ブチイモリの基本情報
撮影協力:東山動植物園
学 名:Notophthalmus viridescens別 名:グリーンニュート英 名:Eastern Newt分 布:北アメリカ東部(カナダ南東部からアメリカ合衆国のテキサス州、フロリダ州まで)全 長:7-14cm前後
アメリカ合衆国でもっとも分布が広くポピュラーなイモリです。
本種は分布が広いため、一般的には以下の4亜種に分けられています。
- Notophthalmus viridescens viridescens Red-spotted Newt・・・基亜種。分布域の大半に分布。体側に黒で縁取られたオレンジ色のスポットが並ぶ。
- N. v. dorsalis Broken-striped Newt・・・ノースカロライナ州とサウスカロライナ州の沿岸部の平原に分布。オレンジ色のスポットがつながって、途切れたラインのようになっている。
- N. v. louisianensis Central Newt・・・五大湖の西岸部からメキシコ湾岸まで、分布域の西部に広く分布。オレンジ色のスポットが小さくほとんど目立たない。
- N. v. piaropicola Peninsula Newt・・・フロリダ半島に分布。暗色で腹部はオレンジ色。体側のオレンジ色のスポットはほとんど存在せず、黒色の小班点が散在する。いわゆるレッドエフトの時期がなく、ほぼ一生を水中生活する。ネオテニーも見つかることがある。
種としての特徴は、上記にあるように亜種によって違いはありますが、側面から背面にかけて緑褐色から暗褐色の地色に黒色または黒色に縁取られたオレンジ色のスポットが散在します。亜成体は非常に明るいオレンジ色の地色であり、レッドエフトと呼ばれます。上の写真は成体ですが、ややレッドエフトの特徴を残した個体であると言えます。この体色は、エフト期は皮膚から分泌する毒が多く、警告色であると言われています。同じくアメリカに生息するサンショウウオの仲間で全身が赤い種類がいるのですが、これは本種のレッドエフトに擬態しているとも言われています。
森林地帯の水場に生息し、成体はほぼ完全に水生ですが、亜成体であるレッドエフトは陸生で林床などで生活しています。
生後3年ほどで性成熟して、繁殖可能になります。繁殖期は分布域によっても異なりますが、冬から初春にかけてで、メスは1.5mmほどの卵を200-400個ほどをバラバラに水草などに産みつけます。卵は20-35日ほどで孵化して、幼生が水中生活をはじめます。2-3ヶ月後に変態を行いレッドエフトになって陸上生活に移行します。その後、2-3年で再び水中生活に戻ります。
アメリカ合衆国東部でもっとも普通のイモリであるため、比較的コンスタントに国内にも輸入され、流通しています。レッドエフトは人気が高いのは当然ですが、成体も亜種によってはオレンジ色のスポットが美しいため、こちらも人気が高いと言えるでしょう。
ただし、やや高温に弱いため正しい知識を持って飼育すべき種類であると言えます。
赤っ恥をかかない程度の知識
- 北米大陸の東部に広く分布するイモリ
- 4亜種程度に分かれている
- 亜成体期は全身が赤っぽくレッドエフトと呼ばれる
- レッドエフトは陸生だが、成体はほぼ水生
- 比較的、多く流通する
ブチイモリの飼育方法
飼育容器通常は30から45cm程度のガラス水槽やプラケースでいいが、必ずしっかりとフタができるものを使う
温度
やや高温に弱いため夏季の高温対策が必要。25℃程度が上限と考える
照明
特に必要なし
床材
レッドエフトは陸生であるため焼き赤玉土・水苔・ヤシガラ土・腐葉土など湿度を維持できる素材を使う。成体は水生なので特に床材の必要はないが、砂利などを敷いても良い
容器内レイアウト レッドエフトは体を浸せる水容器とシェルターを設置する。成体は水場中心のアクアテラリウム。流木などで陸地を作る。水場は観賞魚用フィルターで濾過をした方がよい
餌
レッドエフトはコオロギ・ミールワーム・ハニーワームなどの昆虫類。成体はイトミミズやアカムシ、レバーなどを水中で与える
基本的な世話
レッドエフトはいわゆる陸生の有尾類の飼育方法
- 皮膚病に注意
- 餌の食わせすぎに注意する
- 餌はピンセットで与える
- など成体はアカハライモリの飼い方を参考にできる
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