そこで活用してほしいのが冷凍保存。食材の無駄をなくし、調理時間を短縮するために、知っていてほしい知識をお届けします。今回はお肉の冷凍保存の方法をご紹介します。
お肉の冷凍保存方法
肉類は基本的に生のまま、冷凍することができます。一人暮らしの場合、大きめのパックを買ってきたら余ってしまうというのもよくあること。使いきれなかった分は、一回分に使う量を目安に小分けして、ラップに包んで、フリージングバッグに入れて冷凍保存しましょう。バッグ内の空気をしっかりと抜いておくことが美味しさを保つ秘訣です。冷凍していれば長期保存が可能ですが、鮮度は次第に落ちていきます。二週間を目処に食べ切るようにしてください。長期保存をすると鮮度が落ち、冷凍庫の匂いが移って味が落ちることがあります。ニンニクや生姜などの香味野菜を使ったり、濃いめの味付けにすると気になりにくいです。ガイド記事『冷凍保存で美味しいひとりご飯』にも注意点が紹介されているので、ぜひ併せてご覧ください。
パックのままはNG
買ってきたパックのままの状態で保存すると、容器の間にある空気によって傷みやすくなる
一回に食べる量ずつ
ラップの上にできるだけ薄く、重ならないように並べます。一回分使う量を目安に小分けに包むのがポイント。
空気が入らないよう
ラップ内に空気が入らないように、ぴったり包みます。
平らにして冷凍
フリーザーバッグへ入れて、このまま平らな状態で冷凍庫の中へ。凍ったら、立てて保存をしてもOK。2週間程度で食べるようにしましょう。
内容物がわかるように
肉類は冷凍されると、中身の見分けがつきにくいことがあります。フリージングバッグに日にちと内容物を記載しておきましょう。買ってきたときに使われていたラップでそのまま包むと、いつ何を買ってきたものかもわかりやすいです。
肉から出る赤い液体のことをドリップといいます。肉類を買うときにドリップがたくさん出ているものは鮮度が落ちている可能性が高いので、避けた方がベター。冷凍しようと思う肉にドリップや水分がついているときは、清潔なキッチンペーパーなどで拭き取ってからラップでくるみます。水分がくさみにつながります。
■薄切り肉は重ならないように
薄切り肉は面倒でも重ならないように薄く並べて冷凍します。素早く冷凍および解凍ができるため、鮮度や味が保てます。重なった部分が変色しやすいので注意。
■挽肉や細切れは早めに
挽肉や細切れなども冷凍可能ですが、肉同士の隙間に空気が入ってしまういるため、傷みが早いです。早めに食べるか、調理した上で保存することをおすすめします。お肉料理の保存方法は次のページで。
■ソーセージ・ハム・ベーコンなどの加工肉も
加工肉も同じように冷凍することができます。一回分ずつラップに包んでおきましょう。
冷凍したお肉を美味しく食べるための上手な解凍方法
急ぐときは電子レンジ。でも、解凍しすぎにならないよう、短時間ずつ、よく見ながら、加熱してください
おすすめは冷蔵庫解凍。朝使うなら寝る前に、夜使うなら出かける前に、冷蔵庫に入れて、ゆっくりと解凍させます。また、フリージングバッグのまま、氷水に入れて解凍すると、ドリップは抑えつつも、冷蔵庫より早く解凍されます。肉の量にもよりますが、冷蔵庫では半日程度、氷水解凍では数時間はかかります。
冷凍しているものをすぐに使いたいというときは、流水解凍という方法があります。フリージングバッグのまま、溜めた水、もしくは流水にあてて解凍すると、ドリップが出にくいですが、短時間で解凍可能。量に寄りますが、数十分で解凍可能。
それよりも急ぐという場合は、電子レンジを使いますが、ドリップが多く出て味が落ちたり、時間が長すぎると肉が加熱されてしまうため、注意が必要です。解凍するときはラップをとり、キッチンペーパーを敷いた上にお肉を置きます。電子レンジの「生解凍」の設定、もしくはレンジの弱(200W)で短時間ずつ様子を見ながら加熱し、解凍すぎないようにします。回転皿のある電子レンジの場合は、加熱むらが出ないよう回転皿の外側に置きましょう。解凍の目安は100gで1分30秒程度ですが、お使いの電子レンジによって異なりますので、調整をしてください。
なお、凍ったまま使うのは避けてください。火の通りが一律にならず、美味しく食べられません。特に挽肉や細切れなどは肉同士がくっついてしまい、思ったとおりの料理ができないことがあります。
お肉を使った料理の冷凍保存方法
