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退職後は国保と任意継続、どっちがお得?

人事労務や給与計算を担当している事務担当者は、退職する社員に、「任意継続と国民健康保険って、どっちが安いですか?」といったことを聞かれることがあります。両者にどのような違いがあるのか見ていきましょう。

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トリプルライセンスの税務・労務・法務ワンストップサービサー

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健康保険の任意継続とは?

どっちがお得になる?

どっちがお得になる?

病院の窓口などで利用している健康保険制度。日本では国民皆保険のもと、国民全員が公的な医療保険制度に加入することになっています。公的な医療保険には大きく分けて2つあります。

一つは、会社員や会社役員など給与所得がある方で、要件を満たす方が加入する健康保険と、それ以外の方が加入する国民健康保険です。

任意継続とは、会社を辞める方が、国民年金保険に加入せず、2年間だけそのまま健康保険に加入できるという制度です。医療費の自己負担は、もちろん会社員時代と変わりません。なお、任意継続は退職後20日以内に、選択の手続きを取らなければいけません。この期間を超過してしまうと、自動的に国民健康保険の対象となります。

任意継続と国民健康保険の計算方法

選択の際一番知りたいのは、お金の面からはどちらが得なのかといったことだと思います。ですので、まずは両者の計算方法について見ていきます。

まずは任意継続です。任意継続の場合、おおざっぱにいうと、退職時に給与天引きされていた健康保険料の2倍くらいが毎月の任意継続の保険料となります。会社員時代に会社が負担してくれていた健康保険料の半分も自分で負担する必要があるためです。

とはいえ、ありがたいことに、任意継続の健康保険料には上限が設けられています。具体的には、(28万円×保険料率)が上限となっています。保険料率は都道府県で多少の上下はありますが、大体10%程度ですので、2万8000円くらいが毎月の上限となります。

原則この金額は加入期間中据え置きされますが、任意継続の途中で40歳となった方については、介護保険料が上乗せされますので、大体1000円~4500円程度が毎月の保険料に加算されます。

次に国民健康保険です。国民健康保険料は次の4つの保険料からなっています。大体の自治体は所得割と均等割のみ採用しています。

1.所得割-前年の所得をベースに算定
2.均等割-世帯ごとの加入人数をベースに算定
3.平等割-1世帯ごとに算定
4.資産割-保有する資産をベースに算定

計算方法は自治体によって異なりますので、詳細な金額は自治体に問い合わせましょう。

住民税と同様に国民健康保険料も役所が計算するので、答えを聞いてしまった方が早いです。人事部も、任意継続の保険料は答えられても、どっちが得かまで聞かれても答えられません。ただし、所得などの個人情報を含むので、電話では教えてもらえないかもしれませんので、その場合は、面倒でも窓口まで行かなければなりません。退職の1週間程度前に役所で確認しておけば、任意継続との選択も余裕をもってできるでしょう。

中には、ホームページ上で国民年金保険料を試算できる自治体もあります。(こちらは横浜市の例です。)もしかしたら、お住まいの自治体も作っているかもしれませんので、検索してみるといいでしょう。
http://www.city.yokohama.lg.jp/kenko/kokuho/26sisan.html

任意継続と国民健康保険はほかにどんな違いがあるの?

任意継続には、2年間の期間制限があります。この期間中は再就職しない限りはやめることはできません。逆に、2年たてば任意継続の資格は喪失して、国民健康保険に移ることとなります。

例えば、退職時点では、任意継続の方が安いため任意継続を選択し、2年目は収入の関係で、国民健康保険が安くなったから国民健康保険に切り替えるといったことはできません。任意継続は、任意で加入しますが、辞めるのは任意ではないということです。

ですので、退職後再就職の予定もなく、向う1年程度は収入がない期間が見込まれる方(1年程度開業準備に充てる場合や、学校に通い直す場合など)は、2年目まで考慮すると、当初任意継続の方が安くても、最終的に総額でみると国民健康保険が得だったということもあるかもしれません。結局どちらが得かといったことは最初の保険料だけで単純比較はできないですね。

また、滞納してしまった場合の取り扱いも異なります。任意継続の場合は、滞納すれば、即資格喪失して、国民健康保険の対象となります。一方国民健康保険の場合は、滞納しても資格喪失ということはありません。その代わり延滞金がかかってきます。いずれにしても滞納しないよう気を付けましょう。



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更新日:2015年05月27日

(公開日:2005年09月04日)

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