生命保険料控除とは?

医療保険や介護保険、個人年金など個人で生命保険を契約している方はたくさんいらっしゃいます。生命保険料控除は、所得税の計算上、生命保険料を支払っている方の所得から、一定額を所得から控除できる制度です。

生命保険料控除は、厚生年金保険や健康保険などの公的制度で賄いきれない部分を、自助努力でカバーしようとする方への特典といえます。

生命保険料控除を受けるために必要な書類は2つ

年末調整のときに会社から渡される紙は2種類あります。一つが、「給与所得者の扶養控除等( 異動) 申告書」で、もう一つが「給与所得者の保険料控除申告書」です。このうち、生命保険料控除で使用するのは、保険料控除申告書の方です。

そして、生命保険料控除を受けるために必要な書類がもう一つ。それが、保険会社から届く「生命保険料控除証明書」(以下控除証明書と記載します。)です。この紙に、年間で支払った生命保険料の金額など控除を受けるための重要情報が記載されています。申告書は失くしても会社ですぐに再発行してもらえますが、控除証明書は再発行に時間がかかりますし、再発行をしない保険会社も中にはあります。各自でしっかりと保管し、届いていない会社があればすぐに問い合わせて確認を取りましょう。年末調整のときに証明書が手元にないために、確定申告するハメになったなんてことにならないようご注意を。

ちなみに控除証明書には、多くの場合2つの数字が書いてあります。一つは発行までに支払った金額です。もう一つが、そのまま年末まで払い続けた場合に支払うであろう合計額です。こちらは「参考額」などと書かれている場合が多いです。控除証明書は、年末調整に間に合わせるため、10月ごろに発行されるため、このように見込み額の形で年間支払額を記載するのです。では、年末調整ではどちらの数字が必要かというと、参考額の方です。所得同様、保険料も年間支払額で計算するので、参考額をベースに計算します。

生命保険料控除申告書を書いてみよう!

控除証明書が手元にあれば、生命保険料控除申告書を書くことができます。以下の図を参考に見ていきましょう。

保険会社等の名称や保険等の種類、保険期間、保険料等の金額(先ほど書いたように12月31日まで支払った場合の金額です。)は控除証明書の記載をそのまま転記すればOKです。

また生命保険は、計算上3つの区分があります。一般の生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険料の3つです。保険契約の内容次第でどの区分に分けられるのか決まりますが、実際は保険会社が区分けして控除証明書に記載してくれるので、それに従えば大丈夫です。申告書に記載するときの欄だけ間違えないようにしましょう。

その他の記載にあたっての注意点は次の通りです。
1.保険等の契約者の氏名は通常ご本人ですが、例えば夫が家庭内で妻の保険料を負担している場合は、妻が契約者の保険も夫名義で申告できます。結局だれが保険料を負担したのかで控除を受けられる人が決まるということです。ただし、自分以外の場合が契約者であっても、「2」の受取人の要件は満たしておかなければなりません。

2.保険金等の受取人は、本人、配偶者、その他親族(父母や、子や孫その他6親等以内の血族と3親等以内の姻族)に限られます。この範囲以外の人が受取人となっている場合は、生命保険料控除が受けられませんので、重要なポイントです。続柄までしっかりと記入しておきましょう。受取人は控除証明書に書いてない場合もありますので、保険証券等で確認しましょう。

3.もっとも意味が分からないのは、新・旧の区分ではないでしょうか。この項目だけ、税金側の事情で設けられています。簡単にいうと、平成24年以後に契約した保険を「新」、それ以前の契約分を「旧」と呼んで、所得控除の計算を分けています。

とはいっても区分自体は控除証明書に記載されていますし、計算式は申告書に載っています。あまり深く考えず、控除証明書の記載通りに書けば大丈夫です。

(保険料控除申告書のうち、生命保険料控除に関連する部分です。実際は、配偶者特別控除申告書等も兼ねていますので、記載欄はもっと多岐に渡ります)

(保険料控除申告書のうち、生命保険料控除に関連する部分です。実際は、配偶者特別控除申告書等も兼ねていますので、記載欄はもっと多岐に渡ります)


生命保険料控除の金額はいくら?

生命保険料控除は、支払った保険料が全額控除されるわけではなく、決められた式で計算された金額について所得から控除することができます。ここは健康保険料や厚生年金保険料が全額控除することができるのと異なる点です。

計算式は、申告書上に載っていますので、それにしたがって計算することになります。新保険料と旧保険料で計算式が分かれている点に注意しましょう。

生命保険料控除額の上限は12万円です。ただし、介護医療保険料を支払っていない場合は、上限が10万円となります。上限を超えると、いくら生命保険料を支払っていたとしても、所得控除の金額は同じです。

例えば、計算の結果、生命保険料控除額が8万円となったとします。この場合、所得税率が10%なら8千円の所得税減となります。さらに住民税(税率は10%)とも連動しますので、合わせて1万6000円の税負担減です。

計算するのは結構面倒ですし、控除証明書を会社に提出して、あとはお任せという方も多いと思います。ただ、自分の所得税の負担額にかかわる部分でもありますし、おおよそいくらの控除を受けられるか程度は把握しておきたいものですね。

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