・見学費……6951円↑
- 学校納付金等……1万2235円↑
- 図書・学用品・実習材料費等……1万9673円↑
- 教科外活動費……2041円↓
- 通学関係費……1万8032円↑
- その他……4170円↑
公立小学校の学校外活動費の内訳
公立小学校の学校外活動費の内訳は次のとおりです(年額)。- 家庭内学習費……1万4761円↓
- 家庭教師費等……1万3015円↑
- 学習塾費……5万3313円↓
- その他(補助学習費)……1380円↓
- 体験・地域活動……4342円↓
- 芸術文化活動……3万5402円↑
- スポーツ・レクリエーション活動……5万5002円↓
- 教養・その他……3万7236円↑
私立小学校でかかる学習費の総額は?
一方、私立小学校はどうでしょう。首都圏在住の方で、私立小学校への進学を検討している人もいるかもしれません。私立小学校で、年間でかかるお金の合計と内訳は次のとおりです。
- 合計……159万8691円↑
- うち学校教育費……90万4164円↑
- うち学校給食費……4万7638円↑
- うち学校外活動費……64万6889円↑
公立の合計が年間約32万円のため、私立:公立の比率は4.9:1。ほぼ5倍で、私立小学校はとても高いことがわかります。
東京都のように私立校への助成を行う自治体もありますが、一般的には、世帯年収が高いか、あるいは祖父母などの援助がある場合でないと、私立小学校へ通わせるのは容易ではないでしょう。
学年別推移で見るとこうなります。いずれの学年も、前回調査よりも上がっています。
- 1年生:189万2002円↑
- 2年生:136万6148円↑
- 3年生:141万5910円↑
- 4年生:149万7087円↑
- 5年生:163万684円↑
- 6年生:179万314円↑
私立小学校の学校教育費の内訳
私立小学校の学校教育費について、その内訳は次の通りです。- 授業料……48万5337円↑
- 修学旅行・遠足・見学費……4万4816円↑
- 学校納付金等……23万1425円↑
- 図書・学用品・実習材料費等……3万2055円↑
- 教科外活動費……1万507円↓
- 通学関係費……9万749円↑
- その他……9275円↑
私立小学校の学校外活動費の内訳
私立小学校の学校外活動費の内訳も見てみましょう。- 家庭内学習費……4万5480円↑
- 家庭教師費等……4万2560円↑
- 学習塾費……25万2790円↑
- その他(補助学習費)……7555円↑
- 体験・地域活動……2万2789円↓
- 芸術文化活動……9万5712円↓
- スポーツ・レクリエーション活動……8万2902円↓
- 教養・その他……9万7101円↑
上記を見ると、学習塾費が際立ってかかっているほか、芸術文化活動やスポーツ・レクリエーション活動、教養・その他にもお金をかけているのがわかります。前回調査よりダウンしたものもありますが、いずれの項目でも、公立より私立の方がかけている額が上回ります。
小学校から私立に入る場合、大学を卒業するまでは16年間あります。世帯収入が高い、あるいは祖父母からのサポートがあるなど、教育に多くのお金をかけても家計的に問題がないご家庭でないと、小学校から私立に通わせて健全な家計を維持するのは厳しいのではないでしょうか。
その私立小学校に本当に行きたいかなど親子でしっかり話し合うことも大事です。
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