住宅ローンの借入/これから借りる住宅ローン関連情報

住宅ローン基礎の基礎(5) 2種類の"期間"が明暗を分ける?(2ページ目)

住宅ローンには借入期間と返済期間の違いがあると知っていましたか?4つの事例を紹介しながら、この2種類の期間が住宅ローンを味方につけるか、敵にまわすかの運命の別れ道になることを理解しましょう。

執筆者:西田 善太

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賢い期間の設定方法!「借入期間」は出来るだけ長く設定するべし!

よく不動産営業マンなどから、「長く借りておけば大丈夫ですよ~」など安易な提案をうけたというご相談を受けることがありますが、その提案はある意味正解です。なぜならば、理由は2つ。1つは、自分のペースで返済するため、そして2つめは将来の有利な借換えに役立てるためです。

理由その1:自分のペースで返済するため!

シリーズ第1回の住宅ローンとのうまい付き合い方でも紹介しましたが、住宅ローンの最大の特徴は「長い!」こと。20年後、30年後を現実的に想像できる方はいないとはっきり言うことができます。そのため、賢い住宅ローン選びとは「無理なくあなた自身のペースで返済できる」住宅ローンを組むことです。

「借入期間」とは金融機関側が貸付基準に応じて一方的に決めるものです。そのためできるだけ長く組んでおきましょう。一般的には最長35年間ですが、変わった住宅ローンでは関西アーバン銀行の50年ローンなど、最長50年間のローンを組める商品も販売されています。

ここで、しっかり理解しておくことは「35年間の借り入れをするからと言って、35年間かけて返済し続ける必要はない」ことです。

理由その2:将来の有利な借換えに役立つ!

ここ2年間は低金利と金融機関の住宅ローン競争激化のために、過去10年くらいに住宅ローンを組んだ方が、より有利な条件の住宅ローンに組み替える、住宅ローンの借換えがブームになっています。住宅ローンとうまく付き合うには、この有利な借換えやあなた自身の収入や支出に変化があったときには、家計の最大のコストである住宅ローンの見直しが柔軟にできる状態を準備しておきましょう。

最近の有利な住宅ローン借換え商品によく見られる借入基準の中に、新しい「借入期間」は現在返済中の住宅ローンの残り期間内での設定とあります。この意味は、1度「借入期間」を設定すると、将来の有利な借換えがしたい!と思った時にも影響してくることです。以下にある会社で同期入社のEさんとFさんのケースを見てみましょう。二人は同じ4年前にマンションを購入して、今まさに借換えをしようと奮闘中です。
同期イメージ
同期の2人がここまで違う!?


【例1】Eさんの場合:4年前に「借入期間」15年で設定
(毎月20万円返済中、残り期間11年、貯金30万円)
借換え理由:貯金が少ないため生活が不安。毎月返済額を減らして、家計余力を出したい。
⇒残り期間11年のため、借換え後、毎月返済額は2万程度の減額効果(借換えの費用約35万円を考えると現実味のないものに...)

【例2】Fさんの場合:4年前に「借入期間」35年で設定
(毎月8万円返済中、残り期間31年、貯金500万円)
借換え理由:500万円の内、300万円を繰り上げて返済し、有利な条件での借換えもしたい。
⇒毎月返済額8万円を変えずに、300万円の繰上返済と有利な条件への借換えで残り期間は31年→26年に短縮、マイホーム購入後の貯蓄ペースが把握できたので、その貯蓄の中から無理なく毎月3万円でも小口で繰上げて目指すは10年後の完済!

「借入期間」とは、あなたがいくら返済したいのかを一切無視した金融機関があなたの毎月返済額を決定する基準になります。よって、より有利に返済をすすめるための「借入期間」選びの鉄則は:「出来るだけ長く設定するべし!」ということになりますね。


最後のページでは、もう一つの期間:「返済期間」の使い方をマスター!ここが運命の分かれ道です。
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