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退職後は国保と任意継続 どっちがお得?

「任意継続と国民健康保険って、どっちが安いですか?」という質問をよく受けますが、国民健康保険料はお住まいの市区町村でかなり違います。例えばどのくらい違うのか……Aさんの例で調べてみました。

執筆者:平井 実穂子

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退職後の保険料…気になります

人事労務や給与計算を担当している事務担当者は、退職する社員に、こんなことを聞かれることがあります。

「退職後の健康保険、どうすればいいでしょうか?」
「任意継続と国民健康保険って、どっちが安いですか?」

社員が退職した後のことは、個々の状況でかなり違いますので、アドバイスしにくいのですが、今回は、Aさんの例で、任意継続と国民健康保険の負担額の違いを調べてみました。

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退職後、健康保険は選択できる

退職後、健康保険をどうするかは、いくつか選択肢があります。
条件によっては家族の扶養に入るということも考えられますが、失業給付を受けながら次の仕事を探す等、転職希望の方は、

・今までの保険を任意継続する
・国民健康保険に入る

このどちらかを選ぶことになります。

現在は、どちらも自己負担額は3割ですので、普段病院にかかる分は違いはありません。
では、保険料はどのくらい違うのでしょうか?
「どっちがお得なの?」これもよく聞かれることなのですが、これを計算するのはちょっと難しいのです。まずは任意継続した場合を考えてみましょう。

任意継続って何?

任意継続…事務担当者は任継(ニンケイ)と言ったりもしますが、この制度は、
退職した後も、希望すれば、退職前と同じ健康保険制度に加入できるというものです。
継続した2か月以上の被保険者期間が必要ですが、2か月ですから、入ってすぐ辞めた方以外のほとんどの方が、この制度を使うことができます。
任意継続できる期間は2年間で、資格喪失後20日以内に届出をしないといけません。

社会保険庁・任意継続被保険者について

退職した後の健康保険を「任意継続」にした場合、政府管掌健康保険なら、保険料がいくらになるのか計算することは簡単です。
給与から控除されてる「健康保険料」の2倍です。40才以上で介護保険料が控除されている方は、こちらも2倍になります。
任意継続は全額自己負担。在籍中は、控除額と同額を会社が経費として支払っているため、退職後は2倍となるのです。

これを伝えると、「今までの2倍!」とひるむ方が多いのですが、嬉しいことに上限があります。
平成17年度は、22,960円、介護保険料を支払う必要のある方は、26,460円です。

それにしても「収入がないのに2倍は痛いなあ」…では、もうひとつの選択肢、国民健康保険では、いくらになるのでしょうか?

国民健康保険の計算方法は市区町村で違う

計算してみたら、任意継続保険料が、上限の22,960円になってしまったAさん。
退職を期に引越しすることも考え、試しに現在住んでいるX市と、隣のY市で国民健康保険の額を調べてみました。

「住んでるところで納付額が違うの?」
そうなんです。国民健康保険は市区町村が運営しているので、保険料率や計算方法はそれぞれ違うのです。
計算方法も複雑で、いくつかの項目を合計しなければいけません。X市とY市の計算方法を例に計算してみましょう。

■世帯別平等割
国民健康保険は、世帯ごとに計算され、1世帯ごとに必要なのがこの世帯別平等割額です。
例えば、世帯主の夫がすでに国民健康保険に入っている時、妻が退職して新たに国民健康保険に加入しても、この額は変わりません。

■被保険者均等割
国民健康保険は、世帯ごとに計算されるため、その世帯で国民健康保険に加入している人1人につきかかる額を、被保険者均等割といいます。
例えば、政府管掌健康保険で、収入のない妻を扶養家族としている時、扶養家族の増減で保険料が変わることはありませんが、国民健康保険に変更すれば、この額が2名分必要になります。

このふたつを比べてみると…。

Aさんの国民健康保険料(年額)
X市 Y市
世帯別平等割額 13,014円 25,400円
被保険者均等割額(1名) 27,367円 25,900円

『被保険者均等割額』はそうでもないですが、『世帯別平等割額』は、X市がY市のほぼ倍ですね。
「ずいぶん違うなあ」と思ったそうですが、国民健康保険の額を最も大きく左右する、『所得割』を計算して愕然とします。

なんと!年間で30万円近くの違いがあったのです≫

更新日:2005年09月04日

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