学歴と生涯賃金との関係

教育資金を準備する際には、子どもの進路を想定する必要があります。その判断材料のひとつとして、学歴と生涯賃金との関係に注目してみましょう。
生涯賃金

教育費と生涯賃金


生涯賃金ってどれくらい?

子どもの進路を想定する際、何も基準がなくては判断できません。そのため、学歴によって異なる生涯賃金のデータを見ておきましょう。

下の金額は、労働政策研究・研修機構が発表した「ユースフル労働統計2017」のデータで、2015年時点の性別・学歴別にみた生涯賃金です。

就職から定年まで同一企業に勤続した場合の金額で、定年は60歳。退職金や年金は含まれていません。

生涯賃金(同一企業型)
■2015年
<男性>
高卒      2億5380万円(42年間)
高専・短大卒  2億5220万円(40年間)
大卒・大学院卒 2億8920万円(38年間)

<女性>
高卒      1億8710万円(42年間)
高専・短大卒  2億65 万円(40年間)
大卒・大学院卒 2億4210万円(38年間)
※労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2017」より

大卒・大学院卒で見ると、2009年以降では最も高くなっています。以下に、1995年以降、5年ごとの生涯賃金の推移も掲載しておきます。

生涯賃金(同一企業型)
■2010年
<男性>
高卒      2億4490万円(42年間)
高専・短大卒  2億3980万円(40年間)
大卒・大学院卒 2億7620万円(38年間)

<女性>
高卒      1億8090万円(42年間)
高専・短大卒  2億 460円(40年間)
大卒・大学院卒 2億3910万円(38年間)

■2005年
<男性>
高卒      2億5910万円(42年間)
高専・短大卒  2億6340万円(40年間)
大卒・大学院卒 2億9450万円(38年間)

<女性>
高卒      1億8990万円(42年間)
高専・短大卒  2億1530万円(40年間)
大卒・大学院卒 2億5520万円(38年間)

■2000年
<男性>
高卒      2億7600万円(42年間)
高専・短大卒  2億8070万円(40年間)
大卒・大学院卒 3億520万円(38年間)

<女性>
高卒      2億 500万円(42年間)
高専・短大卒  2億3410万円(40年間)
大卒・大学院卒 2億7540万円(38年間)

■1995年
<男性>
高卒      2億8430万円(42年間)
高専・短大卒  2億8300万円(40年間)
大卒・大学院卒 3億2060万円(38年間)

<女性>
高卒      2億 780万円(42年間)
高専・短大卒  2億3120万円(40年間)
大卒・大学院卒 2億7290万円(38年間)

※労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2017」より

以上は同一企業で勤め上げた場合のデータでしたが、現実には転職などもあり得ます。以下のデータはフルタイム勤務(正社員・同一企業とは限らない)の生涯賃金です。生涯賃金は下がります。

生涯賃金(フルタイム勤務(正社員・同一企業とは限らない)
2015年
<男性>
高卒      1億9760万円(42年間)
高専・短大卒  2億600万円(40年間)
大卒・大学院卒 2億6220万円(38年間)

<女性>
高卒      1億3080万円(42年間)
高専・短大卒  1億6180万円(40年間)
大卒・大学院卒 1億9890万円(38年間)
※労働政策研究・研修機構「ユースフル労働統計2017」より

学歴が上がるほど生涯賃金もアップ

データを見ると、高卒よりは高専・短大卒、高専・短大卒よりは大卒・大学院卒のほうが、生涯賃金が高くなることがわかります。つまり、「学歴が高くなるほど、生涯賃金もアップする」ということがいえるでしょう。

現実には、業種による差や、会社の規模による差、転職の有無で例外となるケースもありますが、平均で見た場合は、学歴の高さと生涯賃金は比例しています。

ちなみに、2015年のデータで見た場合、大卒・大学院卒と高卒の差は、男性の場合で3540万円あります。つまりは、データで見た場合、教育費が3540万円未満でできるだけ抑えられるほど、大学・大学院へ行く投資効果が上がることになります。

女性のほうが学歴の投資効果が大きい?

数字をよく見ると、2015年の大卒・大学院卒と高卒の生涯賃金の差は、前述のように男性の場合で3540万円ですが、実は、女性の場合で5500万円と1.55 倍になっています。

高卒で働く女性は、昇給などの少ない一般職が多く、生涯賃金が抑えられているためではないかと推測されます。

しかし、よく考えてみると、5500万円もの差があるなら、男性よりも女性のほうが学歴への投資効率がよいということもできそうです。

ただし、あくまでもこのデータは、1つの会社で定年まで働き続けた場合のものです。結婚や妊娠・出産で仕事を辞めてしまうと、そもそも生涯賃金は大幅に下落します。

1995年と比べ金額が大幅ダウン

時系列でも見てみましょう。1995年と2015年を比べた場合、恐るべき変化に気づかされます(同一企業型)。

過去20年の間に、高卒の生涯賃金は、男性が2億8400万円→2億5380万円へと3020万円ダウンしています。女性の場合は、2億780万円→1億8710万円と2070万円のダウンでした。

大卒・大学院卒の場合はさらに大きな変化があります。男性が3億2060万円→2億8920万円へと3140万円もダウンし、女性の場合は2億7290万円→2億4210万円と3080万円のダウン。

「学歴」という付加価値が下がっていると見るべきなのかもしれません。

【関連記事】
生涯賃金で高卒・大卒の逆転も!?
子供を育て上げるのに3000万円!?
子供への教育投資はどうすれば成功する?
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。