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カントンクサガメの基本情報と飼育方法……中国南部周辺のカメ!

今回は、カントンクサガメの基本情報と飼育方法をご紹介いたします。カントンクサガメは、一見、日本のクサガメに似ているため、このような名前で呼ばれる中国南部周辺に分布するカメです。飼育する際の床材や温度はどのようにしたらよいのでしょうか。

執筆者:星野 一三雄

カントンクサガメの基本情報

カントンクサガメの基本情報と飼育方法

写真提供:オーナーズフィッシュ

カントンクサガメ
学 名Chinemys nigricans別 名:-英 名:Chinese Red-necked Pond Turtle分 布:中国南部(広東、雲南、広西、海南島)、ベトナム南部甲 長:20.5cm

一見、日本のクサガメに似ているため、このような名前で呼ばれる中国南部周辺に分布するカメです。

幼体から亜成体時は背甲や四肢、頭部背面などが黒色で、側面に数本の明色のラインが入り、背甲には目立った3本のキールがあるために、確かに日本のクサガメに似ていますが腹甲が鮮やかなオレンジ色をしていて、何より成体になると明らかに別種ということがわかるようになります。

成長すると、背甲は褐色になり、3本のキールは1本だけになります。さらに上あごには黄色のラインが入ることが多く、頭部や四肢に鮮やかな赤色が発色します。ただし、これらの特徴には個体差が多く、特に成長して全身が黒化した個体は日本のクサガメに似ています。

標高300-400m程度の丘陵地や山地の森林に流れる川に生息しているらしく、大きな川などには生息していないようです。

1クラッチあたり2-9個の卵を産むとされていますが、飼育下では2卵程度しか産まないことが多いようです。卵は36-51×20-27mmの大きさで、28-31℃で51-55日程度をかけて孵化します。孵化した幼体は28-31℃の大きさで前述のように、オレンジ色の鮮やかな腹甲をしている個体が多いようです。

以前は、比較的安価に、かつ大量に流通していたようですが、現地での生息数が激減したようで、中国から入荷する量が少なくなりました。現在はEU、アメリカ、あるいは国内で繁殖された個体が流通するようになっています。

成長して、頭部や四肢が赤く染まった姿を見なければ、なかなか注目をされないようなカメですが、根強いファンが多く「たかがクサガメ」と勘違いしていると非常に高価に感じます。事実、以前の私はそうでしたから...

本種に限らず、中国のカメって「来なくなって」から魅力が再認識されて人気が出る種類が非常に多いように思います。でも、そうやって高価になって、本当に好きな人だけが大切に飼育をし続ける存在であり続けるのが一番いいことなんです。

赤っ恥をかかない程度の知識
  • 中国南部からベトナムに分布
  • 幼体時はクサガメに似ているが腹甲が明色である点で区別できる
  • CBのベビーが少し流通するようになってきた
  • 成体は頭部や四肢などが赤くなる個体がいる
  • やや水質に敏感
  • 現地では激減しているため、WCの流通は比較的少ない
腹甲
ベビーの腹甲
画像をクリックすると拡大画像と詳細が表示されます
 

カントンクサガメの飼育方法

飼育容器
大きさによって60~120cmクラスの水槽や衣装ケースなど。

温度
室温に任せてよい。ホットスポットは設置する

照明
紫外線入りのバスキングランプが必要

ろ過
できれば外部式フィルターを設置する

床材(底砂)
特に必要なし

容器内レイアウト
ケース内の3分の1程度を陸地にして、背甲の高さ程度の水深の水場にする


配合飼料でよい

基本的な世話
いわゆる水生ガメの飼育法さらに
  • 水質に敏感なので水替えをマメにする
  • 皮膚病になりやすいので、体をしっかりと乾かせる陸地を設置する
  • 水はきれいに保つようにする
  • 日本でも周年屋外飼育が可能
  • 冬は冬眠が可能
  • など
※掲載した情報は「爬虫・両生類ビジュアルガイド 水棲ガメ1(誠文堂新光社)」および海外サイトを参考にしました。

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