ドイツ産もカナダ産も、いわゆるイタリア産でないモッツァレッラチーズは、相して写真にあるように、セミハードタイプのナチュラルチーズです。つまりこれは熟成加工されており、けっしてフレッシュではないという点が、イタリア産とは決定的に違うことです。
では、どうして同じ名前を使っているのでしょうか?
それは、イタリアへヴァカンスするのが好きなドイツ人の中に、南イタリアでモッツァレッラチーズを食べ、その美味しさに感動し、ドイツでも是非同じようなモッツァレッラを作りたい! ということで、作ったようです。
イタリアのモッツァレッラと特に似せて作ったのは、
○タンパクである
○よく伸びる
という2点に重点が置かれた様です。また、チーズ自体の色が違うのは、使っている牛が違うだけのことだそうです。
そして同じ名前が使用できるのは、「イタリアではないから」です。イタリア国内は先も御案内した通り、同じ名称を使うことはできません。しかしながらイタリアを離れてしまえば、それはそれというもの。
この件に関しては、パルミジャーノ・レッジャーノ風のアメリカ産「パルメザンチーズ」があったり、パルマの生ハムもこの原産地呼称にかかってくるので、日本製の「パルマ風ハム・イタリアン生ハム」があったりします。あくまでも「イタリア風」「○○風」であるので、イタリアのそれとは異なります。
ともあれ日本で買うイタリアン モッツァレッラチーズは非常に高いです。1個につき約800円します。これはフレッシュなため、冷凍では決して輸入できず、もちろんほとんどが新鮮さを保つため空輸で、長時間かかる船便というわけにもいきません。最近は変わってきたようですが・・・。
高い! だけど美味しいモッツァレッラチーズ。
今度イタリアンを作る時は、決して間違えないで下さいね。