スレヴィンハリユビヤモリの基本情報
撮影協力:Endless Zone
アラビア半島に広く生息する地表性のヤモリです。
本種が属するハリユビヤモリ属Stenodactylus は指に指下薄板が発達せずに、別名のボウユビヤモリからもわかるように、細く小さな指をしている仲間です。西アジアからアフリカ大陸北部に10-11種が知られているようですが、似たような種類が多く、分類も混沌としているのが現状です。
本種に限らず、この仲間は比較的大きな頭部と細い尾を持っていることが多く、目も大きい種類が多いようです。体色は、いわゆる砂の色ですが、本種は他種に比べ透明感が強い印象の体色をしています。また小さなオレンジ色のスポットが入るのも特徴的です。
分布域からもわかるように、乾燥した砂地や荒れ地に生息し、夜間に巣穴から出て、エサとなる小さな虫などを探して活動をします。繁殖生態は知られていませんが、1ないし2個の卵を産むと考えられています。
ハッキリ言って、この手のヤモリに興味を持っているファンというのは、非常に少ないと思われますが、その理由の一つは、なんと言っても正確な種類の同定が難しいことでしょう。ただし、本種はその中でも、透明感のある明るい体色で上品な印象の種類と言えます。
そもそも需要が少ないからというのもありますが、あまり流通しない種類で、どちらかというと珍しく、なかなか見ることができないようです。
過酷な環境に生活している種類ですから、飼育自体は容易であると思われます。
赤っ恥をかかない程度の知識
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スレヴィンハリユビヤモリの飼育方法
飼育容器単独なら30cm程度のプラケースでよい。通気性は確保する
温度
フィルムヒーターでケース下から保温する。低温部と高温部ができるようにする。できればホットスポットを作り昼間は28-33℃程度になるようにする。夜間はこれらの保温を切って昼夜の温度差を作る
照明
爬虫類用の紫外線入り蛍光灯を点けた方がいい。また昼間はホットスポット用のライトを点ける方がいい
床材
穴を掘れるように強く固めた砂を厚めに敷く
容器内レイアウト
個体数以上の数のシェルターが必須。水入れは常設しなくてもよい
餌
コオロギやミールワームなどの昆虫。カルシウム剤などの添加は必須
基本的な世話
いわゆる乾燥系地表性ヤモリの飼育方法
- 穴を掘ることができるようにする
- 穴を掘ることができない環境ならば塩ビ管などの筒状のシェルターを設置する
- 夜間に霧吹きをする
- カルシウム不足にならないようにする
- など
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