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ヒラオリクガメ

当然といえば当然なんですが、なかなかイイ写真を撮る機会に恵まれなかったヒラオリクガメがリクガメの第29弾です!

執筆者:星野 一三雄

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ヒラオリクガメ

学 名Pyxis planicauda別 名:マダガスカルリクガメ英 名:Flat-shelled Spider Tortoise分 布:マダガスカル西部甲 長:最大13.7cm

現在ではマダガスカルの一部にのみ生息する、絶滅に瀕している小型のリクガメです。

クモノスガメと同属のPyxis 属とされるのが一般的ですが、別属としてAcinixys planicaudaとされることも多いようです。

クモノスガメのように、背甲の各甲板は黒色地に明褐色や黄色の放射状斑紋が入り美しいカメですが、クモノスガメよりも背甲が扁平で上部が平らに近い形をしています。腹甲は黄色で、黒褐色の放射状模様が入る場合が多いようですが、ほとんど無斑の個体も多いようです。やや小さめの頭部は黒色で、細かい白色の斑紋が散在する場合が多いようです。

野生での生態は、ほとんど知られていませんが、乾燥した落葉樹林に生息していて、雨季の間によく活発しています。比較的暗い環境を好むと言われています。

植物食性で、果実や若い葉などを食べていると思われています。

雨季に交尾を行い、33-35×25-30mmの卵を数回に分けて1つずつ産みます。

かつては広い範囲に分布していたと考えられていますが、環境破壊やペットのための乱獲により、数が激減し、野生ではわずか数千頭程度しかいないと考えられています。特に2000年頃に、非常に大量のヒラオリクガメが流通し、国内でも極めて安価に大量に販売されました。

その結果2002年からCITES I になり、商業的な流通が禁止されることになりました。また世界でもっとも絶滅の危機に瀕しているカメの一つとされています。

確かに、小型で美しいということで人気が高い種類なのですが、非常に飼育が難しいと言われていて、当時の情報不足のもとでは日本国内で非常に多くの個体が消費的に飼育されたと言われています。

その後、生き残った個体たちから多くの飼育の情報が収集され、クモノスガメと似たような飼育法であると考えられるようになって、当時の個体の生き残りが細々と流通する程度になっています。

上の写真は埼玉県立こども自然動物公園で撮影させていただいた個体です。そこではクモノスガメと同じような環境でのびのびと飼育されているのですが、クモノスガメが活発に走り回っているような環境でも、じっとしている個体が多く、やはりより神経質で飼育が難しいと感じました。

とにかく飼育下でのまともな繁殖実績も、ほとんど聞かれないような状況ですので、ここまで生き残っている個体たちを飼育下で繁殖させることができるようになって欲しいものです。

CITES(ワシントン条約)の付属書I類掲載種

ヒラオリクガメ
赤っ恥をかかない程度の知識
  • マダガスカルのリクガメ
  • 小型で美しい
  • 2000年に大量に流通した
  • CITES I であり、国内では「種の保存法」によって無許可の流通や飼育が禁じられている
  • 飼育は難しい
  • 野生での生態はよくわかっていない
飼育の基本情報なし海外サイトでは、かなり詳しく飼育方法や繁殖に関した情報を探すことができますが「種の保存法」遵守のために、ここでは飼育情報は控えます。※「基本情報」は「クリーパー No.6(クリーパー社)」および海外サイトを参考にしました。
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