損害保険/火災保険の入り方

住宅ローンを借りる際に加入する火災保険の基礎

住宅ローンと火災にはさまざまな注意点がありますが、住宅ローンに関連する保険で忘れてはならないものの一つが火災保険。住宅ローンを組んだ場合の火災保険の比較やポイントについて考えてみましょう。

平野 敦之

執筆者:平野 敦之

損害保険ガイド

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住宅ローンを組むときの火災保険のポイント

住宅ローンを組んでマイホームを購入する人は多いでしょう。住宅ローンというと、金利だけに目が向きがちですが、同様に考えておかなければならないのが「保険」です。

住宅ローンに関係するものでは、団体信用生命保険(略称:団信)や火災保険、地震保険などがあります。これらの中で、住まいのもしもをカバーするのが火災保険です。今さら聞けない住宅ローンと火災保険について解説します。
 
住宅ローンを組むと生命保険や火災保険が一層重要になります

住宅ローンを組むと生命保険や火災保険が一層重要になります

 

住宅ローンに火災保険はなぜ必要?

単純に、住宅ローンと保険というところから考えてみると、必ず関わってくるのが「生命保険」と「火災保険」です。一般的に住宅ローンは長い期間にわたって利用するケースが多く、その間には何があるか分かりません。住宅ローンの返済を終える前に事故や病気で亡くなってしまったり、火事や自然災害で家が全焼・全壊してしまったりすることもありえます。

自然災害などで住まいが全壊してしまえば、住むところは無くなった上に、住宅ローン(借金)だけは残っている状況になります。お金を借りた側(住宅購入者及び家族)、貸した側(金融機関等)ともに困ることのないように保険が必要になるのです。
 

火災保険と質権設定

単に火災保険に加入していても、お金を貸した側からすれば、住宅ローンの返済を優先してくれないと困ります。そこで、火災保険の支払いが発生した場合に、契約者ではなく貸し手に優先的に保険金を支払うようにするような契約をします。

これを「質権設定付き」の火災保険と言います。金融機関によって対応は異なりますが、最近は昔のように必ずしも質権設定が必須ではなくなっています。趣旨はこのようなことだと知っておいてください。
 

住宅ローンと火災保険の注意点1:保険金額/保険の目的

住宅を購入したとき、火災保険に加入する人がほとんどです。具体的に、住宅ローンを組んだ場合の火災保険について考えてみましょう。

■保険金額(契約金額)
借入額を火災保険の契約金額(借入額=契約金額)とすることもあるかもしれません。しかし、借入額がそのまま住宅の100%の評価額になるわけではありません。
住宅ローンを組んで家が全焼した場合の支払いがどうなるのか知っておきましょう

住宅ローンを組んで家が全焼した場合の支払いがどうなるのか知っておきましょう

こうしたときに建物が全焼した場合、住宅ローンは返済することはできますが、同じ規模の家を建て直したり購入したりすることができません。借入額ではなく、住宅の100%の評価額で火災保険の契約をするようにしてください。

■保険の目的
住宅用の物件で火災保険を契約する場合、主な保険の目的は「建物」と「家財」です。建物のみを保険の目的に火災保険の契約をする人は多いかもしれません。

住宅ローンを組んでから日が浅い場合、家が火事で全焼しても、火災保険でローンの返済ができますが、住んでいた家もなくなります。この後、家を購入するか賃貸にするかはともかく、それなりにコストがかかります。

また、燃えてしまうのは建物だけでなく家財も。洋服なども含めた日常生活に必要な家財も最低限のものは買わなければなりません。こうしたところから考えると、家財にも保険を付帯し、何かあったときに、住宅ローンの返済だけでなく、保険金で自由に使える分を確保しておくのも一つの考えです。
 

住宅ローンと火災保険の注意点2:地震保険

もう一つ考えなければならないのは「地震保険」です。一般的な地震保険は、火災保険の補償額の半分(50%)が上限ですから、万が一地震で家が全壊しても、保険金で損害のすべてをまかなうことはできません。
 
地震保険に加入していても、住宅ローンの返済状況によっては保険でまかないきれないことも

地震保険に加入していても、住宅ローンの返済状況によっては保険でまかないきれないことも

それでも、地震が原因で火災が発生した場合には地震保険がないと対処できませんし、地震や噴火、これらによる津波による損害は火災保険ではなく地震保険になります。住宅ローンの残債が多ければ、地震保険の必要性は高いのです。
 

住宅ローン付帯の補償に自然災害をカバーするものがある

気候変動の影響などもあり台風や竜巻、水害、土砂崩れなどの自然災害が増えています。地震災害はいうまでもありません。ここにきて住宅ローンに上乗せするかたちで自然災害を補償するものがでてきています。

いずれも住宅ローンの返済支援を目的にしたものですが、主な補償内容は以下の2つのパターンのいずれかです。
  • 一定期間(6回、12回、24回)の住宅ローン返済相当額を免除
  • 全壊認定を受けた場合、住宅ローン残高の50%相当を免除
一般的には前者のパターンが多く、地震はもちろん台風などによる風災や水災、雪災、落雷などまで補償します。全壊の場合で住宅ローンが2年分程度免除されるものです。

後者は地震災害を意識したものでしょうが、地震などが原因で全壊認定された場合、ローンの50%相当が免除となります。地震保険に加入していればこれで住宅ローンを返済することが可能です。

ほとんどのケースで上乗せ金利が必要になるので、よく検討する必要があります。こうした補償がついている住宅ローンの取扱いをする金融機関が少しずつ増えています。まだ一般的ではありませんが新たに住宅購入をするときにはこうした補償があることを知っておきましょう。

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