小動物/鳥類の飼い方

オカメインコの飼い方……長く一緒に暮らすためにすべきこと

1歳未満の幼鳥での死亡数が多いというオカメインコ。そうかと思えば、25年も飼い主と一緒に暮らしているオカメインコもいます。今回はオカメインコの飼い方と注意すべきポイント解説します。しっかり理解し、オカメインコと長く一緒に暮らしましょう!

執筆者:村田 亜衣

オカメインコの飼い方とは

オカメインコの飼い方

雛の間は十分な注意をして飼いましょう。

ある動物病院によると、死亡症例の大部分が1歳未満の幼鳥だというオカメインコ。そうかと思えば、25年も飼い主と一緒に暮らしているオカメインコもいます。そして「簡単」ではないが、注意すべきポイントを理解すれば、オカメインコとは長いお付き合いができるのではないでしょうか?
 
<目次>
 

幼鳥が弱いと言われる理由

どんな鳥でも雛は弱いところが多いはず。でも、オカメインコはその中でも弱いと言われています。その大きな理由は、彼らが環境の変化によるストレスを大きく受けることにあるようです。

私達は何も疑問に思わずにペットショップから鳥さんを購入しますが、鳥さんにとっては飼い主さんちに行くまでに長い道のりを経ています。まずは産まれた場所(ブリーダー)からペットショップ、または問屋さんまでの輸送。ここで初めて、知らない場所に持って来られた彼らは、新しい環境に戸惑い、ストレスを受けます。

ペットショップにもよりますが、オカメインコのように人気のある鳥の雛というのは、ペットショップで過ごすのは数日~数週間。新しい環境から受けたストレスが消えたか消えないかのうちに、飼い主さんの元に行くことになります。そしてまた、新たな環境に戸惑い、ストレスを受けるのです。
 

オカメインコは環境の変化に弱い

鳥かごにあるおもちゃが無くなっただけでもストレスを受けるほどに、オカメインコは環境の変化からストレスを受けます。それだけに安心できる居場所を作ってあげる必要があるのですが、初めて家に迎えたときには、すでにペットショップ、あなたの家と2回(場合によってはもっと多いこともあります)環境が変わっているので、ストレスを受けている状態。体調も崩しやすくなっているのです。
 
オカメインコ
 
オカメインコを迎えた最初の数日間は注意が必要です。あなたの家に馴れ、落ち付くまでは次の点はチェックしておきましょう。
ごはんをちゃんと食べれられる(食べさせられる)か、温度は適温か(暑過ぎたり寒過ぎたりしていないか)、下痢はしていないか、そして、何か気になることがあったならば、すぐに連絡を取れるよう、オカメインコを迎える前に動物病院は探しておきましょう。あなたが早期に病気のサインに気がつくことができても、診てもらえる動物病院を見つけていなければ、病院を探しているあいだに病気が悪化してしまう可能性があります。動物病院探しは大変な仕事ですが、ペットのために、迎える前に探すようにしましょう。
 

雛選びも重要です

オカメインコ
雛は時間をかけて選びましょう。
元気にごはんを食べている雛と全然食べない雛、どちらがより健康だと思いますか?当然でしょうが、ごはんを食べている雛です。タイミング良くごはんの時間にペットショップに行かれるとは限りませんので、雛のごはんの食べ具合については、ペットショップの人に聞く場合が多いと思います。でも、できたらごはんを食べるところを見せてもらいましょう。

回数はペットショップによると思うのですが、毎日、何回かペットショップの方は雛に挿し餌を行うはずです。何時頃行うか聞いて、その頃出直すなどして、是非とも食べ具合は自分で確認しましょう。特に初めて雛から飼うという方は、挿し餌のやり方も教わっておくといいので、見せてもらってください。
 

雛のごはん

人間の子供が育つために栄養を必要とするように、雛も育つために栄養が必要です。市販されている粟玉を与えるときに、ちょっとだけ工夫をしてみましょう。
 
オカメインコ
こんなキレイな子もいます。
  1. お湯は捨てない
    雛のごはんを作るときに粟玉にお湯を加えて溶くのですが、このときのお湯は捨てないでください。粟玉は、卵でコーティングされていますので、お湯を捨ててしまうと、お湯に溶けた卵が流れてしまいます。それではせっかくの栄養を捨てるようなもの。お湯は捨てずに、冷めるのを待って与えましょう。
     
