ペットに噛まれたときのために、正しい知識を持ちましょう。
<目次>
最初は噛まれて当然、と思っておきましょう
もしペットに噛まれたら
ペットショップでしつけをされている子は、たしかに飼いやすいです。でも、どんなにペットショップでいい子に育てられていても、あなたの家という新しい環境で、あなたという新しい家族と暮らし始めたら、最初は警戒したり神経質になるものです。ペットショップで「噛まない子」であっても、あなたの家に来てすぐは噛むこともあります。
あなたの家に連れて行くことで、ペットはそれまで見たこともない新しい環境にお引っ越しするのです。神経質になるのは当然のことですので、不安にさせたり、警戒させたりしないように優しく接してあげてください。馴れていないがゆえにあなたの声や動作に驚いて、噛んでしまうことも飼いはじめの時期にはままあることです。最初は噛まれて当然、と思っておきましょう。
もしペットに噛まれたら?対処法とは
ペットに噛まれたときは、噛み具合によって対処が変わります。じゃれて噛むような痛みのない噛み具合(甘噛み)であれば、何もしないでいいでしょう(ペットへのしつけとしては甘噛みでも噛んではいけないことを教える必要がありますが、甘噛みで手を消毒するような必要はありません)。ペットが強く噛んで噛まれた場所から血が出たときには、傷口を消毒しましょう。消毒液が手元にない場合には、傷口を水でゆすいでください。その後、傷口がはれたり、熱が出たりしないかどうか、様子をみてください。少しでも気になる症状があらわれたら、お医者さんにみてもらいましょう。そのときには、ペットの種類といつ噛まれたかを伝えるようにしてください。
お子さんとペット
ハムスターやシマリスなどの子供の手に大きすぎないペットは、子供が無理につかまえてしまうことが多いペットなのかもしれません。
お子さんの年齢にもよるでしょうが、言葉で伝えただけではわかりにくいことも多いので、お子さんとペットがお互いに相手に馴れるまでは、お子さんがペットと接するときは親もその場にいて注意してあげてください。お子さんがペットを触ろうと出した手の出し方に驚いて、ペットがお子さんを噛んでしまうことだってあります。言葉で伝えたから大丈夫だろうと安心してしまわずに、適切な触り方ができるかどうか注意して見てあげるようにしてください。
ペットに噛まれた時のために、アナフィラキシーショックの知識を
猫に噛まれてアナフィラキシーショックを起こした症例もあります。
アナフィラキシーショックは急性アレルギー症状の1つです。身体の中に入ってきたアレルギー誘発成分(アレルゲン)に対して身体の細胞が反応して起きます。みなさんおなじみの花粉症もアレルギー症状の1つで、スギ花粉というアレルゲンに対して身体がくしゃみなどの反応を起こしています。
アナフィラキシーショックでは、呼吸困難やめまい、血圧低下などのアレルギー反応がみられます。食べ物によるアレルギーで起きるじんましんなどもアナフィラキシーショック症状の1つです。症状が重い場合には命に関わることもありますので、放置してはいけません。
噛まれた場所から出血するぐらい強くペットに噛まれた場合には、噛まれた場所からペットの唾液が入り、アナフィラキシーショックを起こす可能性があります。呼吸困難やめまいなどの症状が出ないかどうか、気をつけて様子をみてください。特に小さいお子さんが噛まれた場合には、自分では症状をうまく説明できないこともありますので、大人が様子を見るようにしてください。症状が見られたら、すぐに病院に行って処置してもらいましょう。
動物によるアナフィラキシーショックは、ハムスターや蜂によるものだけではありません。すべての動物は、本気で攻撃する際には唾液に毒成分が含まれるそうですので、すべてのペットに対してアナフィラキシーショックを起こす可能性があると言えるでしょう。症例が少ないからかニュースにはなっていないようですが、小さなペットよりも多くの人に飼われている猫に噛まれてアナフィラキシーショックを起こした症例などもあります。
なお、ペットによるアナフィラキシーショックは唾液に含まれる成分によるものだと言われています。触るだけではアナフィラキシーショックは起きませんので、噛まれないように接していれば問題はありません。ただし、ペットの抜け毛やフケに対してアレルギー症状を起こす体質の方もいますので、そういう方はペットと接するだけでアナフィラキシーショックを起こす可能性があります(ペットの毛やフケに対するアレルギーは血液検査で調べることができますので、ペットを飼う前に調べておくといいでしょう)。
正しい接し方を身につけましょう
臆病な子の多いウサギは、上から急につかまれたりすると驚いてしまうことが多くあります。
誰彼かまわず噛む、というペットはまずいません(脳に障害を持つ子などではいると思われます)。相手に不安があったり、警戒していたりした場合に噛みます。ですので、ペットを不安にさせない接し方をしたり、警戒する必要がないことを教えたりすることで、噛まれる危険性は下げることができます。
飼いはじめはあなたについてペットは何も知りません。警戒するのが普通です。警戒しなくていいことを教えながら、無理に触ることはしないようにしましょう。あなたへの警戒心が減ってきたら、ペットが見える場所で手を出すようにして、驚かすことなくペットを触るようにしましょう。
小さなペットは、見えない場所から手が出てきて触られると驚いてしまうことが多いです。その結果、反射的にあなたを噛んでしまうこともあると思います。驚かさないようにペットと接する方法を身につけましょう。小さなお子さんには、驚かさずにペットを触る方法を教えてあげるようにしてください。
ペットを触ったあとには手を洗うことも、正しいペットの接し方に含めて覚えておきましょう。また、ペットに口移しで食べ物を与えたり、自分のお箸でペットに食べ物を分け与えたりもしないようにしてください。そうすることで、ペットから動物由来感染症をもらってしまう可能性を下げることができます。
噛まないペットが欲しい。そう思うならば、噛まれない接し方を身につけましょう。それでも飼いはじめには噛まれることもあると思いますので、傷口を消毒するための消毒液などを薬箱には用意しておきましょう。そして、噛まれたときには傷口を消毒し、なぜ噛まれたかを考えてみてください。接し方に問題があったならば、次からは噛まれない接し方をすることができると思います。
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