私立中学校には特待生制度を設けている学校がある
都市部を中心に私立や国立の中学校を受験する子どもが数多くいます。私立中学へ進学すれば保護者は授業料等の費用を負担することになります。中学3年間で数百万円程度は負担する覚悟がなければ、進学を決められません。しかし、一部の私立中学校では特待生制度を用意しており、この制度を使うことができれば保護者の経済的負担を大幅に軽減することができます。特待生制度の趣旨について、渋谷幕張中のホームページには「心身が健全で将来長く修学に堪え、学業成績が優秀であり将来社会に貢献するに相応しい資質を有するものを対象に有為の人材の育成に資すること」と書いてあります。多くの場合、入学試験の成績優秀者を特待生予定者にしています。
入試で成績優秀者になれば特待生として入学できる私立中学は数多くある
特待生になると給付される費用は学校によって異なる
特待生制度は学校独自の制度なので、学校によって特別待遇の内容は異なります。特待生制度の内容例
●入学金のみ免除
- かえつ有明(2種)
- 東京電機大学(第2回・第3回入学試験における成績優秀者)
- プール学院(英検:3級以上取得は全額、4級取得は半額)
●授業料のみ免除
- 愛知(3年間の授業料の全額または半額が免除)
- 大妻中野(アドバンス入試各回上位3~15人程度等の1年次の授業料で、2年次以降は改めて審査)
- 清風(3回あるプレミアム試験での合格者の中で成績上位者は、品行成績不良等で資格取り消しにならない限り中高6年間の授業料免除)
- 東京農業大第一(入学試験の成績優秀者は1年間の授業料相当額を支給)
- 広尾学園(入学試験の成績優秀者は1年次の授業料免除で、2年次以降は改めて審査)
- プール学院(成績優秀:中学3年間の授業料の全額または半額が免除)
●入学金と授業料を免除
- かえつ有明(1種:入学金と授業料を免除、中学3年間の年次更新)
- 攻玉社(各回の入学試験の成績上位10人は入学金と1年次の授業料を免除。中学2年まで更新可。3年次以降は新たに選考)
●入学金と授業料の他も免除
- 栄東(3年間特待合格者:入学金・授業料3年間・施設設備拡充費3年間を支給。1年間特待合格者:入学金・授業料1年間・施設設備拡充費1年間を支給で次年度の選考有)
- 渋谷幕張(特別特待生合格者:入学金・施設拡充費・授業料相当額を1年間給付、2年次以降審査有。特待生合格者:入学金と施設拡充費相当額を給付)
- 帝京大学(S特待:入学金・設備充実費・6年間の授業料・維持費を免除。1年ごとに資格審査有)
- 開智(S特待:初年度63万8000円給付、2年次以降は53万8000円で継続審査有。A特待:初年度26万8000円給付で2年次以降継続審査有。準特待:初年度10万円給付)
特待生で合格したら行かないともったいない!?
学校によって特待生制度の内容はさまざまなので、具体的にいくらくらいお得になるのかを3校で計算してみました。例:栄東の場合
入学金25万円、授業料月額2万5000円、施設設備拡充費年20万円がかかります。
3年間特待では25万円+(30万円+20万円)×3年=175万円、
1年間特待では75万円負担減になります。※年間授業料は月額×12と仮定
例:開智の場合
S特待生では初年度63万8000円、2年次以降53万8000円なので、中学3年まで受け取れたとすると、63万8000円+53万8000円+53万8000円=171万4000円も負担減になります。開智は入学金10万円、授業料48万円、教育充実費5万8000円なので、特待生の給付額はこれらの費用相当額と言えます。
例:東京電機大学の場合
入学金は25万円なので、負担軽減額は25万円となります。
3校の例では、入学試験で成績優秀者になれば25万円~175万円も負担が軽くなるので、保護者からしたらとてもありがたく、使えるなら当然使いたい制度です。しかし、誰でも使えるわけではなく成績優秀者に限るので、子どもには入学試験と入学してからの勉強を頑張ってもらいたいところです。
入学する中学校は子どもが希望する学校
子どもが希望する中学校へ進学するのがベスト
笑顔で子どもを応援しましょう!
※校名は一部省略して簡易的にしています。入学金その他のデータは2023年6月29日時点、筆者調べ。