ナマクアカメレオンの基本情報
画像提供:ペポニ
学 名:Chamaeleo namaquensis別 名:-英 名:Namaqua Chameleon分 布:アフリカ南西部ナミブ砂漠(アンゴラ、ナミビア、南アフリカ北西部)全長:頭胴長16cm テレビでも紹介され、一躍有名になった砂漠に生息する変わった生態のカメレオンです。
本種は、樹上性が基本である他のカメレオンに対して地表性であり、そのため体型も独特です。例えば頭部が大きく尾が短いという特徴があります。また背中線のクレストは三角形で角状に発達しています。
体色は明灰色から暗褐色までですが、興奮時にはうすく黄緑がかった灰色になるようです。また体側には4-6個の明色の斑紋が並んでいます。
植物も少ないような砂漠地帯に生息しており、砂の上や低木、岩の多い荒れ地に生息しています。エサは昆虫類ですが、小さなトカゲなども食べているようです。
一年間に3回ほど産卵を行うらしく、1回に6-22個の卵を産むようです。メスは産卵場所を保護すると思われており、3-4ヶ月で孵化に至ると考えられています。また飼育下では100日で孵化した記録があるようです。孵化後、5-7ヶ月ほどで性成熟に至ると思われています。
他種のカメレオンと違って、地表を素早く走ることができ、また体色を変化させることで体温の調節を行うなど、砂漠の地表での生活に特化した生態を持っています。
非常に変わったカメレオンであり、またこれまでに流通したこともほとんどなく、国内でその姿を見ることは、まずないと思われていました。それが2008年末にある程度の頭数が流通したのだから、非常に驚きです。
飼育に関する情報は皆無に等しいのですが、乾燥した環境で生活するため頑強で、おそらくそれほど難易度が高い種類ではないでしょう。ただし、当然ながら非常に高価であり、誰でもが飼育できる種類ではありません。それでも、たぶんそのうち、今回流通した個体からCB仔をとる日が来るでしょうから、そんな朗報を待ちたいところです。
ここから先は、私の単なる妄想なのですが、このカメレオンを見ていると、非常に夢が広がります。そもそもカメレオンというのは樹上生活での究極の進化を遂げた爬虫類の一つと言えるわけです。それが、どんな理由なのかはわかりませんが、本種のように砂漠に生活を移したのですから、一体これから先、ナマクアカメレオンの形態にどんな進化が訪れるのか、考えるだけで楽しくなります。
地表生活をするためには、側偏した彼らの体は扁平になるような方向に進化するでしょうし、枝をつかむための指は走るための指に変わるでしょう。逆に、立体視できる特徴的な目の作りは体が扁平になってしまったらどうなるのか、実は意外にもカメレオンは本種のように地表性が元で、そこから多様に分化していったのか。そんな想像をする楽しみを、彼らは与えてくれます。やっぱりカメレオンってスゴイですよね。
CITES(ワシントン条約)の付属書II類掲載種
赤っ恥をかかない程度の知識
- ナミブ砂漠周辺の乾燥地帯に生息する
- 乾燥性および地表性の特殊なカメレオン
- 地表面を素早く走ることができる
- 卵生
- まず流通しない、もちろん非常に高価
ナマクアカメレオンの飼育方法
飼育容器60~90cmクラス程度の水槽、自作の木製ケージなど。側面を金網張りなどにした通気を確保できる容器。床材を深くする必要があるために高さのあるケージが必要
温度
基本の温度を25-28℃前後としてホットスポット部は28-35℃程度にする。夜間は20℃を下回らない程度
照明
非常に強力な紫外線灯とバスキングランプが必要
床材
砂。表面は乾かして、深部は湿らせる
容器内レイアウト
光の当たらないシェルターになる物が必要
餌
コオロギでいいが、動きが速いと食べにくいらしい
基本的な世話
ツノトカゲ等の乾燥系のトカゲの飼育に準ずる
- 加湿の必要はないと考えられる
- 水分はエサから摂取するらしい
【関連記事】