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写真提供:aLive |
グレイモニター
学 名:Varanus olivaceus別 名:グレイオオトカゲ英 名:Gray’s Monitor Lizard分 布:フィリピン(ルソン島南部、カタンドゥア諸島)全長:体長65cm前後 最大全長176cmフィリピンの一部に生息し、果実を食べることで有名なオオトカゲです。
本種は分布域が非常に狭く、1845年から130年間の間、生体の発見記録がありませんでした。そのため絶滅の可能性が心配されていた時期もありました。
緑がかったオリーブ色の地色に暗色のバンドが数本入り、その暗色部にも明色の斑紋が細かく入っています。また成体は吻部周辺に黄色みがかることも特徴です。
標高500m以上の熱帯雨林に生息していて、基本的に樹上性ですが、木のうろや森林にある岩場の割れ目などにも潜むことがあるようですし、危険を感じるとそのような狭い場所に逃げ込みます。幼体時は巻き貝やカニなどを食べているそうですが、生後12-18ヶ月ほどになると、食性の多くが果実を中心とした植物食になることが知られています。これほど植物食性が強いオオトカゲは、本種と、近年に本種から分割されたVaranus mabitang という種類だけのようです。
おそらく現地では、ストック中の個体が産卵したものを孵化させて流通していると思われるため、産卵に関しては経験上の知見はあるはずですが、正確な記録としては1回の産卵で11個以上を産むということです。卵は6.7×3.6cmで50gほどもある大きなものであるようです。孵化に関するデータもないのですが、野外で孵化した幼体と思われる個体が見られる時期から考えると孵化までに300日ほどもかかる可能性が考えられていますが、飼育下では219日で孵化した記録があります。
猛獣や猛禽に近いような強い肉食性動物というイメージを持たれている多くのモニターにあって、果実を食するというのは、それだけでもとてつもない魅力を持った種類であるといえます。またある時期までは「幻」級の扱いであったわけで、私たち両爬ファンにとってこれほど興味深い生き物もいません。
しかし、分布域も非常に狭く、生息環境の悪化から、もっとも絶滅の危機に瀕したモニターの一つであることは間違いありません。決して気軽に家庭で飼育できる大きさではありませんし、結構運動量もあるそうですし。
現地では研究者を中心に、保護を念頭に置いた調査が続けられていますが、おそらく今後CITES I になるでしょうし、現在の日本のように決して非現実的ではない価格で流通している今の間に、その貴重さを十分に理解している方に飼育され、願わくば繁殖の成功などにつながれば、と本当に祈るような気持ちです。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識- フィリピンの一部に分布
- 成体は非常に植物食が強く、果実を中心に食べている
- 性質は温和というわけではない
- 絶滅が危惧されている
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飼育の基本情報 |
飼育容器 | 幼体ならば60cm程度の爬虫類専用ケースでいい。最終的には自作の特大ケージが必要 |
温度 | 基本は26℃程度。ホットスポット下は50℃前後で設置。容器下にフィルムヒーターを敷く。ケージ内に温度勾配を作ること |
照明 | 爬虫類用の紫外線灯やバスキングランプが必須。できれば直射日光で日光浴をさせる。 |
床材 | ヤシガラ土など、多少湿度を保持できる素材を厚めに敷く |
容器内レイアウト | 止まり木になるような太めの枝を一本だけ斜めに立てかける。水によく入るので、水容器は大きめのものを設置する |
餌 | 幼体時はコオロギを中心にウズラ、マウスなどを少量。栄養添加剤は必須。成体はよく熟した果実を与える |
基本的な世話 | オオトカゲ類の飼育に準ずる- 成体でもマウス等の動物性のものを積極的に食べることもあるらしいが、栄養障害を起こすことが考えられるので、果実を中心に与えるようにする
- 幼体時は低温と乾燥に十分に注意する
- 特に入荷直後の幼体を飼育し始めたときは湿らせたミズゴケを床材にして、高温に保ち状態を整える
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※「飼育の基本情報」は「爬虫・両生類ビジュアルガイド オオトカゲ&ドクトカゲ(誠文堂新光社)」「大蜥蜴世界(マリン企画)」および海外サイトを参考にしました。 |
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