ヤドクガエルの飼育は難しい? 理想的な環境などを飼育方法を解説

ヤドクガエルの飼育は難しい? 理想的な環境などを飼育方法を解説


全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!さて今回は、おすすめのヤドクガエルと、その飼育に迫ってみましょう。
   

ヤドクガエル初心者必見!飼育におけるポイントとは?

さて、そんなヤドクガエルの魅力を楽しむために私のようなヤドク初心者には、どんな種類がすすめられるのでしょうか?これはズバリ「自分が気に入った種類を飼うこと」です。というのはどういう事かというと。ヤドク飼育は「WCは難しい。飼うのならCB。CBならば飼育の難易度はさほど変わらない。」からです。

ですから飼育初級者は「CB限定で気に入った個体を飼育すればいい」わけです。ただし一般的にはアイゾメヤドクガエルDendrobates tinctoriusは飼育がすすめられる種であると言われています。その理由としてあげられているのが・大型である・カラーバリエーションが豊富・CBが定着しているという点です。
注意したいのは大型であるということは、餌の量も大量に必要ですので、その覚悟をすることを忘れないようにしましょう。何にしても鉄則は「CB個体を選んで、一生懸命に飼育すること」です。
 
D.tinctorius D.tinctorius regina
(左右とも)アイゾメヤドクガエル 写真:幻想熱帯雨林
 

ヤドクガエル飼育の準備

さて、こんなに美しいカエルたちを楽しむためにはどんな準備が必要なのでしょう。どの種類でも、飼育の準備は変わらないようです。

1.ケージ
私がよく使う「ケージ」という言葉は「cage」つまり「オリ(檻)」とか「カゴ(篭)」のことで、両爬の飼育容器を全般を指しているつもりですが、ヤドクの場合はあまり似つかわしくありません。ヤドクの場合は「ビバリウムvivarium」という言葉を使うのが一般的です。
ビバリウム、つまり自然の生息状況を再現した、あるいは模した飼育施設がヤドク飼育に最適だからです。大きさは収容する頭数にもよりますが、45cmから60cmのガラス水槽の大きさを準備しましょう。ヤドクの飼育は「環境の飼育」です。大きいほど環境は維持しやすく、急変・激変を避けられます。メンテナンスとフタのことを考えれば、ちょっと頑張って両爬飼育用の前開きのケースを購入するといいでしょう。

2.フタ
両生類ですから脱走はお手の物です。フタは必ず必要です。が、蒸れは禁物ですし、逆に通気性が良すぎると湿度不足になるおそれがあります。すき間があかないような網のフタをして、湿度の管理に常に気を配るのがいいでしょう。ヤドクに強いショップの店頭のビバリウムの工夫を見て、マネするのがいいでしょう。

3.照明
ヤドク飼育に紫外線は不要といわれています。ただし以下の理由で照明は必要です。・ヤドクは昼行性であるので、昼夜の生活のリズムを作るため・中で育成しているレイアウト用の植物のため・鑑賞価値を高めるため観賞魚用の蛍光灯や紫外線量の少ない爬虫類用の蛍光灯をタイマーにつないで12から14時間ほど点灯しているようにしましょう。

4.温度
テープヒーターなどを使って27℃前後に保つようにします。もちろんサーモスタットは使います。

5.床材
ヤドクのビバリウムはレイアウトされるためこまめに清掃できません。床材の中でバクテリアが自然浄化してくれることに任せます。熱帯魚飼育で言うところのバランスドアクアリウムというやつです。
よく利用されているパターンはケースの床に園芸用のセラミックのハイドロボールを敷き詰め通気の確保、その上に水草用の砂などを敷き、上はピートモスなど敷いて最後にウィローモスなどの生きたコケを活着させるようなイメージがよいようです。何にしても床材の役目をよく理解すれば、いくらでも各自で工夫できるでしょう。つまり床材の役目は・レイアウト用の植物の育成床・保湿・浄化バクテリアの住みかですので、これを実現するためにどんな工夫をするかです。

6.湿度
水両生類飼育のキモですね。私が最も苦手とする分野です。要は70%以上の湿度を保つ、ということです。特に給餌など活動する時間帯は湿度を一時的に高める必要があります。ですから湿度計は必須と考えましょう。で、問題の湿度維持の方法ですが、これは苦手の星野の意見ではなく、ショップなどで聞くのがいいでしょう。
ただ、私の今までの両生類飼育などの経験では「床材を常に(びしょびしょにならない程度に)湿らせておく」ことで空気中の湿度を、ある程度保つことができているような気がします。ヤドクに詳しい方達は各々で工夫をされていて、タイマーで霧を発生させたり、シャワーを出したり、霧吹きですませたりと。ただし必ず小さな水場は必要です。この水場の水は毎日交換して、綺麗な水がいつもあるようにします。
 

ヤドクガエル飼育の特徴

ヤドクガエルの飼育には、他の両爬と大きく違う点がいくつかあるように思います。それこそがヤドク飼育の楽しみなんですが。

1.レイアウト
ヤドク飼育のポイントであり、楽しみでもあります。ビバリウム内はヤドクの生息環境の再現を目指して、生きた植物でレイアウトします。一般的にはブロメリアというグループの観葉植物が使われているようです。しかし、安価にかつ丈夫な種類でレイアウトするならばポトスなどの、一般的な観葉植物は利用価値が高いです。逆に、すすめられないのがラン科の外来小型着生種です。
ビバリウムのレイアウト例

ビバリウムのレイアウト例 写真:幻想熱帯雨林

この仲間はやはり高温に弱いようで、ビバリウム内では長生きさせにくいようです。
 
 
これらを流木や生きたコケを使って、ビバリウム内にレイアウトして育成させます。レイアウトのコツなどは、私のような美的感覚ゼロのものが語ることはできません。みなさんのセンスや、先達のみなさんのレイアウト例を参考にしましょう。ただし、どんなレイアウトでもビバリウム前面中央付近は「広場」にして給餌スペースにします。

2.餌
小さいうちはコオロギの初令やショウジョウバエの飛べない品種などを中心に毎日与えます。ある程度大きくなったらハニーワームの小さい奴などもいいでしょう。給餌のポイントは・必ず栄養添加剤をダストすること・最初は食い残すくらい与えて、適切な給餌量を把握すること・朝方など彼らの活動時間に給餌することです。とにかく小さい餌を与えますので、給餌にも工夫が必要です。一つの方法として、プリンのカップやミソの容器などの大きめの入れ物に餌昆虫を大量に入れて、その中に栄養添加剤を加え、よく振ってダストします。
 
餌に集まるD.azureus

餌に集まるD.azureus 写真:Wild Sky

容器を傾けて餌を隅の方に集め、フィルムケースなどに移し、それをビバリウム内の餌用の皿などに落とせば比較的、楽に給餌できるでしょう。 問題は餌の確保です。基本は餌をすべて自家繁殖してまかなおうとしないことです。餌昆虫の飼育繁殖だけで相当のエネルギーが費やされてしまうからです。ですから私も結局コオロギなどは購入に頼っています。ただ、私のように地方に在住している者にとっては、常にコオロギの初令やショウジョウバエなどを用意しているショップなどがありませんので、ある程度は自家繁殖も考える必要が出てきます。ショウジョウバエの飼育繁殖は別の機会に...

3.日常の世話
基本的には・給餌・水の交換・湿度保持・個体観察・植物のトリミングです。ヤドク飼育の楽しみの一つに「繁殖」がありますが、今回は初心者向けということで、別の機会にしましょう。

4.毒
最後にヤドクガエルの毒についてですが、結論から言うとCB個体ならば毒はありません。どうやらヤドクの毒というのは生息地の餌昆虫から作り出すらしいのです。
ですから、生まれたときから、管理された餌で育てられたCB個体には毒はありません。ただ当然ですが、だからといって素手で不必要に触ったり、触った後に手を洗わなかったりしてはいけません。不衛生ですし、何よりカエルに不要なストレスを与えてしまいますから。

以上、ヤドクの基本的な飼育法でした。うーん、やっぱり飼育はかなりの手応えがありますね。と言うか飼育のし甲斐があるという感じですね。

今回、ヤドクの飼育のアドバイスをいただいた方から言われた言葉を紹介しましょう。
「ヤドク飼育のトラブルを少なくするためにはカエルを尊敬して下さい」この言葉、実はいみじくも、私が懇意にしているカエル飼育の達人(ヤドク未経験)の方も似たようなことをよく言っています。どうやらヤドクに限らず、カエル飼育の極意はこの辺にあるようです。
もちろん、他の両爬だってそうした方がいいんでしょうけど。以前、あるMLで「『はじめてのカエル』をテーマに記事を書こうと思うのだが、どんなカエルの飼育を初心者にすすめるべきか?」という意見の募集を行ったところ、ある方から「それならヤドク飼育をすすめてみては?」と言われ、ヤドク飼育は大変、という認識を持っていた私は、とても驚いたことがあります。でもこれってある意味正しいかも。

CBならばヤドクの飼育は、思っているほど困難ではない、とは言っても、やっぱり私が得意としているようなヘビとかヤモリみたいな比較的、手間がかからないグループから比較したら、やっぱりしなくてはいけないことが多いことは事実です。
しかし、例えば両爬の飼育をヤドクからはじめたならば、「両爬の飼育ってこんな感じ」というその人なりの基準が、ヤドク飼育の高さからスタートでき、その高さは必ずどんな両爬あるいは生き物全般の飼育に活かされると考えます。餌を十分に確保し続けること、適切なサプリメントを添加すること、温度と湿度を保つこと、個体の維持のために環境を維持すること、CBを選ぶべきであること……小さな小さな命ある宝石を楽しむためには苦労もありますが、その苦労が報われる瞬間がきっと来ることでしょう。
 
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※ペットは、種類や体格(体重、サイズ、成長)などにより個体差があります。記事内容は全ての個体へ一様に当てはまるわけではありません。