モロクトカゲ
          アリススプリングスのレプタイルセンター展示個体 歩き方がかわいい

モロクトカゲの生態と生息地

学名:Moloch horridus 
別名:ソーニィデビル 
英名:Thorny Devil, Moloch Lizard
分布:オーストラリア中部から西部にかけての乾燥地帯
体長:11cm
全長:20cm前後

その異様な外見から両爬ファンだけでなく、一般の方にもよく知られているオーストラリアのトカゲです。1属1種のモノタイプで、アメリカのツノトカゲと混同されることもありますが、まったくの別種です。
 

全身に大きくて鋭い棘が密生し他種と間違うことはありません。体色は基本的に灰白色地に赤褐色の不規則な斑紋が入ります。腹部には棘はありませんが、やはり斑紋があり、個体によって異なる形をしているので、個体識別に利用されています。


首の背中側に、両端に大きな棘がある肉質の付属物があり、敵に襲われたときに偽の頭部として機能させると言われています。

乾燥した地域の砂地に生息していますが、イメージされるように草一本生えていないような場所ではなく、乾燥地帯に生えている植物の周辺などに生息しています。夜間や、もっとも温度が上がる日中は巣穴の中や草などの物陰に隠れていますが、日が昇った直後から午前中に活発に活動をします。
 

モロクトカゲの特徴

よく知られた特徴で、全身の棘に小さな溝があり、その溝がすべて口角につながっていて、体についた水をすべて無駄にせず飲む、というシステムがあります。
これに関して、夜間に冷えた体に朝方に水滴が結露してそれを飲んでいるという説がありますが、これは証明はされていないようです。何よりも、それくらいの温度で結露するほど生息地の空気の湿度は高くありませんから。実際には、ときどき降る雨によって水を飲んでいるようです。
 

エサは小さなアリで、日中は1分間に40匹ほどの割合で食っています。およそ1日で5000匹のアリを食うと記録されていますが、専食するのが非常に小さいアリなので、重量にすると大した量ではないようです。


強い紫外線と高温を好み、開けた場所で日光浴をしますが、好適体温は33-36℃です。


卵生で、現地での春から初夏に当たる9-12月に産卵を行います。1シーズンで1クラッチのみの産卵で、3-10個ほどを産みます。産卵は、メスの巣穴の中の土の中で行われ、90-132日で孵化します。孵化した幼体は全長63-65mmで親と同じように全身に棘があり、斑紋もあります。


誰が見ても、異様で怪獣のように迫力があってカッコイイトカゲです。小さいため、飼育をしてみたくなるトカゲですが、世界的に見てもほとんど流通していません。国内でも販売されることはありません。
これはオーストラリアが野生動物の輸出を禁じているからなのですが、仮に流通したとしても、飼育ができる生き物ではないと考えられます。強い日光と高温、そして莫大なエサとなるアリの量の確保が国内でできるとは考えにくいからです。

そういう意味では、いつまでも我々両爬ファンのあこがれの的であり続けるべきのトカゲなんでしょう。


ただ、最近は似たような生態であるアメリカのツノトカゲが、かなり飼育技術も進歩してきていますから、モロクトカゲだって...と考えてしまうのは不謹慎でしょうか?何度も言いますが、そもそも流通自体が行われないはずの種類ですけど。


私も生息地まで足を運んだのですが、残念ながら野生の個体に出会うことはできませんでした。しかし、爬虫類目的でない観光客などによる発見例も結構あるようですし、私自身もここは必ずいる、という場所がわかりましたので、絶対にいつかリベンジして、素晴らしい野生個体の写真をみなさんにご覧いただこうと思っています!