お肉は生のままでも保存できますが、下ごしらえや調理をしてから保存しておけば、忙しいときでもさっと食事を準備できます。時間のある週末などにまとめて作っておくと便利です。料理によって保存方法や調理法は異なりますので、我が家の冷凍庫にもよく入っている肉料理をピックアップしてご紹介します。■ハンバーグ
小さめのハンバーグを焼いてから冷凍しておくと、お弁当のおかずにも便利
ハンバーグだねを作って、形を整え、ラップで包み、フリーザーバッグへ。調理するときは冷蔵庫などで半解凍してから、焼きます。中まで火が通るように、少量の水(50ml程度)を加えて、蒸し焼きにすると、ふっくらと焼きあがります。ただし、傷みやすいので、早めに食べてください。
・調理後なら…
焼いたあと、ラップに包み、フリーザーバッグへ。煮込みハンバーグにするなら凍ったままスープに入れてOK。ハンバーグとして食べるときは解凍後電子レンジで温め直してください。
■肉団子
・焼く前なら…
たねを作り、下ごしらえをしたら、丸めて、金属製のトレイなどに並べて、ラップをし、冷凍庫へ。表面が固まったらあとで、フリーザーバッグへ入れると、くっつかずに冷凍できます。
たねを丸めずに、フリーザーバッグ薄く平らに入れて、冷凍しておくと、麻婆豆腐などにも使えます。調理するときは凍ったまま揚げたり、スープや鍋に入れてOK。いつもよりも長く火を通してください。丸めずに冷凍したものは、半解凍にしてから、炒めるなど火を通して使います。
・調理後なら…
揚げたあと、フリーザーバッグへ。スープなどにじっくり火を通せる料理なら凍ったまま使ってOK。炒め物などにするときは、解凍してから使います。
■トンカツ
揚げたてサクサクが食べたいなら、衣をつけた状態で。かつ丼などに使うなら、揚げてから冷凍すると便利
・調理後なら…揚げたあと、パン粉をつけた状態で、ラップでくるみ、フリーザーバッグへ。半解凍したあと、トースターやグリルで焼くと、カラッと温まります。凍ったまま、かつ丼用にだしで煮込むんでもOK。
■餃子・ワンタン
包んだ餃子は間隔をあけてトレイに並べて、いったん冷凍。その後、フリーサーバッグに入れましょう
■唐揚げ
・揚げてから、フリーザーバッグへ。 半解凍したあと、トースターやグリルで焼くと、カラッと温まります。
■鶏の酒蒸し・鶏ハム
・調理後にラップにつつんで、フリーザーバッグへ。解凍後に手で裂いたり、切ったりして食べます。調理後にこれ以上加熱しない方が美味しいので、電子レンジでの解凍はできるだけ避けた方がいいです。
■角煮・ロールキャベツ
・汁気のあるものはスープごとフリーザーバッグへ入れて、冷凍保存。電子レンジで温めるか、鍋にスープごと入れて火にかけて、暖めます。スープがあるため、解凍のしすぎはあまり気にしなくて大丈夫です。
冷凍した食材は一手間加えると、さらに美味しい
冷蔵庫の冷凍機能や電子レンジの解凍機能が向上したため、冷凍した食材や料理もずいぶん美味しく食べることができるようになりましたが、買いたて作りたてのものに比べると、どうしても味が落ちてしまいます。冷凍庫特有の匂いなどが気になる場合は、もう一手間加えると、もっと美味しく食べることができます。例えば、ハンバーグはデミグラスソースで煮込みハンバーグに、トンカツはカツ丼に、唐揚げはあんかけにするなど…。そのままではイマイチでも、味や香りをつけなおすと、ぐんと美味しくなります。余裕があるときには、味付けのアイディアを考えてみてください。
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一人暮らしに冷凍テクニックは必須。上手に活用できるようになると、自炊もぐんと楽になりますよ。毎日は難しい人でも少しずつ挑戦してみてくださいね。
それぞれの食品ごとの冷凍保存方法は、『冷凍保存で美味しいひとりご飯』『ラクチン&美味しい冷凍保存 野菜編その1』『ラクチン&美味しい冷凍保存 野菜編その2』『ラクチン&美味しい冷凍保存 魚介編』『お米・パン・パスタ・麺の冷凍保存』『ラクチン&美味しい冷凍保存 製品編』にまとめてあります。そのまま冷凍できるもの、また一手間加えて冷凍するといいものなど、一人暮らしの食事がもっとラクに美味しくするヒントをお届けしています。 併せてご覧ください。
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