爬虫類・両生類/両爬のQ&A

3時間目・優性と劣性

不定期開講!今さら聞けない両爬ホビーの専門用語を授業形式で解説する「実況!両爬の生物学授業!」の3時間目です!今回のテーマは「優性と劣性」!

執筆者:星野 一三雄

キーンコーンカーンコーン、キーンコーンカーンコーン....

全国の両爬ファンのみなさん、コンニチハ!
それでは、授業を始めまーす。挨拶をお願いしまーす。

「起立。気をつけー。礼!」
「お願いしまーす」

ハイ、お願いします。
さて、そろそろ年も押し詰まってきましたが、みんなは2007年にやり残したことはないかー?先生はいっぱい記事をアップし残しているぞー。で、今回の授業もその一つだ。さっさとやってしまおう!

と言うわけで前回の授業の宿題のチェックから行こうか。
前回の宿題はこんな問題だったな。
宿題:以下の遺伝子型を記号で記せ。

問1. 赤色を表現する遺伝子をE、対立遺伝子をeとした時のヘテロ

問2. 黄色を表現する遺伝子をXとxとした時のホモの組み合わせすべて

問3. 黒色を表現する遺伝子をAとaとした時のすべての組み合わせ
簡単だな。
じゃ、問1から3まで全部一人に聞いてみようか。ほい、出席番号24番。
「・・・問1がEe。問2はXXとxxです。問3はAA、aa、Aaです。」
はい。ご苦労様!全部正解だ!さすがだね。

要するに、前回の授業では
  • 一つの形質には対立する形質が必ずある
  • ある形質を表す遺伝子には対立する遺伝子がある
  • 対立遺伝子どうしは相同染色体のそれぞれの同じ場所にある
  • 一つの形質を司る遺伝子は必ず1対持っている
  • 同じ遺伝子を2つ持つ場合を「ホモ」、異なる遺伝子を1つずつ持つ場合を「ヘテロ」という

ということを勉強したわけだ。だから問3では「A」と「a」が対立する遺伝子で、Aを二つ持つ場合とaを二つ持つ場合、そしてAとaを一つずつ持つ場合の3通りあるということだったな。

で、今回はその「ホモ」と「ヘテロ」が個体の「表現型」にどんな関係があるのか、の話だ。

「赤」+「白」=?

ちょっと絵の具の話をしよう。
絵の具は混ぜると、別の色になるよね?
例えば「赤」と「青」を混ぜると何色になる?はい、じゃ君。
「紫色です」
そうですね。
じゃ、「白」と「赤」だったら?
「ピンク色」
そうです。絵の具だったらこういうことになりますね。

じゃ、遺伝子の話。
前回言ったように、一つの形質にはそれを司る遺伝子があって、それとは対立の関係にある遺伝子があるという話をしたわけだよね。
例えば、「赤い色を表現する」遺伝子Rと「赤い色を表現できない」遺伝子rが対立遺伝子の関係にあるわけだ。で、個体はその遺伝子をRR、rrそしてRrのいずれかの組み合わせで持っている。

じゃ、これらの遺伝子型を持っている個体、うん、例えば「赤いコーンスネーク」が、どんな表現型になるのかを考えてみよう。

RRの遺伝子型のコーンスネークの場合は「赤い色を表現する」遺伝子しか持っていないから、もちろん表現型として「赤い色のコーンスネークになる」よね。
いや、こんな赤くないけどね
優性ホモRRだから赤いコーン

逆にrrの遺伝子型を持つコーンスネークの場合は「赤い色を表現できない」遺伝子しか持っていないから、表現型は「赤い色ではないコーンスネーク」ということだ。赤い色を表現できないから、わかりやすいように「赤がないから白い色のコーンスネークになる」としよう。
汚ねー
劣性ホモrrだから白いコーン

じゃ、ヘテロであるRrを持ったコーンスネークはどうなるんだろう?
  • 1
  • 2
  • 3
  • 5
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます