ニシキトゲオアガマの基本情報
写真提供:ビーボックス
非常に色彩が鮮やかなトゲオアガマの一種です。
一般的に、フィルビートゲオアガマUromastyx ornata phylbyi を別亜種とすることが多いのですが、これは別種とするべきであるという考え方もあるようです。
名前からわかるように、オスは成熟すると青や緑を基調にして赤、黄、赤紫、黒などの斑紋が虫食い状に入り、非常に鮮やかになります。ただしメスは褐色でどちらかというと地味な体色のままです。
生態は他のトゲオアガマと同様で、基本的には砂漠に近い乾燥した環境に生息していて、涸れた川である「ワジ」の斜面に深い巣穴を掘ったり、岩の割れ目などで生活しています。ほぼ完全な植物食性で、特に花を好んで食べるようです。ただし、飼育下では昆虫もよく食べるようです。
卵生で6月頃に7-17個の卵を産み、2ヶ月ほどで孵化するとされています。幼体は雌雄とも褐色地に暗色のバンドと細かい虫食い状の斑紋があります。
古くから、もっとも美しいトゲオアガマの一つとされて、非常に高い人気を保ち続けています。これまではWC個体を中心にFHやCBが少数流通する程度ではありますが、コンスタントに流通していました。また、特にCB個体は飼育もしやすいと言われています。
非常に魅力的な種類ですが、2010年のCITESの締約国会議ではCITES 付属書Iへの掲載が提案されていて、そうなった場合は流通できなくなります。もしもそうなったら、ちょっとというかかなり残念です。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識
- もっとも色彩が鮮やかなトゲオアガマ
- メスも発色することがあるらしい
- 比較的コンスタントに流通する
- CB個体ならば飼育はそれほど難しくない
- CITES IIだが、Iになる可能性がある
ニシキトゲオアガマの飼育方法
飼育容器90~120cmクラス以上の水槽など
温度
ホットスポット部は45~50℃、低温部は27~32℃。夜間は20℃前後にする。
照明
紫外線灯とバスキングランプが必要。紫外線灯はできれば複数。
床材
爬虫類用の砂漠の砂など
容器内レイアウト
ブロックなどでホットスポットとシェルターを作る。水入れは設置しない。
餌
植物食なので野菜を中心に与える。ときどきコオロギなどの昆虫も与える
基本的な世話
乾燥系トカゲの飼育に準ずる
- ケージ内に温度勾配をつける
- カルシウムの添加は必須。ときどきビタミン剤も添加する
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