コロナーリ通りでは、「上を向いて歩こう!」
ちょっとした外壁の細工にも街の歴史が見つかる。大理石に彫られた貴族の家紋? |
そこにはお仕着せの美術館には収まらない、日常の中の美術品を目にすることができます。例えば、通りの角々のニッチ(壁面を方形にくぼめた部分で、彫刻などを飾ったり噴水を設けたりする)にはイエスや聖母マリア、天使などの聖像を象った絵画や彫刻。長年、風雨にさらされ、ところどころ剥離したり磨耗したりしてはいるものの、それがかえって枯淡な味わいを醸し出しているともいえるでしょう。カトリック総本山のお膝元だけあって、こうした宗教的な飾りは至るところに見つかります。
コロナーリ通りの店舗の内部。天井には古い梁が残る |
この邸宅街の一階部分を占める店舗の内装も興味深い。当時の屋内の様子をそのまま残した古いアーチ型天井や梁などが残っていたりします。そして邸宅の2階より上層部分は、今も住居として使われています。当時のままの家主ではなくなっている場合がほとんどで、各階をアパルタメントに改装して使われています。こんな歴史ある家に住めるのはなかなかオツなものだな~などと、生活を感じながら歩いてみるのも楽しいものです。
⇒次のページでは「コロナーリ通り」に集まる骨董店や美術店をのぞくほか、お買い物も愉しめる