食肉は身近で良質なたんぱく質源
牛肉や豚肉、鶏肉といった「食肉」は、良質な動物性たんぱく質が豊富で、私たちの重要なたんぱく質源として、とても身近な食材です。たんぱく質は20種類のアミノ酸から形成されていますが、そのうち体内で合成できないアミノ酸を「必須アミノ酸」と呼びます。人間の場合はメチオニンをはじめとする9種類ですが、食肉のたんぱく質はこの9種類の必須アミノ酸がバランスよく、豊富に含まれています。動物性たんぱく質は植物性に比べて体内に吸収されやすい特徴があるため、私たちの食生活に欠かせない栄養が摂取できる食材というわけです。近年では、食肉に含まれる成分にがんやストレス、感染症などのリスクを軽減する効果についての研究結果も発表され、ますますその栄養が注目されています。
お肉を買うとき、食べるとき
お肉を購入するとき、どのような基準で部位を選びますか。料理するメニューに合わせて、お買い得品だったから、など選び方は人それぞれ。たとえばカロリーを部位で比較してみると、牛肉と豚肉ならヒレ、鶏肉はささみが各食肉の部位の中で最もカロリーが低く、ヒレは牛肉ならサーロインの半分以下、豚肉ならロースの1/2弱。鶏肉のささみは牛豚鶏肉の部位の中で最もカロリーが低く、100gあたり106Kcalで、脂質も100g中わずか0.5gです。あっさり赤身からとろける霜降り「牛肉」
あっさりした赤身から、とろけるようなおいしさの霜降り肉まで、好みによってさまざまに味わえる牛肉は、ヘム鉄やカルニチンを豊富に含んでいて、貧血やダイエットにも効果的です。牛肉についての詳しい情報はこちらをご覧下さい。
牛肉の栄養素 l 牛肉の部位と特徴 l 牛肉の選び方とポイント
牛肉を使った料理例
ごちそうの定番、肉のジューシーさとうまみをダイレクトに味わえるシンプルレシピ
優しい味わいの定番洋食、薄切りの牛肉を使ってフライパン1つでできる簡単レシピ
甘辛つゆだくでおいしさ倍増、安価な材料と身近な調味料を使って短時間にできるお手頃レシピ
国内消費量第1位の食肉でコクある味わい「豚肉」
疲労回復に効果があり、ビタミンB群を豊富に含む豚肉は、日本で一番よく食べられている食肉です。内臓もビタミン豊富で、美容にも効果的。かむほどに味わ深く、コクがあるのが人気です。豚肉についての詳しい情報はこちらをご覧下さい。
豚肉の栄養素 l 豚肉の部位と特徴 l 豚肉の選び方とポイント
豚肉を使った料理例
湯通しして余分な脂を落としたお肉を冷やし、野菜と一緒にサラダ感覚で召し上がれ
豚肉と根菜類のうまみが溶けだした定番具沢山味噌汁。体も心も温まります
北海道十勝地方・帯広がその発祥。甘辛味でジューシーな豚肉がたっぷり乗った丼
低脂肪でヘルシー、美容にもよい「鶏肉」
皮の部分を除けば低脂肪で高たんぱく質な鶏肉。ビタミンAのほか、皮や軟骨部分にはコラーゲンも豊富。食肉の中で豚肉に次ぐ消費量で、価格が比較的安いことも魅力です。鶏肉についての詳しい情報はこちらをご覧下さい。
鶏肉の栄養素 l 鶏肉の部位と特徴 l 鶏肉の選び方とポイント
鶏肉を使った料理例
トマトの香りふんわり、どこか懐かしくで優しい味わいのチキンライス
ピクニックの定番メニューの1つで子供に大人気のメニュー。味の決め手はハーブとスパイス
丼の定番、ふんわり優しい口当たりと味わいは大人も子供も大好き
使いやすく調理の幅が広い「ひき肉」
牛肉や豚肉、鶏肉を細かくひいたもの。価格も手頃で、切る手間がいらないため調理しやすい食材です。ただし、空気に触れる面積が多いため、傷みやすいという面があります。購入したらすぐに使い切るようにしましょう。ひき肉を使った料理
トマトケチャップやお酢を使った甘酢あんで、冷めてもおいしい一品。お弁当にもおすすめ
世界で食される「羊肉」
世界で広く食されている羊肉。生後1年未満は「ラム」と呼ばれ、2歳以上の成羊を「マトン」と呼びますが、日本では1年を過ぎたものは総じて「マトン」と呼ぶようです。マトンに比べ、ラムは臭みがなくやわらか。日本では、ジンギスカンに使われることでよく知られています。香りとコクの「鴨肉」
「鴨」と「合鴨」と呼ばれるものがありますが、一般的に鴨は野生種のマガモであるのに対し、合鴨は野生のマガモとあひるを交配させたもの。鴨は野生のものであるため、合鴨よりも入手しづらく、私たちがよく見かけたり食べたりするのは合鴨がほとんど。鴨は濃い赤色で香りとコクが強く歯ごたえがある締まった肉質、合鴨は鴨に比べ柔らかい肉質で脂ののりがよい、といわれます。使いやすさが魅力「食肉加工品」
主に豚肉や牛肉、鶏肉を原料に製造されたハム、ソーセージ、ベーコン類など。塩などで味付けされ、燻製などの加熱調理したもので、味付けいらずでそのまま、または加熱調理するだけですぐに食べられて便利です。食肉加工品のパッケージに、「JAS上級」「特定JAS」といった表示がありますが、JAS法(農林物資の規格化および品質表示の適正化に関する法律)に基づいて加工食品の品質規格を表すもの。規格に合格したものに「JASマーク」がつけられるので、製品の品質を見る時の目安の1つになります。
【取材協力および資料提供】 財団法人日本食肉消費総合センター