  2. 動物性たんぱく質を添加する
    野生のインコ・オウム類は、大人になる過程で昆虫を食べることがあります。これは、成長過程で動物性たんぱく質を身体が必要としているからです。毎日のごはんに、ゆで卵の黄身を混ぜるなどして、動物性たんぱく質をしっかりと摂れるようにしてあげましょう。
 

病気の早期発見ポイント

オカメインコ
毎日の観察が病気の早期発見につながります。
ペットは「ここが痛い」とか「身体がだるい」とか、体調を飼い主に言葉で伝えることができません。それだけに、飼い主としては病気のサイン(兆候)は早く気が付きたいもの。代表的な病気のサインは覚えておきましょう。
  • 羽のストレス・マーク(ストレス・パターン)
    羽に出る、小さな傷のようなマークのことです。ちょっと具合が悪いときなどに、出てきます。ストレス・マークがある=重病のサイン、というわけではないのですが、病気の兆候である可能性がありますので、見逃さないようにしましょう。
     
  • 異常な羽
    オカメインコの羽は、頭の方からお尻に向けて、一方方向に向かっています。この羽の向きを無視するような、違う向きに向かう羽があったら、病気のサインである可能性があります。自分で羽を切ってしまっている場合(これはこれで病気の可能性があります)や単に毛繕いの途中で変な向きになっている場合もありますので、毎日、しっかりと観察して、羽の状態をチェックしましょう。
     
  • くちばしの異常
    くちばしが伸び過ぎてしまったり、変形してしまったりするといったくちばしの異常も病気のサインである可能性があります。くちばしに異常があると、ごはんが食べられなくなってしまうこともありますので、少しでも変だと感じたら、すぐに動物病院に相談しましょう。ごはんが食べられなくなってしまうと衰弱してしまうので、治療が難しくなる可能性があります。
     
  • バンブル・フット
    趾瘤症(しりゅうしょう)とも呼ばれます。足にタコのような固い突起物ができる病気です。止まり木に問題がある場合にも発症するのですが、別に病気があり、それが原因で発症することもあります。まずは止まり木のサイズ(太さ)やささくれている場所がないかどうかを調べ、止まり木の問題を解決しましょう。止まり木に問題がなく、バンブル・フットが起きているならば、他の病気のサインである可能性が高いです。
     
  • 下痢
    健康なオカメインコの排泄物は水っぽくありません。おしっこは尿酸の結晶になって排出されるので、便の中に白っぽい部分があるだけです。水っぽい便の場合には病気が疑われます。特に、水っぽい部分の色が黄色やライムグリーンなどの場合には病気のサインです。塩土をたくさん食べたために水をたくさん飲んだ、というような何かの原因が思い付かない場合には、動物病院に相談しましょう。
     
  • 嘔吐
    頭を横に振って吐く嘔吐は病気のサインです。吐く場面を見ていなくても、吐いた物(吐瀉(としゃ)物)がオカメインコの頭や鳥かごに付いていることが多いので、吐いたことに気が付けると思います。鳥かごの中の様子も、毎日チェックするようにしましょう。
 

オカメインコと長く一緒に暮らすために

オカメインコ
1日でも長く一緒に暮らせるように頑張りましょう!
鳥と暮らしていない私は、「鳥は弱い」というイメージを勝手に持っています。
でも、これは間違いでした。鳥類は、免疫機能が私達人間と違うため、身体のどこかの具合が悪くなったときに、それが他の機能にも影響してしまい、簡単に具合が良くならないのだそうです。

そのために、1度体調を崩してしまうと長引いてしまい、また、飼い主が気が付かないでいると身体のいろいろな機能の具合が悪くなってしまうので、「弱い」というイメージがあるのだそうです。

鳥のことを知り、彼らにとって快適な環境を作り、病気のサインは早めに読み取る。ペットを飼う人なら当たり前なことなのですが、この当たり前のことをしっかりと行うことで、小動物よりも長い時間、鳥さんは私達の家族でいてくれます。

オカメインコが環境の変化によるストレスを受けやすいことを理解し、雛のケアを十分に行えば、あなたも20年以上、オカメインコさんと暮らせるようになるかもしれません。


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※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。

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