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重曹を植物に使う、「重曹ガーデニング」って何?

重曹を植物に使う、「重曹ガーデニング」って何なのでしょうか? 今回は、気になる「重曹ガーデニング」についてお話しします。重曹を植物に使うことによる影響はあるのか、重曹の利用方法など紹介していきたいと思います。

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

重曹を植物に使う、「重曹ガーデニング」

重曹は魔法の粉?

「重曹ってお料理に使うんじゃないの?」とか「最近、お掃除で使うようになったよね?」という方、多いのではないでしょうか。
そもそも重曹とは何ぞや?これがわかれば、なぜ重曹がガーデニングと繋がるのかがわかるはず。
ということで、調査開始!

重曹とは、ベーキングソーダとも呼ばれる粉末状の物。科学的にいうと、弱アルカリ性の性質を持つ炭酸水素ナトリウム(NaHCO3)の粉ということになります。
この重曹は、古くから胃薬に使用されたり、山菜の灰汁とりや「ふくらし粉」として料理に使用されていたのですが、最近ではこういった使用法ではとんとご無沙汰していた代物です。
胃薬は各メーカーから様々な症状にあわせて各種市販されていますし、ふくらし粉の機能で言えば重曹(ベーキングソーダ)の二倍ほど膨張力のあるベーキングパウダーの方が一般的になってしまったということが、その理由として挙げられるでしょう。

そんな重曹が近年注目されるようになったのは、エコロジーな生活を目指す人が増えたことによります。
また、「汚れ落としに効果アリ!」として各種メディアに取り上げられるようになったのが大きな要因でしょう。
重曹はもともと口に入るものとして使われてきたわけですから、その安全性は○。
そして簡単に家中の汚れが落とせる!ということで「魔法の粉」とまで呼ばれるほど。
重曹やクエン酸といったものを使ったナチュラルクリーニングを取り上げた本も各種出版されていますので、皆さんも一度は試してみたことがあるのではないでしょうか。
 

重曹は特定農薬だった!

特定農薬に指定されているのは、重曹、食酢、テントウムシなどの天敵の三種

特定農薬に指定されているのは、重曹、食酢、テントウムシなどの天敵の三種

この重曹、実は※1特定農薬に指定されているのです。
2002年12月の農薬取締法の改正によって登録のない農薬の販売及び新たな製造や使用が禁止されることとなりました。
これによって農作物の防除に使う薬剤や天敵で安全性が明らかなものまで過剰に規制されることのないように制定されたのが特定農薬です。
逆にいうと、重曹は安全性の明らかな農薬ということになるでしょう。
現在この特定農薬に指定されているのは、「重曹」、「食酢」、「テントウムシ等地域の天敵」の三種のみです。
この指定においては、※2農薬としての効果が明らかで、かつ※3安全性に問題のないものについて検討を行ったということですから、いわばお墨付きを頂いたようなもの。
な~んだ重曹って農薬だったのね、となればガーデニングと繋がるのも至極当然と言うわけです。
※1「特定農薬」という言葉に違和感があるという声もあり、「特定防除資材」という通称も認められた
※重曹と食酢については、殺菌作用を持つとされる農薬登録によりその主成分の薬効が証明されている
※重曹と食酢については、古くから食品として使用されており、防除目的で農産物に散布されたとしても人体はもとより動植物等に対しても安全と考えられる

 

植物への重曹利用法

土をアルカリ性に

土をアルカリ性に

それでは実際のガーデニングでは、どのようなことに利用できるのでしょうか。
以下に利用法を挙げてみましたので、参考にどうぞ!

【土をアルカリ性に】
重曹は弱アルカリ性ですから、これを利用して酸性に片寄った土を弱アルカリ性にするというものです。
ゼラニウムやベコニア、アジサイといったアルカリ性の土を好む植物には有効ですが、酸性を好む植物が近くにある場合など注意が必要です。
与え方としては、水1リットルに対して大さじ2~4杯程度の重曹水を作って株元に水やりの要領で与えますが、はじめは薄めにして様子を見たほうが良いでしょう。

【うどん粉病に】
バラに多いうどん粉病にも

バラに多いうどん粉病にも

重曹は、うどん粉病や灰色カビ病などに対して効果があるとされています。
一般的に1000倍に希釈した液を散布するとされていますが、ものによっては500倍や400倍など濃度の高いものも使用されているようです。
ですが他の場合同様に、はじめは薄めの液を散布して様子を見るほうが良いと思います。 なお展着剤として、石鹸水を少量加えても良いでしょう。
また重曹スプレーを使用する際は、植物天然成分を用いた他の活力剤や木酢液などとの併用は避けたほうが無難です。

【トマトの栽培に】
トマトの株元に軽く重曹をまくと甘いトマトができ、害虫がよりにくくなるそうです。
私もこれはまだ試してみたことがないので効果の程はわからないのですが、くれぐれも「まきすぎ」には注意しましょう。
何しろ重曹は、濃度が濃ければ除草剤にもなるものですから…。

【雑草の除草に】
しつこい雑草に、除草剤の代わりとして重曹をかけます。
粉のまま振りかけても良いのですが風で吹き飛ぶ可能性もあるので、重曹水にして掛けたほうが良いでしょう。

【切花を長持ちさせる】
切り花を長持ちさせる効果も。でも入れすぎには注意!

切り花を長持ちさせる効果も。でも入れすぎには注意!

花瓶に花を活けるとき、花瓶の水にひとつまみほどの重曹を入れておくと、花が長持ちします。

【鋏の消毒に】
剪定鋏を介して植物がウィルス病に感染することもあるので、鋏はいつも清潔にしておきたいもの。
重曹水で洗うことでも消毒ができます。洗った後は、よく拭き取って乾燥させ、適宜油を差すなどのお手入れもお忘れなく。

いかがでしたか?重曹って本当にいろんな使い道があるものですね。
重曹の使い方が書かれた本もいろいろ市販されているので、興味のある方は一読されてみては。
ただし、本によって重曹の使用分量など異なる点もあるでしょう。
ガーデニングの場合はお掃除と違って直接生き物に触れることになるので、「まずは薄めからはじめてみる」を基本に、様子を見ながら使っていただければと思います。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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