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ゴールドクレストが黄色く枯れる原因とは?正しい育て方も

ゴールドクレストは枯れる木として知られており、育て方に悩むユーザーも多いようです。ゴールドクレストは、コニファーの中でも「クリスマスツリーみたいな木」として人気の植物。今回は、ゴールドクレストが黄色く枯れる原因と当植物の育て方を解説!

畠山 潤子

執筆者:畠山 潤子

ガーデニングガイド

【ゴールドクレスト】Cupressus macrocarpa Goldcrest
ヒノキ科 イトスギ(クプレッサス)属
北アメリカ原産の常緑針葉樹

ゴールドクレストが黄色く枯れる原因

ゴールドクレストは、コニファーの中でも人気

コニファーの中でも、最もポピュラーといわれるゴールドクレスト。寄せ植え、庭植えのほか、最近はクリスマスツリーの代わりとしての需要も増えています。
その反面、「毎年のように枯らしてしまう」、「庭植えが突然枯れてしまった」という声が多いのも事実です。
多くの人がゴールドクレストを枯らしてしまうのは、何故なのでしょう?
まずは、管理方法から検証してみましょう。
以下は、ラベルなどによくある管理方法の記載例です。
─ 例 ──────────────────────
★ゴールドクレストの管理の仕方★
置き場所・・・日当たりの良い場所
水やり・・・乾燥に弱いので、土が乾いたらたっぷりと
肥料・・・2か月に1回、緩効性肥料を置肥する(置肥?)
植え替え・・・株が大きくなったら一回り大きな鉢に植え替える
剪定・・・刈り込みに耐える
耐寒性・・・あり (ホントなの?)
──────────────────────────
ラベルに書いてあるとおりに管理しているはずなんだけど…という嘆きの声も聞こえてきそうですが、管理方法を一つ一つ見ていきましょう。
   

ゴールドクレストが黄色く枯れる原因は? 育て方も解説

【置き場所】
ゴールドクレストは、日照条件によってゴールド~ライムグリーン~グリーンと葉色に変化が現れます。 庭植えで日当たりが良い場合は、グリーンがやや濃くなり、葉自体が硬く(ごつく)なる傾向があります。
室内管理では、日当たりの良い窓辺などで管理します。極端に日当たりの悪い場所では株自体が軟弱になります。
また、室内ではエアコンやヒーターなどの空調機の側、戸外ではエアコンの室外機の側に鉢を置くのは避けましょう。これらから発生する温風・冷風は、ゴールドクレストを枯らす一因となります。

【水やり】
乾燥に弱い性質ですが、水遣りしすぎて過湿になると根腐れします。基本は、土が乾いたらたっぷりと水遣りすることです。
また室内管理では、時々霧吹きで葉水を与えることも必要です。
「冬は乾かし気味に管理する」と表記されているものもありますが、室内では空気の乾燥に加えてヒーターを使ったりするので、鉢は予想以上に乾いています。クリスマスツリーに使用したゴールドクレストを枯らしてしまう原因は、この乾燥によることが多いです。
葉が淡黄色なので、黄変に気づかないこともあるようです。水遣りの際に、葉先が柔らかい状態か(パリパリ、チリチリになっていないか)も確認しましょう。

【肥料】
鉢植えの場合は、春3月頃と6月頃に、緩効性肥料を製品の表示どおりの分量で与えます。
庭植えの場合は、春3月頃に油粕などの有機肥料を与えます。施肥による育ちすぎが心配なときは、ムリに施肥する必要はありません。

【植え替え】
植え替え目安は、鉢底に根がたくさん張り出してきたときです。 鉢いっぱいに根が張ってしまうと、養分の吸収などが困難になってきます。この状態になると、水遣りしてもなかなか浸透していきません。
そこで一回り大きな鉢に植え替える(鉢増し)のですが、ここで注意が必要です。
ゴールドクレストは、根をいじられることを大変嫌います。寄せ植えの花苗感覚で根鉢をほぐしたりすると、植え替え後に急速に衰え、ダメージが大きい場合枯死してしまいます。
植え替えの際は、鉢から抜いた株をそっくりそのまま、鉢底土を入れた一回り大きい鉢に据えて、隙間に土を足します。

【剪定】
自然に円錐形に整う性質ですが、日照条件などで偏りが出たり、スペースに対してボリュームがありすぎる場合は剪定します。
コニファーは金気を嫌うので、鋏で刈り込むと葉色が赤褐色に変色してしまいます。「少し形を整えたい」といった場合は、手で葉先を摘むようにすると良いです。
また、萌芽前でしたら鋏で刈り込んでもすぐに新芽が吹いてくるので、あまり神経質にならなくても良いでしょう。
「下枝が枯れこんだ、枯れてきた」という相談も多いのですが、残念ながら枯れた下枝は元に戻らないので、トピアリー(スタンダード)仕立てに刈り込むことをお勧めします。

【耐寒性】
「あり」と表記されていることが多いのですが、コニファーの中では弱いほうになります。
最低気温が0度以下になる日が続く、土が凍る、連日霜が降りるといった地域では、冬季は室内管理になります。

【その他】
降雨による泥はねで、下葉が痛んでくることがあります。庭植えの場合は、特に注意が必要です。
対策としてはパークチップなどを株元に敷いて、泥はねを防ぎます。

「蒸れ」も枯れこみの原因となります。梅雨時~夏季にかけて高温多湿や、葉が混んできて風通しが悪い場合などに、幹元から葉が茶色に変色して痛んできます。

「病虫害」としては樹脂胴枯れ病、コガネムシ、ハダニ、シャクトリムシ、アブラムシなどによる被害があります。

「繁殖」は挿し木が一般的ですが、活着はあまり良くありません。たくさん挿して、そのうち何本か根付けばOKという気持ちで臨むと気分的にもラクです。
 

ゴールドクレストはそれでもやっぱり枯れちゃうの?

管理に気を配り、生き生きとしていた株も、ある日突然変色しだして枯れてしまうことがあります。
私も二冬越して三年目の株が突然変色しだし、結局枯らしてしまった経験があります。
乾燥か、日当たりか、虫か、病気か…と原因をいろいろと探りましたが、コレといった決め手がありませんでした。
「何故?どうして?!」と叫びたくなるこの現象、ゴールドクレストだけでなくシルバースターなどにも見られるのですが、おそらく原産地と日本の気候との違いが、枯れの一因と考えられます。

もちろん「それでは納得いかない!」という方もいるでしょうね。
でも、ゴールドクレストを「樹木」と考えるから納得いかないのであって、「多年草」と考えれば…というのは詭弁でしょうか?
もちろん「枯らしたくない」のは誰しも同じですが、生き物ですからそれぞれ寿命があるものです。
そう考えたら、もっとゆったりとした気持ちで管理することが出来るのではないでしょうか。
「枯らしちゃいけない」と思いながら管理するのは、ストレスになりますからね。

ゴールドクレストは「庭木」や「植栽」としては、お勧めできないと私は思います。
最近はゴールドクレストに代わるようなコニファーも、いろいろと出回るようになったので、「庭木・植栽」の機能を求める方は、別の樹種を選んだほうが賢明でしょう。

しかし、ゴールドクレストにはゴールドクレストの良さがあるので、性質をよく理解して楽しめればと思います。

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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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