インドシナオオスッポンの基本情報
写真提供:aLive
学 名:Amyda cartilaginea別 名:-英 名:Asiatic Softshell Turtle, Black-rayed Soft-shelled Turtle分 布:ベトナム、ラオス、カンボジア、タイ、ミャンマー南部、マレーシア、インドネシア(ジャワ島、ボルネオ島、スマトラ島)甲 長:最大70cm(83cmの記録もあるらしい)
東南アジアに分布する名前の通り、非常に大きくなるスッポンです。
本種はインドシナオオスッポン属Amyda に属しており、以前は同属の別種としてA. nakornsrithammarajensis というのがあったようですが、現在は本種の個体差ということで認められていないため、1属1種とされていることが多いようです。
背甲の色はオリーブ色がかった灰色から緑褐色で、黄色に縁取られた黒色の小さな斑点が多く散在しています。また幼体時は黄色の斑点が多数散在しています。頭部や四肢には黄色の斑点がちりばめられており、後頭部にはオレンジ色からピンク色のブロッチがある場合もあります。
生息環境は多様で、大きな河川から池や沼など底床が泥質から細かい砂の環境に多く見られ、陸上で日光浴をする姿も観察されるようです。
繁殖生態はあまり知られていませんが、これまでの記録によると年間に3-4クラッチを産み、1クラッチで4-8個、大型の個体になると20-30個の卵を産むとされています。卵は21-33mmほどの直径の球形で135-140日をかけて孵化に至ります。
名前の割に大きさではコガシラスッポンやマルスッポンの仲間に最大甲長は譲りますが、それでも直径80cmほどの円形のカメですから実際に見ると化け物ではあります。
特に食用のための捕獲圧が強かったようで、個体数が減少傾向にあり、2004年にCITESの付属書IIに掲載され国際的な商取引に制限がかけられるようになりました。その結果、国内でもペットとして流通する機会が減って、以前ほどは見かけなくなってきました。確かにこれほど大きくなる生き物で、さらに噛み付くことが仕事のスッポンですから、一般の家庭で飼育しきることは難しいことを考えれば、「どうしてもインドシナオオスッポンでなきゃダメ!」って熱烈なファン以外には安易な飼育を勧められるカメではありません。
でも、日本ってスゴイですよね。スッポン養殖の技術を確立しているんですから。こんな減少傾向にあるスッポンたちも、その技術をいかせられないんでしょうかねぇ。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識
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インドシナオオスッポンの飼育方法
飼育容器大きめの水槽や衣装ケースなど
温度
観賞魚用のヒーターとサーモスタットで24~28℃程度に保温する
照明
紫外線入りのバスキングランプを設置した方がいいと思われる
ろ過
できれば外部式フィルターと上部フィルター
床材(底砂)
潜ることを好むため、目の細かいパウダー状の砂を必ず厚めに敷く
容器内レイアウト
背甲が完全に隠れる高さに砂を敷いて、砂に潜って首を伸ばして呼吸ができる水深。腹甲が傷つかない素材の陸場が必要
餌
肉食性。魚やエビ、巻き貝などを与える
基本的な世話
いわゆるスッポンの飼育法ポイントは
- 皮膚病に注意する
- 咬みつかれないように注意して扱う
- など
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