ノコヘリマルガメの基本情報
写真提供:Herptile Lovers
学 名:Cyclemys dentata 別 名:デンタータマルガメ英 名:Asian Leaf Turtle分 布:インド、ミャンマー南部、 タイ、マレー半島、スマトラ島、ジャワ島、ボルネオ島、フィリピン甲 長:26cm
東南アジアに広く分布し、国内でも比較的流通量が多い半水生のカメです。
本種は分布が広いために、形態の個体差が大きくこれからさらに多くの種に分類される可能性を持っています。本種が属するマルガメ属Cyclemys は本種のみで考える場合から以下の4種程度に分ける考え方まであります。
- Cyclemys atripons マダラマルガメ・・・タイ南東部、ベトナム
- C. dentata ノコヘリマルガメ
- C. oldhami オルダムマルガメ・・・インド、ネパール、ミャンマー、タイ、カンボジア、マレーシア、インドネシア(スマトラ島、ジャワ島)
- C. tcheponensis スジクビマルガメ、チェポマルガメ・・・ベトナム北部、ラオス、タイ北部
頭部や四肢は背甲に比してやや小さめで、赤褐色から暗褐色をしています。頭部と頸部にはオレンジ色のラインが数本走りますが、これも個体差が大きく、まったく見られない個体もいます。これらの色彩や斑紋の違いは種や亜種による違いとも言われていますが、前述のように分類が混沌としているためまだはっきりとはわかっていません。
生息地では、比較的浅い河川で半水生の生活をしています。食性は動物性、植物性のいずれもよく食べている雑食性です。
メスは7-10年で繁殖可能になり、1シーズンに4-5クラッチの産卵を行うようです。1クラッチで55-57×30-35mmの卵を2-4個ほど産み、56mmほどの大きさの幼体が孵化します。
アジアの淡水性のカメの多くはCITESで国際的な商取引が制限され、流通量が激減しましたが、本種は2009年現在でCITESに入っていませんので、比較的安価な価格で流通しています。ただし、現地では当然減少傾向にあるといわれ、国内での流通も減ってきたといわれています。
安価で、ヤマガメの類を思わせる丸ノコのような背甲の独特の形態、そして丈夫で飼育もしやすいわけで、そういう意味では貴重なカメです。ただし、低温には弱く、日本の冬は加温なしでは越えられないので注意が必要です。
その昔、私も何も知らずに気軽に購入して、せっかく飼育が楽しくなってきた頃に冬になってあっけなく殺してしまったという苦い経験があります。安価であるがために、その存在が軽視されがちですが、色彩の個体差もバラエティがあり、コレクション性も楽しめるかもしれませんので、CITESに入らないように大切にしていきたいカメです。
赤っ恥をかかない程度の知識
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ノコヘリマルガメの飼育方法
飼育容器大きさによって60~120cmクラスの水槽や衣装ケースなど。
温度
室温に任せてよいが、冬季は保温が必要。ホットスポットは設置する
照明
紫外線入りのバスキングランプが必要
ろ過
できれば外部式フィルターを設置する
床材(底砂)
特に必要なし
容器内レイアウト
ケース内の3分の1程度を陸地にして、背甲の高さ程度の水深の水場にする
餌
配合飼料でよい
基本的な世話
いわゆる水生ガメの飼育法さらに
- 冬眠はさせない
- など
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